56 / 102
第56話
「なにが、ヒーローよ・・・」
しおりを挟む
翌朝。
リチアは家のベットにて目覚める。
リチア「・・・朝」
チャロ「にゃー」
リチア「チャロ、おはようございます」
今日任務はお休みで良かった・・・。
私の力でも、生徒の皆さんをなんとか守れました・・・。
リチアは自分の手を見つめる。
そして時計を見れば時間は7時30分を回っていた。
そうだ、今日朝ケイが迎えに来てくれるんでした。
私はパジャマから騎士学校の制服に着替えると部屋を出てリビングに行けばそこには母と父が朝食を先に食べていました。
「リチア、帰ってきてたんだってな」
リチア「!お、お父様・・・!」
「母さんから聞いたさ。任務、頑張ってるようだな」
リチア「・・・はい・・・」
「遠慮する必要はない。ここはお前の家だ。リチアが帰ってきたいと思ったらまた帰って来ればいい。家を逃げる理由にしたらいい。
リチアが自分で騎士学校に入りたいって決めたことなんだからさ。最後までやり通せ」
リチア「・・・っはい」
「リチア。ご飯食べていくでしょ?」
キッチンから母が顔を出す。
リチア「あ。じゃあ、いただきます!」
その日の朝はリチアと父と母とで食卓を囲んで楽しそうな会話を繰り広げた。
全部ご飯を完食したリチアは「ごちそうさま」といって席を立つ。
「もう行くの?」
リチア「はい。また、たまに帰ってきますね」
「いつでも待っているからな」
両親に暖かく見守られながらも
リチアは家を出ると同時にリチアの隣の家も開いてそこからケイリィが出てくる。
リチア「あれ?ケイも帰っていたんですか?」
ケイリィ「いや、リチア迎え行くついでにせっかく帰ってきたから親の顔だけ見ようかなぁって、今挨拶してきたところ。んでご飯作るから食べていきなさいって煩いからさぁ」
リチア「ふふ。そうだったんですね。」
「ケイリィ!!」
家からケイリィの母親が飛び出してくる。
ケイリィ「え、か、母さん?見送りなんかいらないって・・・」
「あら、リチアちゃんおはよう!丁度よかったわ!
これ、2人で分けっこして良かったら食べてね!差し入れ的な感じ!」
と、リチアはケイリィの母親から袋に詰まった沢山のパンの耳を押し付けられた。
ケイリィ「なんでパンの耳・・・」
「いらなかったら学校の皆にお裾分けしてもいいからね!市民のために動いてくれる騎士学校へのほんの感謝の気持ちよ!それじゃ、いってらっしゃい!」
ケイリィの母は手を振って家の中へと入っていく。
リチア「朝から元気なお母様ですね~」
ケイリィ「ほんとだよ・・・リチアご飯食ってきた?」
リチア「あ、はい。一応・・・。ケイがまだならパンの耳食べますか?」
ケイリィ「いや、いらない。リチアが食べていいよ」
リチア「そう、ですか?それでは遠慮なく・・・」
リチアとケイリィはバス停に向かって歩いていればタイミングよくバスが来るのが見えて、それに乗り込んで騎士学校付近まで向かうことにした。
数分して、
騎士学校前のバス停で停車するとケイリィとリチアは降りて学校へと向かって歩いていた。
ケイリィ「今日は任務休みだけどさ、リチアはなにするの?」
リチア「うーん・・・。まだとくに決まって・・・。あ、カトレア様に相談したいことがあったんでした」
ケイリィ「相談?」
騎士学校へと向かう二人の前から歩いてくるフードを被った人物。
その人物とすれ違うと、フードを被った人はスッと刃物をちらつかせていた。
リチア「カトレア様に依頼してみようかなぁって・・・
ケイもご存知かと思いますけど、私の兄を探して欲しいっていう依頼を・・・」
そんな話をしているときだった。それはまるでスローモーションかのようにゆっくりで、突然横を歩いていたケイリィが前のめりになって血を流して倒れていく光景が伺えた。
