【完結】べつに平凡な令嬢……のはずなのに、なにかと殿下に可愛がれているんです

(18)

「アシェリー、気持ちいいかい？」

「はい……すごく……いいです……」

「そうか、よかった」

　フィリップ殿下は微笑んだ。そして、ラストスパートをかけるようにさらに激しく動いた。

「あっ……あっ……ああっ……」

　やがて絶頂を迎える瞬間が訪れた。二人は同時に果てた。

「ああんっ……ああっ……」

　フィリップ殿下はアシェリーの中から抜くと、彼女の隣に横になった。そして、優しく髪を撫でる。

「ありがとう、アシェリー」

「はい……」

　アシェリーは幸せそうな表情を浮かべた。フィリップ殿下は彼女を抱きしめると、キスをした。

　二人はいつまでも抱き合っていた。

（やっぱり、夢みたい……）

　アシェリーはうっとりとしながら思った。

　こんな素敵な人と結ばれるなんて……。もう絶対に離さないんだから……。


「何を考えてるんだい？」

「あなたのことです……」

　アシェリーは正直に答えた。

　すると、フィリップ殿下は微笑んだ。

「可愛いな」

　アシェリーは顔が真っ赤になった。

　そんなアシェリーを見て、フィリップ殿下はさらに強く抱きしめる。

　そして、今度は深いキスをした。

（幸せ……）

　アシェリーは思った。この人と一緒ならどんな苦難も乗り越えられる……そんな気がした。