【R18】自称作家の無職ですが、なんとか生き延びています

朝日みらい

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女子高生にはいろいろ刺激を受けています

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 せわしなく車が行き交っている向かいの横断歩道で、少女が向かいの歩道にたたずんでいる。

 寒さに肩を震わせながらうつむいている。

 ふと視線を上げて圭吾に気づくと、切れ長の瞳をさらに細くしながらにらみつけた。

 彼女の片脇には原稿らしき分厚い紙の束がクリップで留められている。
 早く彼女のいる向こう側まで渡りたいが、赤信号で横断歩道を渡れない。

 もたついている間に、彼女はくるりと背を向けて、商店街のアーケードを歩き出した。

 地団駄と靴の踵をたたきながら、やっと信号機が青に変わったとたんに、圭吾は走り出した。

 アーケードには、買い物の主婦や会社や学校帰りのさらや学生が絶えず行き交っている。

「いったい、どこに行ったんだ?」

 立ち止まり、キョロキョロとあたりを見渡すと、はいごから肩をつつかれた。

 洋品店のワゴンセール脇に、ふざけたように唇を丸めて、彼女がかがんでいたのだった。

「オジサン、やっぱり変態なんだ」

 彼女がズボンのチャックからのぞいた逸物を指さしていた。

 圭吾は、すぐさま内側にしおれた釣竿をしまい込むとチャックを閉じた。

 そしてすぐにでも彼女の襟首を捕まえて、自分の原稿を取り返したい衝動に駆られた。

 だが、何とかその気持ちを抑えた。引き攣った笑みを浮かべ、

「ごめん。予定があったから」と言った。

 手荒な真似をしたらその先どんなことをされるが圭吾には怖かったのだ。
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