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第21話
「強くないですよ・・・」
しおりを挟むその日の夜。
リチアは一人寮のベッドに座り込んで、ふと胸に手を当てる。シナの銃を受けて胸を貫いたはずの怪我はもうどこにも存在しなかった。
その時、部屋をノックされ、
リチア「はい?」と声をかければ
ガチャリとその部屋にケイリィが入ってきた。
ケイリィ「リチア??夜ご飯食べてないでしょ?食堂行かない?」
リチア「あ、そう、ですね。今行きます。」
リチアはベッドから起き上がりケイリィに近づく。
ケイリィ「・・・リチア。約束して・・・もう今日みたいな、無茶しないって・・・」
リチア「私がしたくてやったことです。撃たれてもこの通り、なんともなくなったじゃないですか」
ケイリィ「それは、ラン先輩がいたからで・・・。けど・・・皆怖くてあの時一歩も動けなかったのに・・・リチアのおかげといっちゃアレだけど、犠牲者があまりでなくて済んだし・・・強いよね、リチアは」
リチア「・・・強くないですよ・・・。
考えてました。今日の任務のことを。
今日の任務、どこかで見た覚えがあるような気がした人たちでした。」
ケイリィ「・・・あの白いフードの人たち?そりゃ見たことあるよ。俺たちがまだ小学1.2年の頃、
リチアも白いコート着た人たちに連れ去られそうになってた。その人達はきっとリチアを人身売買にしようと、したんじゃないかな・・・」
リチア「・・・!それで、また今日・・・人身売買されそうになったんですね・・・」
そう言ってリチアは自分のお腹に晴れる。
ケイリィ「・・・え?今日?されそうに、なったって・・・?」
リチアは服を捲ってお腹をケイリィへと見せる。
そこには焼けた跡のようなものがくっきりと残されていた。
ケイリィ「!これって・・・!」
リチア「これが最後まで書かれていたら
、私は商品として売られます。そう言う誓いを勝手にたてられていたところでした・・・」
リチアは震えていた体を自身で包み込む。
それを見たケイリィはリチアを優しく抱きしめた。
ケイリィ「怖かった、よね。でももう大丈夫、すべてもう終わったことだから・・・。」
ケイリィが抱きしめてくれたことで体の震えも止まり、リチアはケイリィの背中に手を回した。
リチア「・・・そう、ですね」
ありがとう・・・ケイ。
ー子供養護施設にて、
その施設にはディアナ以外にも2人の双子の先生も居た。
ルミ「ディアナー、私たちはもう寝るから、ディアナも無理しないで寝るのよー?」
ルナ「お疲れ様ですわ、ディアナ」
ディアナ「あ、お疲れ様!ルナさんルミさん!おやすみ!」
ディアナは部屋にて寝てる子供をあやしながら2人にそう言う。二人がその部屋を出ていくのを確認すると部屋の明かりを暗くして今はぐっすり眠っている子供に視線を落とすディアナ。
ディアナはそこで自分の娘を思い出す。
ずっと寝たっきりの娘のことを・・・。
ディアナ「必ず、助けるからね・・・」
そう呟いた声は誰にも届くことはなかった。
と、そこでジリリリリと一本の電話が鳴った。こんな夜更けに誰だろう?とディアナは恐る恐る受話器をとった。
ディアナ「・・・もしもし?」
電話の相手は病院からのようであり、
その医師から話を聞いていたディアナは信じられない事に自分の耳を疑った。
そしてガチャンと音を立て受話器を手放すのだった・・・。
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