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第31話
「今テメェを生かしておく理由がなくなった」
しおりを挟むなに・・・なにが、起こったの・・・?
突然雷が降ってきたと思ったら・・・二人は倒れていて・・・
でそこにはフォンくんとヒューくんが居て・・・
ディアナ「なに、何をしたの・・・貴方たち・・・」
ノウゼンカズラ「・・・探したぜディアナ」
ノウゼンカズラは足を撃たれたせいか動かないでいるディアナへ近づいていく。
普通・・・じゃないわ・・・。豪雨でもないのに雷が落ちてくるなんて・・・。
一体この二人は何者、なの・・・?
ディアナ「こ、来ないで・・・今の力、なんなの・・・?
貴方が、やったの・・・?」
だんだんと近づいて来るノウゼンカズラに
ディアナは倒れた2人が手にしていた地に落ちているその銃を拾うとノウゼンカズラに向けた。
ディアナ「っ来ないでってば・・・!ば、化け物・・・!!」
ノウゼンカズラ「・・・この力は神に与えられた力だ。」
ノウゼンカズラは手に持っていた剣から手を放すと魔法のように消えていった。
ノウゼンカズラ「ディアナ。騎士団として、俺たちはお前に話があって来た」
ディアナ「騎士、団・・・?」
"「殺されたよ。騎士団に。
ボクたちはこの場に居ないで隠れてたから・・・死は免れたみたいだけどね。見ちゃったんだ。騎士団に殺されるの。シナ様の悲鳴が、上がってるのを確かに聞いた・・・。
騎士団が去った時に根城に入れば、もうそこには跡形もなくなってた」
「ボクら以外、皆全滅・・・」"
根城にて2人からそう聞かされた言葉を思い出した。
ディアナ「騎士団が・・・殺したって、こと・・・?シナを・・・」
ノウゼンカズラ「シナ・・・?」
アザレア「・・・書類に書いてあった。確か人身売買の大将の名前だった気がする」
ノウゼンカズラ「あぁー・・・殺したな」
ディアナ「!どう、して・・・?」
ノウゼンカズラ「・・・どうしてだ?」
そこでノウゼンカズラはポケットから一枚のくしゃくしゃになった紙を取り出す。
ノウゼンカズラ「騎士団にはこう言う書類が届く。
書類が届くってことは誰かがお前の行動を見てた人物が居るってことだ。
ディアナお前・・・
人身売買に手を貸してやがったな」
そう言われディアナは目を見開いた後俯くと構えていた銃を下ろして真実を話し出した。
ディアナ「・・・仕方ないじゃない・・・。そういう約束だったんだから・・・シナとの・・・。
人身売買にて子供を提供してくれれば私の娘を助けてくれるって・・・っ
臓器を移植すれば・・・私の娘は助かるんだって・・・!!」
ディアナは目に涙を溜めて訴える。
アザレア「・・・娘」
ディアナ「ヒューくんには話したよね・・・?
私には病気の娘がいるって・・・
ずっと入院してて・・・まだ10歳なのに・・・。ただ死を待つしかない人生なのよ・・・
産まれた時から病室の窓からしか景色なんて見れたことがない!
医者ではもうどうしようもないって言われて、娘の命もそんな長くないって・・・余命宣告された・・・
もっと大きな病院に移して診て貰えばあるいは助かる見込みもあるって・・・でもそんな
お金もなくて・・・
それで、昨夜病院から電話があったの・・・。
娘の容態が急変したって・・・。
それで・・・」
ノウゼンカズラ「それでてめぇはどうした。
人身売買してる、仮にも生きている子供から臓器提供すんのか」
ディアナ「・・・生きてないわよ・・・どうせ商品、でしょ?」
ノウゼンカズラ「・・・まさかお前がそんなこと言うとはな・・・」
ノウゼンカズラはくしゃと手に持っていた書類を握りつぶして顔を俯かせる。
ノウゼンカズラ「俺はお前が・・・優しくしてくれたお前のことがずっと好きだった。
けど、人身売買に手を貸してることを知ってから俺は・・・
今テメェを生かしておく理由がなくなった」
そう吐き捨てたノウゼンカズラの瞳はとても冷たかった。
ディアナの瞳からは涙が頬を伝う。
ディアナ「お願い・・・フォンくん・・・。見逃して・・・?私はただ、元気な娘に会いたいだけなの・・・!」
ノウゼンカズラ「生きてんだよ、商品だろうと。
家族から引き剥がされて生きている普通の子供だった。
仮にも施設の先生として行き場のない子供を引き取って家族が見つかるまで置いてくれてたお前が子供の気持ちがわかんねぇのかよ。
どんな気持ちで居たか、なんて。
考えたことねぇのかよ!
俺たちが、施設へ送られてきた時・・・お前はなにを考えてたんだよ!」
ディアナ「っるさい、うるさい!」
ディアナはギュッと目を瞑り、そして銃口をノウゼンカズラに向けると思い切って引き金を引いた。
その弾丸は当然目の前に立っていたノウゼンカズラに当たるわけで。
ノウゼンカズラの胸からは血が垂れ、胸に手を当てれば手にはべったりと血がついていた。
それを見たあとノウゼンカズラは手を握った。
ディアナはそれを見てしまった時、自分がなにをしてしまったか数分遅れて理解した。
ディアナ「あ・・・あぁぁ・・・!ご・・・ごめ・・・ごめんね・・・!す、すぐ、救急車を・・・」
と、ディアナはポケットから携帯を取り出そうとした。
次の瞬間、
ノウゼンカズラは優しくディアナを抱きしめていた。
ディアナ「フォン・・・くん・・・・?」
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