上 下
16 / 29

(16)

しおりを挟む
 でも気持ちよさには勝てなくて、アネットの体はもっと欲しいと腰を揺らしてしまう。

 ぴちゃぴちゃと音を立てながら舐められて、もう恥ずかしさなんてどこかに行ってしまった。

「ここも弱いみたいだね」

 そう言うと、クリトリスを甘噛みされる。

「や、あ……っ! フェリックス!」

 快感が強すぎて腰が浮いてしまうのに、逃げようとする体を抑えつけられてしまった。

 それでもなんとか快感から逃れたくて、フェリックスの頭を押しのけようとすると、今度は指が入ってきた。

「や!  だめ……っ!」

「アネット、もう降参かい?  もうびしょ濡れだけど?」

 そして中に入った指がくいっと折り曲げられて、気持ちいいところを刺激される。

「あ、ああん!」

「カ・イ・カ・ン、かい?」

 フェリックスは指の腹で優しく押しながら、中を広げるようにバラバラに動かされて、アネットはもう何も考えられない。

 でもあと少しでイきそうで、思わず腰を揺らしてしまう。

 そんなアネットを見てフェリックスが笑ったような気がしたが、それすら快楽になってしまう。

「も……ひどい……」

 そしてフェリックスが、アネットの一番感じるところを指で強く押された瞬間、目の前に星が飛んだ。

「んあ!」

 びくんと腰が跳ねて、体の奥からは熱いものが溢れてしまう。

「いい子だ。上手にいったじゃないか!」

 アネットがもう体に力が入らなくてぐったりしていると、フェリックスは「ご褒美だ」と言ってもう一度キスをされる。

 それだけでまた奥が疼いてしまって、指をきゅっと締め付けてしまう。

 同時に、フェリックスのモノもすっかり赤く充血して硬くなっていた。

 そして思わずキュンと締め付けてしまったそこにモノをあてがわれて、思わず彼の顔を見上げてしまった。

「欲しい、ほしくない、どっち?」

「あ…ん、欲しいです…」

 アネットが素直にそう告げると、すっかりフェリックスの形になったモノは簡単に彼を奥まで受け入れてしまう。

 そしてフェリックスにも気持ちよくなって欲しくて、必死で腰を揺らしてしまう。

「は……っ!」

「そんなに締めないでくれよ…」

 フェリックスの余裕のない声が降ってきて、それが嬉しくてアネットはまた締め付けてしまった。

 するとフェリックスは、アネットの腰を掴むと激しく腰を打ち付けてきた。

 もう意味のある言葉なんて出てこなくて、ただ喘ぐだけだ。

 それでもフェリックスは嬉しそうに笑っていて、アネットも嬉しくなる。

「あっ、あああ……っ!」

 気持ちよくて、思わずフェリックスに手を伸ばすと、ぎゅっと抱きしめられた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

御機嫌ようそしてさようなら  ~王太子妃の選んだ最悪の結末

Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。 生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。 全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。 ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。 時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。 ゆるふわ設定の短編です。 完結済みなので予約投稿しています。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

貴方の愛人を屋敷に連れて来られても困ります。それより大事なお話がありますわ。

もふっとしたクリームパン
恋愛
「早速だけど、カレンに子供が出来たんだ」 隣に居る座ったままの栗色の髪と青い眼の女性を示し、ジャンは笑顔で勝手に話しだす。 「離れには子供部屋がないから、こっちの屋敷に移りたいんだ。部屋はたくさん空いてるんだろ? どうせだから、僕もカレンもこれからこの屋敷で暮らすよ」 三年間通った学園を無事に卒業して、辺境に帰ってきたディアナ・モンド。モンド辺境伯の娘である彼女の元に辺境伯の敷地内にある離れに住んでいたジャン・ボクスがやって来る。 ドレスは淑女の鎧、扇子は盾、言葉を剣にして。正々堂々と迎え入れて差し上げましょう。 妊娠した愛人を連れて私に会いに来た、無法者をね。 本編九話+オマケで完結します。*2021/06/30一部内容変更あり。カクヨム様でも投稿しています。 随時、誤字修正と読みやすさを求めて試行錯誤してますので行間など変更する場合があります。 拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いします。

【完結】夫は王太子妃の愛人

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵家長女であるローゼミリアは、侯爵家を継ぐはずだったのに、女ったらしの幼馴染みの公爵から求婚され、急遽結婚することになった。 しかし、持参金不要、式まで1ヶ月。 これは愛人多数?など訳ありの結婚に違いないと悟る。 案の定、初夜すら屋敷に戻らず、 3ヶ月以上も放置されーー。 そんな時に、驚きの手紙が届いた。 ーー公爵は、王太子妃と毎日ベッドを共にしている、と。 ローゼは、王宮に乗り込むのだがそこで驚きの光景を目撃してしまいーー。 *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

私の恋が消えた春

豆狸
恋愛
「愛しているのは、今も昔も君だけだ……」 ──え? 風が運んできた夫の声が耳朶を打ち、私は凍りつきました。 彼の前にいるのは私ではありません。 なろう様でも公開中です。

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

あなたの妻はもう辞めます

hana
恋愛
感情希薄な公爵令嬢レイは、同じ公爵家であるアーサーと結婚をした。しかしアーサーは男爵令嬢ロザーナを家に連れ込み、堂々と不倫をする。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈 
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

処理中です...