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気づいたら朝だった。アルバムがベッド脇に落ちていた。まつげが、じんわり湿っている。
かけたつもりのない布団が私にかぶせてあった。まくら横に千円札が二枚あった。
その横に、『風邪引くよ』というママのメモがそえてある。生意気なことを言っても、私は、ママなしでは生きていけないのだ。
放課後、駆け足で練習に行った。私には時間がない、そう思ったから。
「すごい。気合い入ってるー」
ラジカセをさげたモモチが、声をかけた。練習場所から遠い中学校なのに、一番乗りだから、びっくりしたのだろう。ストレッチをしていた私は、モモチに向き直った。
「だって、私、みんなよりまだ下手だし。だから、もっと練習しないとおいつけないし」
「そうか。なら、上手くなる方法がある。ちょっと見てー」
モモチはスマホを取り出した。そこには、キコのおどる動画があった。
「私、キコにお願いしてお手本を録画させてもらったんだよ。それを毎日見て、イメージをふくらませるんだー」
「わあー。私もお願いしてみる」
「何、やっているんですか?」
後ろから、リツがふざけて私の肩にあごをのせてきた。モモチが話すと、リツは大きくうなずいた。
「イメージも大切ですけど。ちゃんとトレーニングをして体を作らないといけないですよ。ちなみに私は毎朝、ジョギングしています」
私はポカンと口を開けた。みんな、ちゃんと見えないところでがんばっていたんだ。
かけたつもりのない布団が私にかぶせてあった。まくら横に千円札が二枚あった。
その横に、『風邪引くよ』というママのメモがそえてある。生意気なことを言っても、私は、ママなしでは生きていけないのだ。
放課後、駆け足で練習に行った。私には時間がない、そう思ったから。
「すごい。気合い入ってるー」
ラジカセをさげたモモチが、声をかけた。練習場所から遠い中学校なのに、一番乗りだから、びっくりしたのだろう。ストレッチをしていた私は、モモチに向き直った。
「だって、私、みんなよりまだ下手だし。だから、もっと練習しないとおいつけないし」
「そうか。なら、上手くなる方法がある。ちょっと見てー」
モモチはスマホを取り出した。そこには、キコのおどる動画があった。
「私、キコにお願いしてお手本を録画させてもらったんだよ。それを毎日見て、イメージをふくらませるんだー」
「わあー。私もお願いしてみる」
「何、やっているんですか?」
後ろから、リツがふざけて私の肩にあごをのせてきた。モモチが話すと、リツは大きくうなずいた。
「イメージも大切ですけど。ちゃんとトレーニングをして体を作らないといけないですよ。ちなみに私は毎朝、ジョギングしています」
私はポカンと口を開けた。みんな、ちゃんと見えないところでがんばっていたんだ。
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