がんばれ、わたしたちのラストダンス

２

　今、商店街のストリートダンス大会に向けた練習をしている。

　チーム名はラビッツという。メンバーは、キコ、モモチ、リツ、それに私の四人だ。おそろいのジャージと帽子をかぶっている。全員中学生だけど、私は違う中学に通う。

　私は一年前メンバーになったばかりなのに、三人は分けへだてなく接してくれる。思ったことはストレートだし、いつでもダンスにはまじめだ。

「あと二十日か。これじゃ、まだお披露目できるレベルじゃないよ。がんばらないとー」

　モモチがあきれ顔で言う。

「マコさんができないと、決勝じゃ勝てませんからね」

　リツがたたみかけてきた。分かっている。みんなの足を引っ張っているって。だって、まだ始めたばかりなんだから。

　私は不機嫌そうにほほをふくらませた。

　ふと、キコが腕時計に目をとめた。

「そろそろお茶しに行く？」

　私たちはトイレで、ブレザーに着替えた。私だけ、さえない茶色と灰色のスカートだ。公園も、私の学校からは遠いから、たいてい練習時間には遅れてしまう。