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そして意を決したように勇者に話しかける。

「あのね……エルドレッド……お願いがあるんだけど」

勇者は首をかしげて答えた。

「なんだい?」

「あのね……その指輪はわたしに着けさせてほしいの……」

セリーヌの言葉に勇者はうなずいた。

彼女は微笑むと、ゆっくりと勇者の左手の薬指に指輪を通す

──その瞬間、勇者の胸は高鳴り始めた。

「なんだか照れくさいな……」

勇者はそう言って照れ隠しのために頬を掻く──するとセリーヌは彼の頬を両手で包むと自分の方へ近づけた。

そして二人は唇を重ね合わせる──やがてどちらからとも分からない甘い吐息が漏れ始めた。

そしてそのままベッドに倒れ込むと、彼女の乳房に手を伸ばす。

セリーヌは声を漏らしながら体を震わせた。

「あぁ……エルドレッド……」

彼女は甘えるような声で名前を呼ぶ──勇者は愛おしそうに彼女の体を愛撫していった……。

***

***
翌朝、勇者が目覚めると隣には裸のままのセリーヌがいた。

どうやら先に目が覚めてしまったらしい──彼女はまだ眠っているようだ。

勇者はその寝顔を見つめながら微笑む──その寝顔はとても安らかで美しかった。

(……こうして見ると、普通の女の子にしか見えないな……)

勇者は心の中でつぶやくと、彼女の髪を撫でた──さらさらとした感触が心地よい。

彼はしばらくの間、その感触を楽しんでいたが、やがて我慢できずに彼女を抱き寄せる。そしてそのまま口づけをした──。

「ん……」

セリーヌが小さく声を漏らしたが、まだ目を覚まさないようだ。

勇者はそんな彼女に何度もキスを繰り返した。すると徐々に彼女の目が開いてくる──ようやく目が覚めたらしい。

「おはよう」

セリーヌは少し照れながら言った。勇者も照れくさそうに微笑む。

「おはよう」

勇者は返事を返すと、彼女を抱きしめたまま体を起こした──そして再び口づけを交わす。

今度は彼女もそれに応えるように舌を差し出してきた。

互いの舌を絡め合わせる濃厚なキスだ……。

「エルドレッド……」

セリーヌは彼の名前を呼びながら抱きついてくる──その顔は赤く染まっていた。

勇者はそんな彼女を抱きしめる腕に力を込めると、耳元で囁いた。

「愛しているよ、セリーヌ……」

その言葉にセリーヌはますます顔を赤くさせる……耳まで真っ赤だ。

「わたしもよ……エルドレッド……」

セリーヌは幸せそうに微笑むと、勇者の胸に顔を埋めた──


(おしまい)
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