【完結】公爵令嬢は聖女になって身を引いたのに、殿下の愛は止まらない。

朝日みらい

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 次の日も二人は壁一枚隔てた場所で愛し合い続けていた。

 アーマンドの愛撫は、日に日に激しさを増していった。


「ア―マンドったら……これはあなたが望んだことですの……?」

「ああ、そうだよ、セラフィー」

 二人は再び愛し合い、お互いの愛を心と体に刻み込んでいく。

 秘密ながらもいつか結婚できる日を信じて、二人は幸せな日々を過ごしていた。


☆☆☆


 ふたりの幸せは突如として破られる。

 ルドルフ将軍は自分の娘、エカテリーナをア―マンドに嫁がせようとしていた。

 ア―マンドが、この6年もセラフィーを探し続けるほど夢中になっているのを、彼は苦々しく感じていた。

 そして近ごろは、国境の貧村に毎週のように通い詰めている。

 悪辣な策略を巡らせ、セラフィーとアーマンドの仲を裂こうと考えたのだ。

 彼はエルドラン皇帝の前で、2人の関係を懸念する言葉を持ち出し、彼らの結ばれることが帝国にとって望ましくないと主張した。

「陛下、偵察の結果、アーマンド皇太子は元宰相アマンテール公爵の娘と関係を持っております。この関係は国家の利益に反するものですぞ。私の娘が皇太子と結ばれることで、国家の結びつきを強め、安定をもたらすことができるのです!」
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