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隣人もなかなか良い人です
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それから圭吾は掃除を終えて、菓子パンとコーヒーで簡単な朝食を済ませた。
女性の部屋に入るなら、それくらいの身支度はしておかないと、シャワーで汗を流して、髭を剃った。
十時に、圭吾が隣人のドアをノックすると、ドアが開き、笑顔の彼女が現れた。
すでにコンタクトを付けたのだろう。
目尻にははっきりとアイシャドウが施され、ほっそりとしたボディラインが浮き立つ、白いワンピースを着ている。
花柄のブラウンの壁紙で、シックで落ち着いた色合いの部屋だった。
間取りは圭吾の部屋と同じ部屋のはずであるが、据え付けられた家具に、きっちりと荷物が収納されている。
そして、リビングには丸テーブルがあり、寝室にはベッドとイーゼルが置かれているが、なぜか画板は裏にして伏せられたままである。
彼女はユニットバスの洗面台に、圭吾を案内した。
たしかに、ランプがチカチカ点滅している。
「椅子を借りてもいいですか。あと、袋も」
「はい、どうぞ」
彼女はリビングの椅子と、ビニール袋を持ってきた。
圭吾は、椅子に乗り、ランプとグロー管を外した。
ランプの端が黒ずんでいる。
「これを新しいものに変えれば直ると思いますよ」
圭吾は椅子を片付けると、ビニール袋にランプを仕舞った。
「これから、新品を買ってきます。費用は大家さんから請求しますので大丈夫です」
圭吾が玄関へ向かおうと背を向けると同時に、彼女が声をかけた。
「川北さんつかれたでしょう。あの、よかったらお茶でもどうですか」
「あっ、すみません」
圭吾は、ローテーブルに置かれたレモンティーを飲んだ。
甘酸っぱい、レモンの果肉が鼻さきをくすぐる。
「林田さん、すごくおいしいですね、これ」
女性の部屋に入るなら、それくらいの身支度はしておかないと、シャワーで汗を流して、髭を剃った。
十時に、圭吾が隣人のドアをノックすると、ドアが開き、笑顔の彼女が現れた。
すでにコンタクトを付けたのだろう。
目尻にははっきりとアイシャドウが施され、ほっそりとしたボディラインが浮き立つ、白いワンピースを着ている。
花柄のブラウンの壁紙で、シックで落ち着いた色合いの部屋だった。
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そして、リビングには丸テーブルがあり、寝室にはベッドとイーゼルが置かれているが、なぜか画板は裏にして伏せられたままである。
彼女はユニットバスの洗面台に、圭吾を案内した。
たしかに、ランプがチカチカ点滅している。
「椅子を借りてもいいですか。あと、袋も」
「はい、どうぞ」
彼女はリビングの椅子と、ビニール袋を持ってきた。
圭吾は、椅子に乗り、ランプとグロー管を外した。
ランプの端が黒ずんでいる。
「これを新しいものに変えれば直ると思いますよ」
圭吾は椅子を片付けると、ビニール袋にランプを仕舞った。
「これから、新品を買ってきます。費用は大家さんから請求しますので大丈夫です」
圭吾が玄関へ向かおうと背を向けると同時に、彼女が声をかけた。
「川北さんつかれたでしょう。あの、よかったらお茶でもどうですか」
「あっ、すみません」
圭吾は、ローテーブルに置かれたレモンティーを飲んだ。
甘酸っぱい、レモンの果肉が鼻さきをくすぐる。
「林田さん、すごくおいしいですね、これ」
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