【完結】殿下と結ばれるためにがんばっているのに、なぜか義兄にも好意を抱かれて、とまどっています。

朝日みらい

文字の大きさ
上 下
22 / 45

(22)

しおりを挟む
お兄様は真剣な眼差しで尋ねてきた。

彼の気持ちに応えようと、わたしは小さくうなずくとお兄様の胸に顔を埋めた。

恥ずかしくて目を合わせることができない。

そんなわたしの気持ちを察してか、お兄様は優しく頭を撫でてくれる。

その感触が心地よくてうっとりとしてしまうほどだ。

(大好き……)

わたしは心の中でそう呟くと、お兄様に身を委ねることにした。

お兄様はそっとわたしの服を脱がせていく。

下着姿になるとさすがに羞恥心が芽生えてきた。

わたしは恥ずかしくなって身体を隠そうとするが、彼はそれを許してくれなかった。

「綺麗だよ」

お兄様はそう言って優しく微笑むと、首筋にキスを落とす。

くすぐったい感触に思わず声が出てしまう。

「あんっ……」

彼の指先が肌に触れる度に甘い吐息が出てしまうのを抑えることができない。

(恥ずかしい……)

わたしは恥ずかしさのあまり顔を背けてしまったが、お兄様は耳元で囁いた。

「クラリスの声をもっと聞かせてくれ」

「はい……」

わたしは消え入りそうな声で返事をした。

恥ずかしくて死にそうだが、彼が喜んでくれるなら我慢しようと思う。

するとお兄様の手の動きが激しくなった。

彼の手が触れるたびに痺れるような快感が襲ってくる。

(あぁ……おかしくなりそう)

わたしは必死で声を出さないように耐えていた。

しかし、彼はそんなわたしを楽しそうに見ているようだった。

そしてついに彼の手が下着の中に入ってきた。

その瞬間、今まで以上の刺激が襲ってきた。

あまりの快感に頭が真っ白になりそうになるほどだ。

(だめっ……これ以上されたらおかしくなっちゃう!)

わたしはなんとか逃れようと身をよじったが無駄だった。

彼はしっかりとわたしの身体を押さえつけたまま離そうとしない。

そのまま何度も絶頂を迎えてしまったわたしはぐったりとしてしまう。

しかしお兄様は許してくれなかった。

今度は彼の手がドレスを脱がせていくのを感じた。

あっという間にショーツ一枚の姿にされてしまったわたしは、羞恥心でどうにかなってしまいそうだったが、それ以上に期待の方が大きかったように思う。


「綺麗だよ、クラリス」

そう言って微笑むお兄様がとてもセクシーに見えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄の甘さ〜一晩の過ちを見逃さない王子様〜

岡暁舟
恋愛
それはちょっとした遊びでした

今宵、薔薇の園で

天海月
恋愛
早世した母の代わりに妹たちの世話に励み、婚期を逃しかけていた伯爵家の長女・シャーロットは、これが最後のチャンスだと思い、唐突に持ち込まれた気の進まない婚約話を承諾する。 しかし、一か月も経たないうちに、その話は先方からの一方的な申し出によって破談になってしまう。 彼女は藁にもすがる思いで、幼馴染の公爵アルバート・グレアムに相談を持ち掛けるが、新たな婚約者候補として紹介されたのは彼の弟のキースだった。 キースは長年、シャーロットに思いを寄せていたが、遠慮して距離を縮めることが出来ないでいた。 そんな弟を見かねた兄が一計を図ったのだった。 彼女はキースのことを弟のようにしか思っていなかったが、次第に彼の情熱に絆されていく・・・。

結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

恋愛系
恋愛
屋敷が大っ嫌いだったミア。 そして、屋敷から出ると決め 計画を実行したら 皮肉にも失敗しそうになっていた。 そんな時彼に出会い。 王国の陛下を捨てて、村で元気に暮らす! と、そんな時に聖騎士が来た

真実の愛は、誰のもの?

ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」  妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。  だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。  ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。 「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」 「……ロマンチック、ですか……?」 「そう。二人ともに、想い出に残るような」  それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

美人の偽聖女に真実の愛を見た王太子は、超デブス聖女と婚約破棄、今さら戻ってこいと言えずに国は滅ぶ

青の雀
恋愛
メープル国には二人の聖女候補がいるが、一人は超デブスな醜女、もう一人は見た目だけの超絶美人 世界旅行を続けていく中で、痩せて見違えるほどの美女に変身します。 デブスは本当の聖女で、美人は偽聖女 小国は栄え、大国は滅びる。

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...