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(最終回)

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 まりもは男の子のいる町に行ってみることにしました。

 町は広く、多くの人々がいそがしく歩いていました。道沿いには美しい白い教会がそびえ、その教会から鐘の音が心地よく鳴り響いていました。

 まりもが高台にある教会の前に立つと、礼拝を終えた人たちが階段からおりてくるところで、その中に男の子がいるのを見つけました。

 男の子は笑顔で、教会から出てきた親せきの叔父さんと叔母さんと楽しそうに話していました。

 まりもは静かに、男の子に気づかれないように頭を垂れました。驚かせたくなかったのです。

 男の子はすれ違った後、足を止めて立ち止まり、まりもに近づいてきました。

 男の子は晴れやかな笑顔で言いました。

「君だね。来てくれたんだね!」

 そして、彼はまりもの手をやさしく握りました。

 男の子は叔父さんと叔母さんにまりもを紹介し、ふたりは温かく歓迎くれました。そして、まりもをお昼ご飯をいっしょに食べようと誘ってくれました。

 叔父さん叔母さんが用意してくれたのは、海鮮たっぷりのあんかけをかけたうどんで、心地よい潮風が口の中に吹きこんできたようでした。

 おなかがいっぱいになると、男の子はまりもを連れて、町に連れ出しました。村にはない洋服やアクセサリーを売るお店に行きました。まりもはたくさんの人たちがいるので少し心細く感じましたが、男の子がそばにいてくれることで、不安やおそれは和らぎました。

 それから男の子に連れられて路面電車に乗りました。

 まりもは乗るのがはじめてで、わくわくしながら車窓から町をながめました。

 男の子は港近くの駅で降りて、海岸線から行き交う大きな船をいっしょに見ました。大きな海に沈む赤い夕日が、美しい景色を彩っていました。

 男の子は笑顔で言いました。

「この景色が好きなんだ。そして、君といるのが本当に楽しかったよ」

 まりもも同じことを思っていました。

 笑顔で男の子と並んで、いつまでも空を見上げていました。

☆☆☆

おしまい♪

読者の皆様、最後まで読んでくださって、誠にありがとうございました(^^) 
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