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第一章 どこかでみた光景
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しおりを挟む4日目の夢の世界にやってきた。
始まりはいつも通り、真っ青な芝生の上。
だけど今回はなぜか閉じている瞼に光が当たらない。
今日は、晴れていないのか。
ゆっくりと目を開けるとすぐ目の前に、”天使”の顔があった。
初めて、”天使”の顔をはっきりと捉えた。
風に漂う薄茶色の髪は、時折優しく顔を撫でてくる。
髪と同じ色の長い睫は瞬きに合わせゆっくりと上下し、そのすぐ下にあの透き通るような青い瞳が覗いてる。
「タカユキ…」
”天使”が、静かに呼びかけてきた。
顔にかかった髪をどかそうと手を伸ばしかけたが、なぜか身体が動かない。
それに気づいて目を左右に動かしていると、
”天使”の右手がゆっくりと近づき、孝之の頬を優しく撫でた。
「体が。動かない。動かないんだ」
「じっと。してて」
孝之の必死の訴えにも動じることはなく、
”天使”は何度も右手で頬を撫でてくる。
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