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風が優しく吹き付けるたびに水面が揺れ、キラキラと輝いている……まるで宝石を散りばめたかのようだ。

「ねえ……エルドレッド……」

セリーヌが口を開いた。

「なんだ?」勇者は聞き返す。

「わたしたち……幸せよね……」

彼女は微笑みながら問いかける──その瞳には涙が浮かんでいた。

「……そうだな」

勇者はゆっくりとうなずくと彼女の体を抱きしめた──そして二人は口づけをする。長い抱擁の後、ようやく体を離した。

「そろそろ行こうか?」

勇者の言葉にセリーヌはうなずいた。そして二人は再び手を繋いで歩き始めた

──しかし途中で立ち止まってしまう……何かを見つけたようだ。

セリーヌはそれを拾うと、嬉しそうに微笑む。それは小さな白い花だった──。

「どうしたの?」

勇者が問いかけると、セリーヌは答えた。

「この花はね、幸運を呼ぶ花って言われてるの」

彼女は花を勇者に差し出して続けた。

「この花を持っていると、大切な人と一緒にいられる時間が長くなるって言われてるの。だからこの花はわたしのお守りにするわ」

セリーヌは勇者に花を渡すと、再び歩き始めた。

勇者もまた彼女の隣に並びながら歩く──そして二人は寄り添いながら歩いていくのだった。

***

***

その日の夜──セリーヌと勇者はベッドの上で寄り添い合っていた。

二人とも裸のままで、お互いの体温を感じながら余韻に浸っているところだ。

ふと、セリーヌが口を開いた。

「エルドレッド……わたしのこと、本当に愛してる?」

彼女は不安げな表情で問いかける。勇者は優しく微笑むと、彼女の髪を撫でながら言った。

「もちろんさ……セリーヌのことを愛している」

彼の答えを聞いて安心したのか、セリーヌは嬉しそうに微笑んでいる。

そんな彼女の様子を見て勇者も幸せな気持ちになっていた──。

(そうだ……)

そこで勇者はあることを思いついた。

ベッドから起き上がると棚の中から小さな箱を取り出す──その中には銀の指輪が入っていた。

それはかつて国王から受け取ったものだ。

勇者はそれを取り出すと、セリーヌに差し出す。

「これは……?」

セリーヌが首を傾げると、勇者は言った。

「婚約指輪だよ……。王家のものではない、俺たち二人の指輪だよ」

その言葉に彼女は嬉しそうな表情を浮かべると、左手の薬指にはめようとする

──だが途中で手を止めると、何かを考えている様子だった。
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