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まりもはおもわず、男の子に見とれてしまいました。
男の子もまた、まりもに気づいて、目が合いました。一瞬、顔をひきつらせたかのように見えました。
まりもは驚きました。通常、まりもに会った人々はにげていくか、怖がってふるえていることがほとんどだったからです。
けれど、今回は違いました。男の子はひときわ違った印象でした。彼はそっとまりもを見つめ、やさしさをこめて彼女をのぞきこんでいたのです。
男の子は、まりもにやさしく近づき、
「ひどいケガをしてるね、だいじょうぶ?」
と言いました。
まりもはほほえみながら、「わたし、うらめし村に住むおばけなんです」と伝えました。
男の子は興味津々で、
「へえ、おばけの村なんだ。それはおもしろいね」
と言いました。
男の子はまりもに夏休みで、遠くの街から電車に乗って親せきの家に遊びに来たことを話しました。しかし、道に迷ってしまい、親せきの住む白い教会のある町への道を見失ってしまったのだと言います。
まりもは男の子にやさしくほほえみました。そして、まりもは親せきの住む町への道を案内してあげると言いました。
男の子はほっと胸をなでおろし、「ありがとう」と頭をさげました。
まりもは男の子を村のはずれまで案内し、町の近くに広がる林にたどり着くと、静かに「さようなら」と言いました。
男の子もまた、まりもに気づいて、目が合いました。一瞬、顔をひきつらせたかのように見えました。
まりもは驚きました。通常、まりもに会った人々はにげていくか、怖がってふるえていることがほとんどだったからです。
けれど、今回は違いました。男の子はひときわ違った印象でした。彼はそっとまりもを見つめ、やさしさをこめて彼女をのぞきこんでいたのです。
男の子は、まりもにやさしく近づき、
「ひどいケガをしてるね、だいじょうぶ?」
と言いました。
まりもはほほえみながら、「わたし、うらめし村に住むおばけなんです」と伝えました。
男の子は興味津々で、
「へえ、おばけの村なんだ。それはおもしろいね」
と言いました。
男の子はまりもに夏休みで、遠くの街から電車に乗って親せきの家に遊びに来たことを話しました。しかし、道に迷ってしまい、親せきの住む白い教会のある町への道を見失ってしまったのだと言います。
まりもは男の子にやさしくほほえみました。そして、まりもは親せきの住む町への道を案内してあげると言いました。
男の子はほっと胸をなでおろし、「ありがとう」と頭をさげました。
まりもは男の子を村のはずれまで案内し、町の近くに広がる林にたどり着くと、静かに「さようなら」と言いました。
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