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 二人の証言と証拠により、アガーネン公爵とシリウス子爵の陰謀が白日の下に晒された。

 ウィリアムは国王からの信頼を篤くし、彼の優れたリーダーシップと勇気が認められ、騎士団長に加えて宰相の職位を与えれた。

 彼はこの新たな責務を受け入れ、国の発展と安定のために尽力することを誓った。

 就任後のシリウス子爵領の平定により領国の争いはなくなり、隣国との間に平和協定が結ばれ、両国の関係はより一層深まった。

 ウィリアムとエドナの結婚式では、壮大な宮殿の中庭で、幸福と祝福の雰囲気が溢れた。

 華やかな装飾と美しい花々が会場を彩り、多くの人々が訪れて祝福の言葉を贈る。

 ウィリアムはエドナと手を取り合い、幸せそうな笑顔で誓いの言葉を述べた。

 彼らの愛は周囲に満ち溢れ、二人が幸せな未来を共に歩むことを願う人々の喜びの声が響きわたる。

 式の最後には、国王自らが祝福の言葉を述べ、ウィリアムとエドナの結びつきを称えた。

「きみたちの結婚は国民に希望と幸福をもたらし、国の安定と繁栄を祈る象徴となるだろう」

 ふたりは深々と頭を下げると、国王からの温かい言葉を受けて喜んだ。

 式が終わって、ふたりはウィリアムの邸宅に戻った。

 寝室のベッドにふたりきりになってようやく落ち着くことができた。

「これからどんな未来が待っているのでしょうね?」

とエドナが尋ねた。

 ウィリアムは微笑んで答えた。

「もちろんさ!君が傍にいてくれれば、それだけで十分だよ」

 ウィリアムはそっとエドナのネグリジェの胸ボタンをはずし、その豊かな膨らみに触れた。

 そしてそのまま彼女に口づけをする。

 エドナはその手を取り、自分の胸に押し当てながら言う。

「今夜はもう離さないでくださいね……」

「もちろんだ。離さないよ」

と言って再び彼女を強く抱きて、露になった乳房に舌を這わせる。

 そして彼の指先は彼女の胸の先端をつまみ上げる。

 エドナは甘い声を漏らし、その快感に身を捩らせる。

「あぁ……ウィリアム様……」

と切ない声で名前を呼ぶ彼女を見つめながらウィリアムは微笑む。

 乳首を指先でつまむように弄りながら、彼女の首筋に口づけをしていく。
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