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10 婚礼
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お城の周りには、豪奢な馬車が五十台程、所狭しと並べられていた。
そして、馬車の横には獣人の従者たちが並び、総勢二百人ほどはいるようだった。
ほぼ全員が着慣れない、ぴっちりした礼服に、胸元には似合わない蝶ネクタイをしている。
そんな中で、魔王の馬車から主役の花嫁が車内から降り立った。その途端、一目見ようと周りの獣人たちが集まってくる。
「ほら、俺について来い」
アーゴイルは察して、慌てふためくフローラルの袖をつかみ、城の裏口まで彼女をかくまうように連れて行く。
「ありがとう、アーゴイル」
ふうと、フローラルが安堵の息をつくと、
「フロリンは、今、魔界では大騒ぎのヒロインだ。ほら、これ見てみろ」
と、猫耳の女中に指示して、新聞らしき冊子を受け取る。
「これ、何……?」
フローラルは、活版印字された、『百年独身のザンビエータの魔王、人間の魔法使いとご結婚』の大文字が並ぶ紙面をマジマジと見つめる。
そして、魔王が妻を亡くしてから百年の間、亡き妻の喪に服してきた誠実な人柄を褒めそやしていた。
そして、今回の魔女がフローラルという名前と、美しい容姿と、すばらしい癒し系魔法の使い手であると記されていた。
「魔王新聞社の記者からの取材には、オレ様がちゃんと答えてやったんだ」
「も、もう。それを早く言ってよ。恥ずかしい」
思わず顔を両手で覆うと、ちょんちょん、肩をつつかれ、フローラルが振りかえると、
「フローラル様、そろそろ、着替えをしましょう」
黒耳のメイドが、二人の猫耳メイドを引き連れ、純白のドレスを手にして、微笑んでいた。
来賓者や式の準備に忙しいアーゴイルと別れ、三階の衣装部屋に入ると、姿見の前にフローラルを座らせて、ドレスを着せる。
「あなたのお名前は?」
「名乗る程ではありません……」
「いいから、教えて」
「リリアともうします」
黒耳メイドは、恥じらいで頬を薄桃色に染めながら、
「わたしは、これまで、お屋敷では一番下の三流メイドでした。今回のドレス選びは、王妃様の側近を決める大切な選考会でした。
今回のドレス、手作りのものだったんです。でも、今回、わたしのドレスが採用されて、わたし、飛び級でフローラル様の専属のお世話係になれたんです」
リリアの声は興奮で弾んでいる。
とても地味な印象で、いつも大人しく慎ましやかな少女。でも、今、これほど気持ちを表に出している。
これまでフローラルも、魔法学園で癒し系魔術を学んだ。とはいえ、同級生からは、
「こんな技術を学んで魔獣退治に意味はあるの」
とか、
「ただのお遊びでしかない」
と、歯がゆく、できるだけ目立たないようにしてきた。
黒猫の少女は、嬉々として自分の緑色の長髪を結いあげ、黄色い蝶の髪飾りを髪に挿している。フローラルは、自身の体験を重ね合わせていた。
「ほら、出来ました」
リリアが、フローラルに手鏡を差し出して、頬笑む。
清楚な顔立ちのフローラルに、派手な装飾を省いた、シンプルなドレス。それは、かえって彼女の清純さを際立せていた。
それに、よく見れば、細かい鳥や花柄の刺繍が施されていて、何度見ても飽きない魅力があり、髪飾は、まるで頭上に止まって羽根を休める本物の蝶のように、遊び心を添えている。
「お気に召しまして? あれ、フローラル様?」
化粧台の椅子に腰かけ、俯いたままのフローラルの様子を、リリアは覗いて、安堵した。
フローラルは声を上げずに、嬉し涙を流しているのだった。
リリアは膝元にハンカチをそっとおき一礼すると、フローラルが落ち着くまでの間、連れと共に外の廊下で待っていた。
「では、次にお化粧をしますね」
リリアは、フローラルの涙の跡を拭き取ると、肌を痛めないように化粧水を施し、自然な薄桃色になまで、パウダーをのせた綿でのせていく。
細筆でアイラインや睫毛に薄い黒を描き、淡い紅色を唇に載せていくと、見違える程に輝きを増していく。
