【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。

朝日みらい

文字の大きさ
上 下
34 / 34

(最終回)

しおりを挟む
 それを聞いた瞬間、アドニス侯爵は涙を流して喜んだ。

 愛する人との子供を授かることができたことが、嬉しかったようだ。

「ありがとう……本当にありがとう」

 そう言いながら、アドニス侯爵はセーリーヌを抱きしめて、寝室のベッドに彼女を連れて行く。

 彼の腕の中で、彼女は幸せそうな笑みを浮かべつつ囁いた。

「これからもよろしくお願いね、あなた……!」

 こうして二人はさらに深い愛情で結ばれたのであった……。

「あんっ……あぁっ……」

(気持ちいいっ……)

 ベッドの上で四つん這いになりながら、後ろから激しく突かれているセーリーヌは甘い声を上げていた──。

 彼女の後ろにはアドニス侯爵がいて、激しく腰を打ち付けている。

 その衝撃によって豊満な乳房が激しく揺れ動き、それが余計に興奮を高める結果となっていた。

「セーリーヌ、愛しているよ……」

「わたくしもですっ……ああんっ……」

(幸せすぎておかしくなりそう……)

 あまりの快感に、頭が真っ白になりそうだった……。

「ああっ……すごいぃっ……」

 もはや何も考えられず、ただひたすら快楽に身を任せることしかできない状態であった。

「出すぞ」

 その宣言と共に、熱い奔流が大量に注ぎ込まれる感覚に襲われる──。

 その衝撃で、セーリーヌはまたしても絶頂を迎えてしまったようだ。

 ビクビクと身体を痙攣させながら脱力する彼女の中から引き抜くと、アドニス侯爵はその隣に横になった。

 そして、優しく頭を撫でながら囁くように言った。

「私の可愛いセーリーヌ……!」

「アドニス様……!」

 甘えるような声で呼びかけると彼は微笑み返してくれた。

 それだけで幸せな気分になれるのだった……。

「愛しているよ、セーリーヌ……」

 その言葉を聞いた瞬間、胸がキュンとなるような感覚に襲われた──。

(ああん……わたくもよ……)

 心の中でそう叫ぶと、セーリーヌはアドニス侯爵に抱きついたまま眠りについたのだった……。


☆■▽☆■▽


「ねえ、セーリーヌ……私と結婚して良かったと思ってくれているかい?」

 情事の後、ベッドの上で抱き合いながら、彼はそんなことを聞いてきた。

 それに対して彼女は笑顔で答える。

「もちろんです! わたくはアドニス様と結婚できて、世界一幸せ者だと思ってるもの……地の果てでも、ご一緒するわ!」

 その言葉を聞いて安心したのかホッとした表情を浮かべる夫を見て、愛おしさが込み上げてきた。

 セーリーヌは、思わず彼の胸に顔を埋める……。

 そんな仕草が可愛らしく思えたのか、アドニス侯爵は優しく彼女の頭を撫でてくれた。

「ああぁっ……たまらない」

 それが心地よくて、思わず甘えたような声を出してしまう彼女であった。

「すごく可愛いよ、セーリーヌ……」

 そう言って彼はキスしてくれた……。

 その感触に酔いしれながら、セーリーヌは幸福感に包まれていた。

 この人の妻になれて、本当に良かったと思いながら──。




☆☆☆おしまい♪☆☆☆



読者の皆様、この物語を読んでくださって、誠にありがとうございました(^^) 
『おきにいり』に入れてくださった読者様、本当にありがとうございます!
励まされました(^^)

また、次回よろしくお願いします♬
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【完結】死の4番隊隊長の花嫁候補に選ばれました~鈍感女は溺愛になかなか気付かない~

白井ライス
恋愛
時は血で血を洗う戦乱の世の中。 国の戦闘部隊“黒炎の龍”に入隊が叶わなかった主人公アイリーン・シュバイツァー。 幼馴染みで喧嘩仲間でもあったショーン・マクレイリーがかの有名な特効部隊でもある4番隊隊長に就任したことを知る。 いよいよ、隣国との戦争が間近に迫ったある日、アイリーンはショーンから決闘を申し込まれる。 これは脳筋女と恋に不器用な魔術師が結ばれるお話。

【完結】溺愛される意味が分かりません!?

もわゆぬ
恋愛
正義感強め、口調も強め、見た目はクールな侯爵令嬢 ルルーシュア=メライーブス 王太子の婚約者でありながら、何故か何年も王太子には会えていない。 学園に通い、それが終われば王妃教育という淡々とした毎日。 趣味はといえば可愛らしい淑女を観察する事位だ。 有るきっかけと共に王太子が再び私の前に現れ、彼は私を「愛しいルルーシュア」と言う。 正直、意味が分からない。 さっぱり系令嬢と腹黒王太子は無事に結ばれる事が出来るのか? ☆カダール王国シリーズ 短編☆

メイドから家庭教師にジョブチェンジ~特殊能力持ち貧乏伯爵令嬢の話~

Na20
恋愛
ローガン公爵家でメイドとして働いているイリア。今日も洗濯物を干しに行こうと歩いていると茂みからこどもの泣き声が聞こえてきた。なんだかんだでほっとけないイリアによる秘密の特訓が始まるのだった。そしてそれが公爵様にバレてメイドをクビになりそうになったが… ※恋愛要素ほぼないです。続きが書ければ恋愛要素があるはずなので恋愛ジャンルになっています。 ※設定はふんわり、ご都合主義です 小説家になろう様でも掲載しています

虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜

ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」 あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。 「セレス様、行きましょう」 「ありがとう、リリ」 私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。 ある日精霊たちはいった。 「あの方が迎えに来る」 カクヨム/なろう様でも連載させていただいております

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

デブスの伯爵令嬢と冷酷将軍が両思いになるまで~痩せたら死ぬと刷り込まれてました~

バナナマヨネーズ
恋愛
伯爵令嬢のアンリエットは、死なないために必死だった。 幼い頃、姉のジェシカに言われたのだ。 「アンリエット、よく聞いて。あなたは、普通の人よりも体の中のマナが少ないの。このままでは、すぐマナが枯渇して……。死んでしまうわ」 その言葉を信じたアンリエットは、日々死なないために努力を重ねた。 そんなある日のことだった。アンリエットは、とあるパーティーで国の英雄である将軍の気を引く行動を取ったのだ。 これは、デブスの伯爵令嬢と冷酷将軍が両思いになるまでの物語。 全14話 ※小説家になろう様にも掲載しています。

自己肯定感の低い令嬢が策士な騎士の溺愛に絡め取られるまで

嘉月
恋愛
平凡より少し劣る頭の出来と、ぱっとしない容姿。 誰にも望まれず、夜会ではいつも壁の花になる。 でもそんな事、気にしたこともなかった。だって、人と話すのも目立つのも好きではないのだもの。 このまま実家でのんびりと一生を生きていくのだと信じていた。 そんな拗らせ内気令嬢が策士な騎士の罠に掛かるまでの恋物語 執筆済みで完結確約です。

婚約を解消したら、何故か元婚約者の家で養われることになった

下菊みこと
恋愛
気付いたら好きな人に捕まっていたお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...