35 / 66
(35)
しおりを挟む
アナリスが、第一王子、第二王子殿下も凛々しくて素敵だし……などと考えながら、ラファエルに目を向けると、彼の美しい瞳がこちらを見つめ返してきた。
アナリスは思わずドキッとした。
「どうかした?」
ラファエルが尋ねてくる。
「いえ……何でもないです……」
アナリスは首を振った。
ラファエルは優しく微笑むと、再び歩き出した。
アナリスの心臓は再び高鳴る。
なんだか落ち着かない気分だったが、同時にとても心地よい気持ちだった。
(ああ……本当にこれからどうなるのかしら……?)
すると目の前に、三階建ての円形状の建物が見えてきた。
装飾は煌びやかなシャンデリアと黄金色に輝く彫刻、壁にはステンドグラスがあしらわれていて、見る者全てを魅了する美しさがある。
「わあ……すごい建物……」
アナリスは思わず感嘆の声を漏らした。
「ふふ、そうだろう? ここは王国図書館だからね」
ラファエル王太子殿下は得意そうに言った。
彼はアナリスの反応を見て満足そうな表情を浮かべると、入り口に向かって歩き出した。
アナリスも慌てて彼の後を追いかける。
入り口では一人の司書長が出迎えてくれた。
「お待ちしておりました、ラファエル殿下」
司書長はそう言うと、恭しくお辞儀をした。
それから、アナリスの方に視線を向けてくると、優しく微笑みかけてくれる。
「はじめまして、メイリーン嬢。私は図書館の司書長を務めております、ギルフォードと申します」
司書長はそう言うと、優雅な動作で一礼した。
彼の動き一つ一つに気品があり、まるで王宮のダンスパーティに招待されたかのような錯覚を覚える。
「はじめまして、ギルフォード様」
アナリスも丁寧に挨拶を返すと、お辞儀をした。
「どうぞこちらへ……」
司書長に促されて、ラファエル王太子殿下は図書館の中に入っていった。
アナリスもその後に続く。
中に入ってみると、そこは吹き抜けになっており、高い天井からは豪華なシャンデリアが吊り下げられていた。
壁沿いには大きな本棚が並び、隙間なく本が並べられている。
その一つ一つには本がぎっしりと詰まっており、今にも溢れそうだ。
(うわあ……すごいわ……)
アナリスは思わずドキッとした。
「どうかした?」
ラファエルが尋ねてくる。
「いえ……何でもないです……」
アナリスは首を振った。
ラファエルは優しく微笑むと、再び歩き出した。
アナリスの心臓は再び高鳴る。
なんだか落ち着かない気分だったが、同時にとても心地よい気持ちだった。
(ああ……本当にこれからどうなるのかしら……?)
すると目の前に、三階建ての円形状の建物が見えてきた。
装飾は煌びやかなシャンデリアと黄金色に輝く彫刻、壁にはステンドグラスがあしらわれていて、見る者全てを魅了する美しさがある。
「わあ……すごい建物……」
アナリスは思わず感嘆の声を漏らした。
「ふふ、そうだろう? ここは王国図書館だからね」
ラファエル王太子殿下は得意そうに言った。
彼はアナリスの反応を見て満足そうな表情を浮かべると、入り口に向かって歩き出した。
アナリスも慌てて彼の後を追いかける。
入り口では一人の司書長が出迎えてくれた。
「お待ちしておりました、ラファエル殿下」
司書長はそう言うと、恭しくお辞儀をした。
それから、アナリスの方に視線を向けてくると、優しく微笑みかけてくれる。
「はじめまして、メイリーン嬢。私は図書館の司書長を務めております、ギルフォードと申します」
司書長はそう言うと、優雅な動作で一礼した。
彼の動き一つ一つに気品があり、まるで王宮のダンスパーティに招待されたかのような錯覚を覚える。
「はじめまして、ギルフォード様」
アナリスも丁寧に挨拶を返すと、お辞儀をした。
「どうぞこちらへ……」
司書長に促されて、ラファエル王太子殿下は図書館の中に入っていった。
アナリスもその後に続く。
中に入ってみると、そこは吹き抜けになっており、高い天井からは豪華なシャンデリアが吊り下げられていた。
壁沿いには大きな本棚が並び、隙間なく本が並べられている。
その一つ一つには本がぎっしりと詰まっており、今にも溢れそうだ。
(うわあ……すごいわ……)
0
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
裏ありイケメン侯爵様と私(曰く付き伯爵令嬢)がお飾り結婚しました!
