ピロティー

いまさら小次郎

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20:00, Friday アルバートホテル 7階にて

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「…ホント…すいません」

気まずくなって、左手で顔を覆った。

「説明不足。ごめんね」

弘は身体を離し、ベッドの横にある小さなテーブルに手を伸ばした。
少しの沈黙の間、弘に背を向ける形で身体を部屋の窓側に傾けた。
身体に塗られたローションと自分の体液が乾いて、身体に張り付いている。

薄いカーテン越しに見える窓の外は、
夜なのに明るい。
無数にそびえるオフィスビルと商業施設の光が、せわしなくまたたいてる。
自分だけが、その世界から切り離された空間に置いていかれているようで、不安になる。
目を閉じながら、大きく息を吐いた。

「すごいため息」
「あ。…すいません」
「今日はずっと、謝りっぱなしだね」

慰められる様に、背中を何度かさすられた。
弘の大きく温かい掌に、安堵する。

弘が言うところの”守られている”感覚を、何となく感じている。

客だからということも、初めてだからということもあるとは思う。
今の所、ここに来て分かったことは弘が優しいということくらいで、
自分が確かめにきたものの答えはまだ、見つかっていない。
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