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ビクンッと身体が跳ね上がると、わたしは絶頂を迎えてしまった。

そして、ぐったりとベッドの上に倒れ込む。

荒い呼吸を繰り返しているうちにだんだんと冷静になってきて、急に恥ずかしくなった。

(わたしったら何をやってるんだろう……)

自己嫌悪に陥りながらも、わたしの脳裏にはお兄様の優しい微笑みが浮かんでいた──

(お兄様に抱きしめられたいなぁ……)

そんなことを考えていると、再び身体の奥の方から熱が込み上げてくるような感覚に襲われた。

わたしは慌てて起き上がると、そのまま浴室へと駆け込んだ。

「お嬢様!いかがなさいましたか?まだお湯を沸かしておりません……!」

メイドが心配そうに声をかけてきたけれど、わたしは何も答えずに桶に水を入れて浴び始めた。

(お兄様に抱きしめられたい……キスしたい……)

欲望がどんどん膨らんでくる。

このままではいけないと思い、頭から冷水を浴びたけど全然治まらなかった。

むしろ逆効果だったかもしれない。

身体の奥底で燻り続けている疼きはますます強くなっていったからだ。

「うぅ……」

(お兄様とひとつになりたいよぅ……)

わたしは泣きながら自分の身体を抱きしめた。

そのとき、ふとあるアイデアが浮かんだ。

(そうだ……クレア様にがんばってもらうしかないんだわ……)

わたしは決意を固めると、浴室を出た。

そして、濡れた身体を拭くと、自室へ戻って外出着に着替えたのだった。

「お嬢様……?」

メイドの呼びかけを無視しながら自室を出ると、そのまま馬車で屋敷を飛び出した。


◇◇◇



ラックスフォード公爵家の屋敷は、都の高台に建っていて、白亜の城のようだった。

門をくぐると広大な庭園が広がり、正面には荘厳な屋敷がそびえ立っている。

わたしはその屋敷を見上げて息を呑んだ。

(これがラックスフォード公爵邸なんだ……)

公爵家を訪れるのは初めてのことだったし、当然ここまで来るのは初めてだったのでかなり緊張していた。

でも、ここで怖じ気づいていてはだめだと思い直し、意を決して呼び鈴を鳴らした。

すると門衛がやってきて、門扉が重々しい音を立てて開いた。

そのまま屋敷のエントランスまで案内される。

「いらっしゃいませ」

現れたのはメイド服の女性だった。

「どうぞこちらへ」
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