「別人のよう! 素適よ、リリア!」
フローラルは、リリアに顔を向けて、再び泣き出しそうになるのを、必死にこらえながら、心を込めて、
「ありがとう。天国のお父様にも見せたかった」
「最高のお褒めの言葉、ありがとうございます」
リリアは、感無量といったふうに、高鳴る胸に両手を抑えた。
「フローラル様。私たち、猫耳族には、死者は生者の胸の中に宿ると信じられているんです。ですから、亡きお父様にもフローラル様の花嫁姿をご覧になられている。わたしはそう、信じています」
「ありがとう、リリア」
フローラルは笑顔で、リリアの大きな瞳を見つめながら、ぎゅっと手を握った。
ドアのノックがして、
「準備は出来たか、フロリン?」
と、アーゴイルの声がした。
「そろそろ式を始めるぞ。その前に魔王様が、お前に会いたいそうだ」
「はい。すぐ、行きます」
式場近くの控え室に、魔王は白い礼服に蝶ネクタイを付けて立ったまま、同じ場所を行ったり来たりしていたが、フローラルが入ってくると、
「フローラル……」
と、言ったきり、口をつぐみ、彼女を見つめている。
「魔王様?」
フローラルは、不安げな顔をして、魔王の前に歩み寄ると、
「きれいだよ、フローラル」
魔王は、ひしと彼女の肩を引き寄せた。
「魔王様こそ」
フローラルも、顔を胸元に寄せて、囁く。
「さあ、屋上のチャペルに。来賓の方々がお待ちです」
新郎新婦が別々の階段で屋上に出ると、パチパチパチパチと列席者たちが立ち上がり、温かい拍手が巻き起こる。
列席の中央には赤い絨毯が敷かれ、魔王をアーゴイルが、フローラルをリリアがエスコートして、魔界の神父の前に連れて行く。
黒マントに黒服の、魔界の神父の導きで、魔王とフローラルは愛の誓いを述べあい、誓いのくちづけを交わす。
魔王が白いベールをめくり上げ、フローラルのエメラルドグリーンの瞳をのぞきこむ。
「唇をもらえるかな?」
魔王様が小声でささやく。
「さしあげます」
フローラルは、薔薇色に頬を染めながら、瞼を閉じる。
ふんわりとした魔王の唇が重なりあい、温かい熱と熱が、野いちごの甘酸っぱい香りが、唇を通じて溶け合って、一体になる。
世界中、彼だけいれば、他にいらない。
そして、馬車の横には獣人の従者たちが並び、総勢二百人ほどはいるようだった。
ほぼ全員が着慣れない、ぴっちりした礼服に、胸元には似合わない蝶ネクタイをしている。
そんな中で、魔王の馬車から主役の花嫁が車内から降り立った。その途端、一目見ようと周りの獣人たちが集まってくる。
「ほら、俺について来い」
アーゴイルは察して、慌てふためくフローラルの袖をつかみ、城の裏口まで彼女をかくまうように連れて行く。
「ありがとう、アーゴイル」
ふうと、フローラルが安堵の息をつくと、
「フロリンは、今、魔界では大騒ぎのヒロインだ。ほら、これ見てみろ」
と、猫耳の女中に指示して、新聞らしき冊子を受け取る。
「これ、何……?」
フローラルは、活版印字された、『百年独身のザンビエータの魔王、人間の魔法使いとご結婚』の大文字が並ぶ紙面をマジマジと見つめる。
そして、魔王が妻を亡くしてから百年の間、亡き妻の喪に服してきた誠実な人柄を褒めそやしていた。
そして、今回の魔女がフローラルという名前と、美しい容姿と、すばらしい癒し系魔法の使い手であると記されていた。
「魔王新聞社の記者からの取材には、オレ様がちゃんと答えてやったんだ」
「も、もう。それを早く言ってよ。恥ずかしい」
思わず顔を両手で覆うと、ちょんちょん、肩をつつかれ、フローラルが振りかえると、
「フローラル様、そろそろ、着替えをしましょう」
黒耳のメイドが、二人の猫耳メイドを引き連れ、純白のドレスを手にして、微笑んでいた。
来賓者や式の準備に忙しいアーゴイルと別れ、三階の衣装部屋に入ると、姿見の前にフローラルを座らせて、ドレスを着せる。
「あなたのお名前は?」
「名乗る程ではありません……」
「いいから、教えて」
「リリアともうします」
黒耳メイドは、恥じらいで頬を薄桃色に染めながら、
「わたしは、これまで、お屋敷では一番下の三流メイドでした。今回のドレス選びは、王妃様の側近を決める大切な選考会でした。
