【完結】リゾット同盟、始めました

朝日みらい

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第3章 美帆と見た夢の果て

第9話

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 午後一時に事務所に戻った。

 だが、まだマッチョがいない。
 未知子が 気になって隣の席を見ている。

「今マッチョはサウナに寄って汗流してるところですよ」
と、佐藤は何食わぬ顔で言った。

 未知子は首を傾げた。
 やっぱりどこか変だ。

「ではこれから文書課の仕事をしていただきます。
篠田さんには受付係をして頂きます」

 佐藤は仕事を説明し始めた。

 ここには 店舗から荷物が運ばれてくる。
 受付は、荷物の受理処理。 
 問い合わせにも対応する。
 例えば荷物が必要になる場合などの問い合わせだ。
 受け取った荷物は分別して倉庫に収納する。
 企画書や経理関係の書物 売れ残りなどの在庫品など。

 それをデータ化するのが、マニアックの仕事。
 荷物を倉庫に収納するのが、 マッチョの仕事だ。
 その指示を出すのが、受付である未知子の役目となる。

 未知子はそれを二日でマスターできた。
 勤務時間は朝九時から夕方六時まで。
 残業はない。
 給料はこれまでの三割から四割は減るだろう。
 調布に買ったマンションのローンを考えると 、貯金はほとんどなくなる。

 退屈と憂鬱な日々。
 ここはスクラップ置き場なのだ。


 未知子は、昼休みを心待ちにしていた。
 地上に出て、彼とリゾットを食べることが楽しみだった。
 リゾットは様々なメニューがあって飽きさせない。
 カボチャのリゾット。チーズのリゾット。ホタテのリゾット。豆乳リゾットなどなど。
 それと同じくらい、彼との他愛のない話も飽きることがなかった。

 毎朝ニュースの天気予報で、晴れであることを確認した。
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