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 あれから数日後、王宮の夜会を迎えた朝だった。

 ホーランド伯爵領から馬車で半日はかかる。

 エドナは玄関先まで迎えに来たウィリアムの馬車に乗り込んで、王都へ向かったのである。

 エドナが選んだドレスは、鮮やかな青のドレスだ。

 胸元は開いており、スカート部分も短めで動きやすいデザインになっている。

 髪型もアップに纏めてリボンをあしらったシンプルなものだったが、それが逆に彼女の美しさを引き立てていた。

 エドナは鏡の前で自分の姿を確認しながら、不安そうに微笑んで彼を見た。

 彼は普段よりもお洒落をしていた。

 彼の格好は普段の彼とは違ってとても華やかだった。

 胸元には赤い花をあしらっており、その色鮮やかなアクセサリーが彼の魅力を引き立てていた。

(ああ……素敵……)

 エドナは心の中で呟いた後、車内で向かい合う彼に見惚れてしまっていた。

 ウィリアムはエドナは互いに少し恥ずかしそうに目を逸らしてしまった。

「あの、ウィリアム様……わたくし、いかがですか?」

 エドナは思い切って声をかけた。

 すると彼はこちらを向いて微笑んでくれた。

「言葉では言えない。夢みたいに綺麗だから」

「まあ……」

 それが嬉しくてつい笑顔になってしまう自分がいた。

(やっぱり好き……!)と改めて思った。

「ありがとうございます!」

 エドナは改めて礼を言った後、そっと彼の手を取った。

 ウィリアムは驚いたような顔をしたが、すぐに握り返してくれた。

 それだけで幸せな気持ちになれた。


 馬車が王宮に着き、二人は車を降りると中へ入っていく。

 パーティー会場の中へ入ると既に多くの人が集まっており、談笑していたりダンスに興じたりしている。

 二人はまず主催者である王様の元へと向かうことにした。

 王様は笑顔で出迎えてくれ、二人に挨拶を交わすと丁寧にお辞儀をしてくれた。

「よく来てくれたな、ウィリアム騎士団長殿!」

「国王陛下には御機嫌麗しく」

 ウィリアムは挨拶と共にお辞儀をする。

 エドナもそれに倣った。

 王様は穏やかな笑みを浮かべている。

 彼は温和な雰囲気の人物で、その人柄と政治手腕により国民から絶大な支持を受けていた。

(さすが、オーラがあるわ……)とエドナは心の中で感嘆の声を上げていた。

 彼女はそんな国王陛下の前でも緊張することなく堂々と振舞っているウィリアムに、尊敬の念を抱いた。

「ところでウィリアム卿。エドナ嬢とはどのような関係なのだ?」
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