【完結】公爵令嬢は聖女になって身を引いたのに、殿下の愛は止まらない。

朝日みらい

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 セラフィーは、これまで聖女として鍛練を積んできた。その成果が出た瞬間だった。

(やっと、聖女として努力した成果だけじゃない。アーマンド様の愛情で、わたしの聖なる光を何倍にもできたのだわ!)

 彼女の眼は、光の中で力強く輝いていた。

 真実の鏡から映し出される、ルドルフ将軍が、隣国の宰相と企み、アマンテール宰相にあらぬ罪を着せている光景。

 不正取引で私腹を肥やして、豪遊する姿。

 映像とともに、ルドルフ将軍の悪事をすべて明るみに出したのだ。

 エルドラン皇帝は、ルドルフ将軍を睨みつけた。

「お前の悪事はすべて暴かれた! お前の欲望は私が断罪する!」

 ルドルフ将軍や彼の部下、それに賄賂を貰った貴族たち、全員が捕らえられた。

 父親を失った将軍の一族は都を追われた。娘のエカテリーナはどこかの修道院に送られたというが、実際、彼女が今どうしているかは分からない。

☆☆☆

 さて、エルドラン皇帝は真実を知り、アーマンドへの誤った非難を取り消した。

 エルドラン皇帝は将軍の悪行を裁き、正義が回復される中、アーマンドはセラフィーの祈りに深い感謝を捧げた。

 彼らの愛とセラフィーの聖なる力が、悲劇を終わらせ、真実を明らかにするのに貢献したのだった。

 エルドラン皇帝は深い反省と後悔の念を胸に抱き、息子であるアーマンドに向けて謝罪した。

 そして、ルドルフ将軍にだまされて息子を疑い、信じられなかったことを悔いていると告白した。

「息子よ。お前の、一途に愛する国のために、愛する女性の尽くす姿は私に大切なものを教えてくれた」

 大義を貫き通したアーマンドへの信頼を改めて示すため、エルドラン皇帝は重大な宣言を行った。

「私は誤りを犯し、信じるべき者を疑ってしまった。アーマンドよ、君は父を越え、大きく成長した。私は、これからの帝国の行く末をお前に託したい」
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