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「ぜんぜん足が合ってないよ!」
翌日の練習で、ひさしぶりに、キコにどなられた。何だかいろんなことを考えて、集中ができない。どうしても、仲間に言い出せなかった。
「マコちゃん。なんかあったのー?」
モモチが声をかけてくれたが、口をつぐんでいた。もしそれを伝えたら、大会への熱い気持ちや、みんなの、私への思いまで壊れてしまいそうで怖かったからだ。大会が終わるまでだまっていよう。そう決めた。
家に帰り、一人リビングで夕ご飯をすませてから、荷造りを始めた。ふと書棚の奥から、アルバムが出てきた。ずっしりと重い装丁の立派なものだ。
ホコリをはらって、ベッドで寝転がって広げた。七五三で、振り袖姿の私が笑っている。ムチムチの、もちみたいなふっくらしたほほをテカらせながら。両脇には父母が笑顔で立っていた。あの頃はあんなに楽しかったんだ。
けれど小学生になってから、両親の口論が多くなってきた。ママの仕事が順調な反面、家を空けることが増えていたのだ。
「ママ、少しは、家のことをやったらどうなんだい?」
パパは、ほとんど料理もできず、洗濯機もろくに回さないほどだった。だからママに家のことをちゃんとしてほしかったのだろう。
授業参観にも、体育大会にも、学芸会にも、ろくに参加できない。そんなママに、パパのやるせない気持ちも同情できた。
翌日の練習で、ひさしぶりに、キコにどなられた。何だかいろんなことを考えて、集中ができない。どうしても、仲間に言い出せなかった。
「マコちゃん。なんかあったのー?」
モモチが声をかけてくれたが、口をつぐんでいた。もしそれを伝えたら、大会への熱い気持ちや、みんなの、私への思いまで壊れてしまいそうで怖かったからだ。大会が終わるまでだまっていよう。そう決めた。
家に帰り、一人リビングで夕ご飯をすませてから、荷造りを始めた。ふと書棚の奥から、アルバムが出てきた。ずっしりと重い装丁の立派なものだ。
ホコリをはらって、ベッドで寝転がって広げた。七五三で、振り袖姿の私が笑っている。ムチムチの、もちみたいなふっくらしたほほをテカらせながら。両脇には父母が笑顔で立っていた。あの頃はあんなに楽しかったんだ。
けれど小学生になってから、両親の口論が多くなってきた。ママの仕事が順調な反面、家を空けることが増えていたのだ。
「ママ、少しは、家のことをやったらどうなんだい?」
パパは、ほとんど料理もできず、洗濯機もろくに回さないほどだった。だからママに家のことをちゃんとしてほしかったのだろう。
授業参観にも、体育大会にも、学芸会にも、ろくに参加できない。そんなママに、パパのやるせない気持ちも同情できた。
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