今回のドレス、手作りのものだったんです。でも、今回、わたしのドレスが採用されて、わたし、飛び級でフローラル様の専属のお世話係になれたんです」
リリアの声は興奮で弾んでいる。
とても地味な印象で、いつも大人しく慎ましやかな少女。でも、今、これほど気持ちを表に出している。
これまでフローラルも、魔法学園で癒し系魔術を学んだ。とはいえ、同級生からは、
「こんな技術を学んで魔獣退治に意味はあるの」
とか、
「ただのお遊びでしかない」
と、歯がゆく、できるだけ目立たないようにしてきた。
黒猫の少女は、嬉々として自分の緑色の長髪を結いあげ、黄色い蝶の髪飾りを髪に挿している。フローラルは、自身の体験を重ね合わせていた。
「ほら、出来ました」
リリアが、フローラルに手鏡を差し出して、頬笑む。
清楚な顔立ちのフローラルに、派手な装飾を省いた、シンプルなドレス。それは、かえって彼女の清純さを際立せていた。
それに、よく見れば、細かい鳥や花柄の刺繍が施されていて、何度見ても飽きない魅力があり、髪飾は、まるで頭上に止まって羽根を休める本物の蝶のように、遊び心を添えている。
「お気に召しまして? あれ、フローラル様?」
化粧台の椅子に腰かけ、俯いたままのフローラルの様子を、リリアは覗いて、安堵した。
フローラルは声を上げずに、嬉し涙を流しているのだった。
リリアは膝元にハンカチをそっとおき一礼すると、フローラルが落ち着くまでの間、連れと共に外の廊下で待っていた。
「では、次にお化粧をしますね」
リリアは、フローラルの涙の跡を拭き取ると、肌を痛めないように化粧水を施し、自然な薄桃色になまで、パウダーをのせた綿でのせていく。
細筆でアイラインや睫毛に薄い黒を描き、淡い紅色を唇に載せていくと、見違える程に輝きを増していく。
「別人のよう! 素適よ、リリア!」
フローラルは、リリアに顔を向けて、再び泣き出しそうになるのを、必死にこらえながら、心を込めて、
「ありがとう。天国のお父様にも見せたかった」
「最高のお褒めの言葉、ありがとうございます」
リリアは、感無量といったふうに、高鳴る胸に両手を抑えた。
「フローラル様。私たち、猫耳族には、死者は生者の胸の中に宿ると信じられているんです。ですから、亡きお父様にもフローラル様の花嫁姿をご覧になられている。わたしはそう、信じています」
「ありがとう、リリア」
フローラルは笑顔で、リリアの大きな瞳を見つめながら、ぎゅっと手を握った。
ドアのノックがして、
「準備は出来たか、フロリン?」
と、アーゴイルの声がした。
「そろそろ式を始めるぞ。その前に魔王様が、お前に会いたいそうだ」
「はい。すぐ、行きます」
式場近くの控え室に、魔王は白い礼服に蝶ネクタイを付けて立ったまま、同じ場所を行ったり来たりしていたが、フローラルが入ってくると、
「フローラル……」
と、言ったきり、口をつぐみ、彼女を見つめている。
「魔王様?」
フローラルは、不安げな顔をして、魔王の前に歩み寄ると、
「きれいだよ、フローラル」
魔王は、ひしと彼女の肩を引き寄せた。
「魔王様こそ」
フローラルも、顔を胸元に寄せて、囁く。
「さあ、屋上のチャペルに。来賓の方々がお待ちです」
新郎新婦が別々の階段で屋上に出ると、パチパチパチパチと列席者たちが立ち上がり、温かい拍手が巻き起こる。
列席の中央には赤い絨毯が敷かれ、魔王をアーゴイルが、フローラルをリリアがエスコートして、魔界の神父の前に連れて行く。
黒マントに黒服の、魔界の神父の導きで、魔王とフローラルは愛の誓いを述べあい、誓いのくちづけを交わす。
魔王が白いベールをめくり上げ、フローラルのエメラルドグリーンの瞳をのぞきこむ。
「唇をもらえるかな?」
魔王様が小声でささやく。
「さしあげます」
フローラルは、薔薇色に頬を染めながら、瞼を閉じる。
ふんわりとした魔王の唇が重なりあい、温かい熱と熱が、野いちごの甘酸っぱい香りが、唇を通じて溶け合って、一体になる。
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