【完結】公爵令嬢は聖女になって身を引いたのに、殿下の愛は止まらない。

朝日みらい

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 アマンテール宰相は憤りと無念さを抑えつつ、

「陛下、この書類は偽りです。私は隣国との不正な取引などしておりません。将軍こそ、噓をついています!」

と訴えた。

 だが、手遅れだった。

 執念深いルドルフ将軍の計画は、もうかなり進行していたのだ。

「陛下、この宰相は国家を裏切り、私腹を肥やしたのです。そのために陛下の信頼も裏切られたのですぞ!」

と、ルドルフ将軍が主張した。


 取引文書には、隣国の国王側近のアマンテール宰相の署名も入っていた。

 それはルドルフ将軍が隣国と結託して作り上げた偽物だった。だが、エルドラン皇帝はそれを知る由もなかった。

 エルドラン皇帝は静かにアマンテール宰相を見つめた。

「証拠がある以上、お前の罪は重いものだ。裁判を行い、真相を明らかにしろ」

と宣告した。

「陛下、お待ちください!」

 アマンテール宰相は激しく反論しようとした。

 しかし、彼を取り巻く厳粛な空気と将軍の緻密な陰謀により、彼の声は届かなかった。

 宮殿の謁見の間は、緊張に包まれていた。

 エルドラン皇帝は、厳かな雰囲気の中、宰相を厳しく睨みつけていた。

 その威厳ある姿勢は、部屋全体に圧倒的な力を与えていた。

「わたしは無罪です!」

 アマンテール宰相は皇帝の厳しい視線を感じながらも、自分の無実を訴え続けた。
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