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翌朝目が覚めると、隣には裸のまま眠っているウィリアムの姿があった。
昨晩のことを思い出し赤面してしまう……。
(あんなに激しくするなんて反則よ……)
エドナが心の中で文句を言っていると、彼も目を覚ました。
「おはよう、エドナ」
彼はそう言って微笑みかける。
その笑顔を見た瞬間、エドナの胸はキュンとなる。
(この人は本当に素敵な人ね……)
そう思いながらも彼女は彼に近づいてキスをした。
ウィリアムは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに笑顔になると言った。
「ありがとう」
と言って抱きしめてくれた。
それから二人は朝食を摂ったあと、都でもう少し滞在してデートをする約束をした。
ウィリアムはエドナの服装を見て少し考えた後、こう提案してきた。
「その格好は君に似合っているが、もっといい服があるはずだ。一緒に買いに行かないか」
と言ってくれた。
彼女は嬉しくなって承諾する。
「ありがとうございます」
と言うと彼は微笑んでくれた。
そして二人は仲良く腕を組んで出かけることになった。
街には大きな洋服店があった。
そこで様々な種類の衣装が用意されている。
エレナの住むホーランド伯爵領は、隣国との境近くで、都からは馬車で3時間ほどかかる。
ホーランド伯爵領には王都ほど洋服店もないので、こんな流行りの洋服店に入るのは初めてのことだった。
「いらっしゃいませ」
と店員に声をかけられる。
店内は広々としていて明るい雰囲気だった。
ショーウインドウには新作のドレスが並んでいる。
店内の一角では靴も売っていた。
主に貴族の女性向けの商品らしい。
エドナは普段着ないような可愛らしいデザインのドレスや靴が陳列されているのを見て、目を輝かせていた。
(綺麗ね……)
と思いながら眺めていると、店員が声をかけてきた。
「お客様はどのような服をお探しですか?」
と聞いてきた。
エドナは困ってしまった。
こういう服を買うのは初めてだった。
するとウィリアムが助け舟を出してくれた。
「将来の妻に似合うようなドレスと靴をお願いできるか?」
「将来の妻……」
こうして公に言われると、なんだか照れくさくて、肩をすぼめる。
「もちろんです」
店員は笑顔で返事をし、店内に案内してくれた。
そこには様々な種類のドレスや靴があった。
どれも可愛いデザインでエドナは目移りしてしまうほどだった。
(どれにしようかな……)
昨晩のことを思い出し赤面してしまう……。
(あんなに激しくするなんて反則よ……)
エドナが心の中で文句を言っていると、彼も目を覚ました。
「おはよう、エドナ」
彼はそう言って微笑みかける。
その笑顔を見た瞬間、エドナの胸はキュンとなる。
(この人は本当に素敵な人ね……)
そう思いながらも彼女は彼に近づいてキスをした。
ウィリアムは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに笑顔になると言った。
「ありがとう」
と言って抱きしめてくれた。
それから二人は朝食を摂ったあと、都でもう少し滞在してデートをする約束をした。
ウィリアムはエドナの服装を見て少し考えた後、こう提案してきた。
「その格好は君に似合っているが、もっといい服があるはずだ。一緒に買いに行かないか」
と言ってくれた。
彼女は嬉しくなって承諾する。
「ありがとうございます」
と言うと彼は微笑んでくれた。
そして二人は仲良く腕を組んで出かけることになった。
街には大きな洋服店があった。
そこで様々な種類の衣装が用意されている。
エレナの住むホーランド伯爵領は、隣国との境近くで、都からは馬車で3時間ほどかかる。
ホーランド伯爵領には王都ほど洋服店もないので、こんな流行りの洋服店に入るのは初めてのことだった。
「いらっしゃいませ」
と店員に声をかけられる。
店内は広々としていて明るい雰囲気だった。
ショーウインドウには新作のドレスが並んでいる。
店内の一角では靴も売っていた。
主に貴族の女性向けの商品らしい。
エドナは普段着ないような可愛らしいデザインのドレスや靴が陳列されているのを見て、目を輝かせていた。
(綺麗ね……)
と思いながら眺めていると、店員が声をかけてきた。
「お客様はどのような服をお探しですか?」
と聞いてきた。
エドナは困ってしまった。
こういう服を買うのは初めてだった。
するとウィリアムが助け舟を出してくれた。
「将来の妻に似合うようなドレスと靴をお願いできるか?」
「将来の妻……」
こうして公に言われると、なんだか照れくさくて、肩をすぼめる。
「もちろんです」
店員は笑顔で返事をし、店内に案内してくれた。
そこには様々な種類のドレスや靴があった。
どれも可愛いデザインでエドナは目移りしてしまうほどだった。
(どれにしようかな……)
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