見てみるとケイリィの脇腹から血が吹き出ている。
リチア「え・・・け、ケイ!?」
リチアは思わずパンの耳が入った袋を地面に落とす。
そして倒れたケイリィに駆け寄る。
ケイリィは死んだわけではなく、ただ脇腹を押さえて唸っていた。
一体、だれが・・・。こんな・・・。
その時。
リチアは視線を感じ、後ろを振り返ってみるとそこには血のついた刃物を持ったフードの人物が立っていた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・っ」
リチア「あ、あな、たが・・・やっ・・・たんですか・・・?ケイ、を・・・」
どうして・・・ケイばかりに、こんな・・・っ
「ゆるさない・・・ゆるさない・・・なにが、ヒーローよ・・・騎士団なんか・・・騎士団なんかぁぁあ!!!」
リチアはゆっくりと立ち上がり、
その人物はリチアに刃物を持って襲いかかる。
リチアの顔面を狙って刃物を突き出すもリチアはそれを避けたがスッと、頬を刃物がかすったくらいでリチアはすぐに尋常じゃない動きを発揮させた。
そのフードの人物に光の速さで向かって行き、
容赦なく蹴り飛ばし、そのフードの人物は騎士学校前の門の横の壁に背中を強くぶつける。
その人物は手にしていた刃物をカタンと音を立てて地面に落としたのをリチアが拾う。
ケイは腹を押さえてうずくまりながらも、顔をリチアに向ければ刃物を手にしたリチアがその人物に歩いていくところを見る。
ケイリィ「リ・・・チア・・・だめ、だ・・・っ」
リチアはその人物の前に立つなり、今にも刃物を振り下ろそうとしていた。
フードの人物は、リチアを見上げる。
止めなくちゃ・・・。リチアを・・・。
ケイリィは痛む腹を押さえつつも立ち上がると、リチアへと駆け出した...。
リチアは家のベットにて目覚める。
リチア「・・・朝」
チャロ「にゃー」
リチア「チャロ、おはようございます」
今日任務はお休みで良かった・・・。
私の力でも、生徒の皆さんをなんとか守れました・・・。
リチアは自分の手を見つめる。
そして時計を見れば時間は7時30分を回っていた。
そうだ、今日朝ケイが迎えに来てくれるんでした。
私はパジャマから騎士学校の制服に着替えると部屋を出てリビングに行けばそこには母と父が朝食を先に食べていました。
「リチア、帰ってきてたんだってな」
リチア「!お、お父様・・・!」
「母さんから聞いたさ。任務、頑張ってるようだな」
リチア「・・・はい・・・」
「遠慮する必要はない。ここはお前の家だ。リチアが帰ってきたいと思ったらまた帰って来ればいい。家を逃げる理由にしたらいい。
リチアが自分で騎士学校に入りたいって決めたことなんだからさ。最後までやり通せ」
リチア「・・・っはい」
「リチア。ご飯食べていくでしょ?」
キッチンから母が顔を出す。
リチア「あ。じゃあ、いただきます!」
その日の朝はリチアと父と母とで食卓を囲んで楽しそうな会話を繰り広げた。
全部ご飯を完食したリチアは「ごちそうさま」といって席を立つ。
「もう行くの?」
リチア「はい。また、たまに帰ってきますね」
「いつでも待っているからな」
両親に暖かく見守られながらも
リチアは家を出ると同時にリチアの隣の家も開いてそこからケイリィが出てくる。
リチア「あれ?ケイも帰っていたんですか?」
ケイリィ「いや、リチア迎え行くついでにせっかく帰ってきたから親の顔だけ見ようかなぁって、今挨拶してきたところ。んでご飯作るから食べていきなさいって煩いからさぁ」
リチア「ふふ。そうだったんですね。」
「ケイリィ!!」
家からケイリィの母親が飛び出してくる。
ケイリィ「え、か、母さん?見送りなんかいらないって・・・」
「あら、リチアちゃんおはよう!丁度よかったわ!
