【完結】伯爵令嬢は愛する騎士の仲を引き裂く運命に逆らいます

(11)

　朝早くから、宿舎は活気に満ちていた。

　騎士たちは朝食をとった後、訓練場に向かった。

　訓練場では、剣や槍や弓などの武器を使って、戦闘技術を磨いていた。騎士たちは互いに競い合いながら、汗を流していた。

　訓練場のそばでは、従士たちが馬や武器や防具などの世話をしていた。従士たちは騎士たちに忠実に仕えていた。

　昼になると、騎士たちは食堂に戻った。食堂では、修道士たちが用意した食事が出された。修道士たちは資産管理や霊的指導などを担当していた。食事はパンやチーズや果物などの簡素なものだったが、騎士たちはそれで満足していた。食事中は司祭が祈りを唱えていた。司祭は騎士たちの心の支えであった。

　午後になると、騎士たちは再び訓練場に出かけた。訓練場では、今度は馬上での戦闘を行った。騎士たちは馬を乗りこなしながら、敵役となった従士たちと戦った。馬上での戦闘は難しく危険だったが、騎士たちはそれを楽しんでいた。訓練場からは馬のひづめや武器のぶつかり合う音が聞こえてきた。

　夕方になると、騎士たちは宿舎に帰ってきた。宿舎では、部屋でくつろいだり、仲間と話したり、本を読んだりした。部屋は個人的な空間であり、貴重品や思い出の品などが置かれていた。仲間と話すときは、戦闘のことや騎士道のことや恋のことなどを話した。本を読むときは、聖書や歴史書や詩集などを読んだ。

　夜になると、騎士たちは食堂で夕食をとった。夕食は朝食や昼食よりも豪華で、肉や魚や野菜などが出された。夕食中は司祭が感謝の祈りを唱えていた。夕食後は、宿舎の中庭で火を囲んで歌ったり踊ったりした。歌や踊りは騎士たちの心を癒してくれた。

　深夜になると、騎士たちは部屋に戻って寝た。部屋では、ベッドで眠ったり、祈りを捧げたりした。騎士たちは明日の訓練や戦闘に備えて、心身ともに休息をとった。

　ブルームの部屋は、彼の地位にふさわしく、他の騎士よりも少し大きかったが、それでも豪華とは言えなかった。

　部屋には、ベッドと机と椅子と本棚と衣装箱があるだけだった。
　壁には、ブルームが受けた勲章や証書が飾られていた。
　ブルームは、自分の部屋にあまりこだわらなかった。

　彼は、自分の仕事に専念することが大切だと思っていたし、自分の部屋で休むとき以外は、ほとんど王城や騎士団の訓練場にいた。

　ブルームの部屋は、屋敷の二階にあり、窓からは王城や街が見えた。

　オカリナははブルームが出かけている間、彼の部屋でベッドで寝たり、窓から騎士たちの生活の様子を眺めたりした。まだ傷が痛むのと、エドワーズから受けた暴行のショックが残っていた。

　彼女はふと、ブルームの文机をのぞいた。こっそり引き出しを開けると、そこには小さな本が置いてあった。オカリナは好奇心から本を開いた。それはブルームの日記だった。