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(66:最終回)

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「完成したんだね」

 ラファエルは微笑むと、アナリスから原稿を受け取った。

 早速ページをめくって読み始める。

(わたしの小説を読んでもらえるんだ……)

 そう思うとドキドキして、手に汗をかいてしまう。

 アナリスは緊張しながら、ラファエルの反応を待った。

 彼は真剣な表情で読み進めている。

 最後まで読み終わると、彼は静かに原稿を彼女に戻した。 

「素晴らしい作品だよ!」

 ラファエルは、興奮した様子で言った。

 アナリスは、思わず飛び跳ねそうになるほど嬉しかった。

 彼と一緒に喜びを分かち合えたのは、何よりも幸せだと感じた瞬間だった。

「お祝いしよう! 完成祝いだ」

 ラファエルは笑顔で言う。

 アナリスも笑顔で答えた。

「うん!」


☆☆☆


 その日の夜、王宮内の庭園ではパーティが開かれていた。

 色とりどりの花々が咲き誇り、美しい音楽が流れる中、人々は楽しく談笑していた。

 そんな中、アナリスは庭園の中央に佇むラファエルのもとへ駆け寄った。

 彼は笑みを浮かべて迎えてくれると、彼女の手を取りエスコートしてくれる。

 二人が席に着くと、給仕係がシャンパングラスを持ってきてくれた。

 二人はグラスを手に取ると乾杯した。

「ラフィー様、ずっとこうして一緒にいられるよね?」

 アナリスは、不安そうな表情を浮かべながら問いかけた。

 ラファエルは安心させるように微笑むと、彼女の頭を撫でた。

「ああ、もちろんだ。ずっと一緒にいよう」

 彼の言葉にアナリスは心底ホッとした表情を浮かべると、彼にもたれかかった。

 ラファエルはそんなアナリスを抱き寄せると、そっと唇を重ねる。

「ラフィー様……愛しています」

 アナリスは彼の腕の中で呟いた。

 ラファエルは嬉しそうに笑うと、今度は深い口づけをするのだった。


☆☆☆


 その後、アナリスは『メイリーン嬢の花咲く夕べ』の続刊を発表し、大ヒットした。

 その後も彼女の作品は多くの読者に支持され、王宮で働く女性たちにも愛読されるようになった。


そして──月日が流れ、二人は幸せな結婚生活を送ったのだった──。



☆☆☆おしまい♪☆☆☆



 読者の皆様、この物語を読んでくださって、誠にありがとうございました(^^) 

『おきにいり』に入れてくださった皆様、誠にありがとうございます!

 日々励まされながら、なんとか書き上げることができました。

 また、次回の作品、なにとぞよろしくお願いします!!
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