麻竹
恋愛
伯爵令嬢のカレンの元に、ある日侯爵から縁談が持ち掛けられた。
今回もすぐに破談になると思っていたカレンだったが、しかし侯爵から思わぬ提案をされて驚くことに。
「単刀直入に言います、私のお飾りの妻になって頂けないでしょうか?」
これは、曰く付きで行き遅れの伯爵令嬢と何やら裏がアリそうな侯爵との、ちょっと変わった結婚バナシです。
※不定期更新、のんびり投稿になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
処刑される未来をなんとか回避したい公爵令嬢と、その公爵令嬢を絶対に処刑したい男爵令嬢のお話
真理亜
恋愛
公爵令嬢のイライザには夢という形で未来を予知する能力があった。その夢の中でイライザは冤罪を着せられ処刑されてしまう。そんな未来を絶対に回避したいイライザは、予知能力を使って未来を変えようと奮闘する。それに対して、男爵令嬢であるエミリアは絶対にイライザを処刑しようと画策する。実は彼女にも譲れない理由があって...
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
いかにも悪役令嬢な公爵令嬢、前世を思い出していかにもモブな男爵令息に猛アタックを仕掛ける。なお周りの迷惑は相変わらず気にしない模様。
下菊みこと
恋愛
異世界転生だけど人格は前世より現世の性格が強いです。嗜好だけ前世寄りになります。
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
伏して君に愛を冀(こいねが)う
鳩子
恋愛
貧乏皇帝×黄金姫の、すれ違いラブストーリー。
堋《ほう》国王女・燕琇華(えん・しゅうか)は、隣国、游《ゆう》帝国の皇帝から熱烈な求愛を受けて皇后として入宮する。
しかし、皇帝には既に想い人との間に、皇子まで居るという。
「皇帝陛下は、黄金の為に、意に沿わぬ結婚をすることになったのよ」
女官達の言葉で、真実を知る琇華。
祖国から遠く離れた後宮に取り残された琇華の恋の行方は?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢は攻略対象者を早く卒業させたい
砂山一座
恋愛
公爵令嬢イザベラは学園の風紀委員として君臨している。
風紀委員の隠された役割とは、生徒の共通の敵として立ちふさがること。
イザベラの敵は男爵令嬢、王子、宰相の息子、騎士に、魔術師。
一人で立ち向かうには荷が重いと国から貸し出された魔族とともに、悪役令嬢を務めあげる。
強欲悪役令嬢ストーリー(笑)
二万字くらいで六話完結。完結まで毎日更新です。
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】婚約破棄からの絆
岡崎 剛柔
恋愛
アデリーナ=ヴァレンティーナ公爵令嬢は、王太子アルベールとの婚約者だった。
しかし、彼女には王太子の傍にはいつも可愛がる従妹のリリアがいた。
アデリーナは王太子との絆を深める一方で、従妹リリアとも強い絆を築いていた。
ある日、アデリーナは王太子から呼び出され、彼から婚約破棄を告げられる。
彼の隣にはリリアがおり、次の婚約者はリリアになると言われる。
驚きと絶望に包まれながらも、アデリーナは微笑みを絶やさずに二人の幸せを願い、従者とともに部屋を後にする。
しかし、アデリーナは勘当されるのではないか、他の貴族の後妻にされるのではないかと不安に駆られる。
婚約破棄の話は進まず、代わりに王太子から再び呼び出される。
彼との再会で、アデリーナは彼の真意を知る。
アデリーナの心は揺れ動く中、リリアが彼女を支える存在として姿を現す。
彼女の勇気と言葉に励まされ、アデリーナは再び自らの意志を取り戻し、立ち上がる覚悟を固める。
そして――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる