【完結】公爵令嬢は聖女になって身を引いたのに、殿下の愛は止まらない。

(19)

　セラフィーは叫ぼうとするが、その度にア―マンドに唇を塞がれる。聞く耳を持たない。

　強引に、彼女に覆いかぶさって、無理やり口を塞さがれる。

「いやぁああ……」

　セラフィーは悲鳴を上げた。

　しかし、ア―マンドは容赦しなかった。

　彼はセラフィーの銀色の聖衣を脱がし、彼女の身体を激しく求めていった。

　彼の心は愛と怒りで満ちていた。

「もう……やめなさいっ……あうっ」

　セラフィーは弱々しく哀願したが、ア―マンドは止めなかった。

　彼は怒りのままに、彼女の乳首にしゃぶりついた。

「なんてこんなところ……あぁ……ああぁ……」

(とろけちゃう……！)

　彼の心は憎悪に満ちており、理性を失っていた。

「あぁ……うぅ……」

　アーマンドの激しい愛撫に、セラフィーは耐えられずに喘ぎ声を漏らした。

　アーマンドは、彼女を無理矢理抱き続けた。

　激しい欲望に身を任せて、アーマンドは荒々しく彼女を求めたのだ。

「あああぁ…！」

　セラフィーから吐息とうめき声が響く。
　
　アーマンドからあふれ出る、彼女に対する愛と憎しみの入り交じった感情を、セラフィーは肌で感じる。

　彼の荒い息づかい、彼のたくましい胸板、そして、引き締まった腕に抱かれて……。

　彼は確かに自分を愛していることを感じてしまう。

「アーマンド……！」

「くうっ……これ以上はダメだ」

　突然、アーマンドはセラフィーを抱くのをやめると、身支度を始める。

「……どうなさったの？　ま、待って！　お待ちください！」

　セラフィーは怪訝に思いながら、はだけた服を羽織り、部屋を飛びだしたアーマンドを慌てて追いかける。