これ、2人で分けっこして良かったら食べてね!差し入れ的な感じ!」
と、リチアはケイリィの母親から袋に詰まった沢山のパンの耳を押し付けられた。
ケイリィ「なんでパンの耳・・・」
「いらなかったら学校の皆にお裾分けしてもいいからね!市民のために動いてくれる騎士学校へのほんの感謝の気持ちよ!それじゃ、いってらっしゃい!」
ケイリィの母は手を振って家の中へと入っていく。
リチア「朝から元気なお母様ですね~」
ケイリィ「ほんとだよ・・・リチアご飯食ってきた?」
リチア「あ、はい。一応・・・。ケイがまだならパンの耳食べますか?」
ケイリィ「いや、いらない。リチアが食べていいよ」
リチア「そう、ですか?それでは遠慮なく・・・」
リチアとケイリィはバス停に向かって歩いていればタイミングよくバスが来るのが見えて、それに乗り込んで騎士学校付近まで向かうことにした。
数分して、
騎士学校前のバス停で停車するとケイリィとリチアは降りて学校へと向かって歩いていた。
ケイリィ「今日は任務休みだけどさ、リチアはなにするの?」
リチア「うーん・・・。まだとくに決まって・・・。あ、カトレア様に相談したいことがあったんでした」
ケイリィ「相談?」
騎士学校へと向かう二人の前から歩いてくるフードを被った人物。
その人物とすれ違うと、フードを被った人はスッと刃物をちらつかせていた。
リチア「カトレア様に依頼してみようかなぁって・・・
ケイもご存知かと思いますけど、私の兄を探して欲しいっていう依頼を・・・」
そんな話をしているときだった。それはまるでスローモーションかのようにゆっくりで、突然横を歩いていたケイリィが前のめりになって血を流して倒れていく光景が伺えた。
見てみるとケイリィの脇腹から血が吹き出ている。
リチア「え・・・け、ケイ!?」
リチアは思わずパンの耳が入った袋を地面に落とす。
そして倒れたケイリィに駆け寄る。
ケイリィは死んだわけではなく、ただ脇腹を押さえて唸っていた。
一体、だれが・・・。こんな・・・。
その時。
リチアは視線を感じ、後ろを振り返ってみるとそこには血のついた刃物を持ったフードの人物が立っていた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・っ」
リチア「あ、あな、たが・・・やっ・・・たんですか・・・?ケイ、を・・・」
どうして・・・ケイばかりに、こんな・・・っ
「ゆるさない・・・ゆるさない・・・なにが、ヒーローよ・・・騎士団なんか・・・騎士団なんかぁぁあ!!!」
リチアはゆっくりと立ち上がり、
その人物はリチアに刃物を持って襲いかかる。
リチアの顔面を狙って刃物を突き出すもリチアはそれを避けたがスッと、頬を刃物がかすったくらいでリチアはすぐに尋常じゃない動きを発揮させた。
そのフードの人物に光の速さで向かって行き、
容赦なく蹴り飛ばし、そのフードの人物は騎士学校前の門の横の壁に背中を強くぶつける。
その人物は手にしていた刃物をカタンと音を立てて地面に落としたのをリチアが拾う。
ケイは腹を押さえてうずくまりながらも、顔をリチアに向ければ刃物を手にしたリチアがその人物に歩いていくところを見る。
ケイリィ「リ・・・チア・・・だめ、だ・・・っ」
リチアはその人物の前に立つなり、今にも刃物を振り下ろそうとしていた。
フードの人物は、リチアを見上げる。
止めなくちゃ・・・。リチアを・・・。
ケイリィは痛む腹を押さえつつも立ち上がると、リチアへと駆け出した...。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
未亡人となった側妃は、故郷に戻ることにした
星ふくろう
恋愛
カトリーナは帝国と王国の同盟により、先代国王の側室として王国にやって来た。
帝国皇女は正式な結婚式を挙げる前に夫を失ってしまう。
その後、義理の息子になる第二王子の正妃として命じられたが、王子は彼女を嫌い浮気相手を溺愛する。
数度の恥知らずな婚約破棄を言い渡された時、カトリーナは帝国に戻ろうと決めたのだった。
他の投稿サイトでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる