手向け花を捧ぐーREー

井上凪沙

文字の大きさ
上 下
16 / 102
第16話

「・・・とうの昔にその名は捨てたんだよ」

しおりを挟む



ラン「まさか、お知り合いだったとは」

ノウゼンカズラ「・・・昔の話だ」

ディアナ「ヒューくんとフォンくんはここに世話になった事があってまだまだ小さな子供だったのよね~。もうあれから何年経つのかなぁ~?こんな大きく逞しくなって。」

そう言ってディアナはノウゼンカズラとアザレアは近寄る。

ノウゼンカズラ「・・・おい、その名前で呼ぶんじゃねぇ」

ディアナ「え?だってフォンくんでしょ?ヒューベルク=ロウガくんとフォン=ブレク君でしょ?何年も付き合ってたんだから顔を忘れたりはしないわ」


ノウゼンカズラ「・・・とうの昔にその名前は捨てたんだよ」


ディアナ「あら、そうなの??それじゃなんて呼べばいいかな?」

ノウゼンカズラ「・・・教えるつもりはねぇけど」

ディアナ「もう!なんでよ!・・・でも、変わらないね。性格は。背だけが大きく成長したみたい。
そういえばカトレアさんは元気?仲良くできてる?」


カトレアと言う言葉に、今まで会話を聞いていたランは口を開く。

ラン「カトレア様ともお知り合いなのですか?」

声をかけられたことにディアナはランへと振り返り、
「・・・この方は2人のどっちの彼女??」といきなり訳の分からないことを言い出すものでノウゼンカズラとアザレアは「は?」と声がはもる。



ノウゼンカズラ「どっからどう見れば彼女になる」

アザレア「・・・目可笑しいんか」

ランのことをずっと女性と勘違いをしていたディアナは掛けていた眼鏡に触れてまじまじとランを下から上までを観察した。

ディアナ「・・・・え。あ、男性だった!?ご、ごめんね、視力あまり良くなくて。あまりにも長く綺麗な髪をしてたから・・・・。でも近くで見ると、本当だ。紛れもない男の子だったね。」

ディアナはランに近付くとランの頬に手を添える。
そのディアナの手の感触から、ランはふと幼少期の頃を思い出した。
頬に触れた手はすぐ離され「貴方、名前は?」とディアナは聞いた。

ラン「・・・ランです」

ディアナ「ラン君ね!聞いてよラン君!ヒュー君とフォン君がここに世話になってたってことは親がいないか何らかの事情でここに来る子供が多いんだけどね、2人とも誰にも寄り付こうとしなくて・・・でも私が声かけたら心を開いてくれるようになって、それから私にべったりでね~。でもこんな2人を引き取ったのがカトレアさんという方だったかな。」


いきなりのマシンガントークにランは引きぎみになりながらも、「・・なるほど」と適当に返した。

それにはもう付き合いきれなくなったノウゼンカズラは馬に跨る。

ノウゼンカズラ「・・・・話長ぇんだよ。」

ディアナ「ってあれ!?もう行っちゃうの?たまにはここに遊びにきてもいいんだからね?」

アザレア「うるさいもうお前黙れ」

ディアナ「なによもう!」

ノウゼンカズラ「とりあえず子供達は預けたからな」


ラン「では僕たちはこれで」

ランは扇子を取り出して、子供達に向けて振るとかまいたちが起きたかのように子供たちの首と手につけられてる枷が壊されて壊れた枷は地へと落ちる。


枷を外され自由になった手を見つめる子供達はやがて馬車に乗って来た道を帰っていくラン達を見えなくなるまで見送ったディアナと子供達であった。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

選ばれたのは美人の親友

杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

形だけの正妃

杉本凪咲
恋愛
第二王子の正妃に選ばれた伯爵令嬢ローズ。 しかし数日後、側妃として王宮にやってきたオレンダに、王子は夢中になってしまう。 ローズは形だけの正妃となるが……

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

未亡人となった側妃は、故郷に戻ることにした

星ふくろう
恋愛
 カトリーナは帝国と王国の同盟により、先代国王の側室として王国にやって来た。  帝国皇女は正式な結婚式を挙げる前に夫を失ってしまう。  その後、義理の息子になる第二王子の正妃として命じられたが、王子は彼女を嫌い浮気相手を溺愛する。  数度の恥知らずな婚約破棄を言い渡された時、カトリーナは帝国に戻ろうと決めたのだった。    他の投稿サイトでも掲載しています。

処理中です...