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 彼の容姿はまさに理想の男性である。

 背が高く、たくましい体つきをしている。

 金色の髪にアクアマリンのような瞳に見つめられる。

「では、よろしく」

 エドナは高揚した気分で屋敷に招いた。

 広間には両親が座っている。

「エドナ、こちらが騎士団長のウィリアム・オルスタイン公爵殿だね」

 父が尋ねると、エドナは笑顔で頷いた。

「伯爵殿、本日はお招きいただきありがとうございます」

(ああ……なんて素敵!)

 エドナは心の中で叫んだ。

 心臓の音がうるさく響くほど興奮している自分を抑えることができない。

 そんな様子に気付いた様子もなく、ウィリアムは挨拶を終えた。

 夕食のメニューは、エドナが考えて料理人に作らせた特製のコース料理である。

 まずは前菜からスタートだ。

「これは……」

 ウィリアムは驚いた表情をしている。

 それはそうだろう。

 社交の場に、疎い軍人ならあまり口にするようなものではないからだ。

 しかし、彼はそれを一口食べた後、ゆっくりと咀嚼し始めた。

(ああ……どう思われたかしら……?)

 不安に思いながらも、彼が食べる様子を見守ることしかできない自分が歯痒かった。

 やがて彼は飲み込んだようだ。

「……」

(あれ……?)

 次はスープだ。

 エドナは、緊張しながらも一口食べるように促した。

 彼はそれに従い口に含むと、こくりと喉を鳴らした。

「うん…」

 気に入ってくれているのかしら。

(ああ……どうしよう?)

 そしてメインディッシュはローストビーフである。

 ソースの味付けはウィリアムの好みの濃いめに合わせてあるはずだ。

 彼がどう評価するか不安になりながら、エドナはウィリアムの表情を窺う。

 彼は無言でフォークを口に運んでいた。

「なるほど」

 しばらくの沈黙の後、ようやく口を開いたと思ったらその言葉だけだった。

 困惑するエドナをよそに彼は言葉を続ける。

「これまでで最高においしい料理だった」

「そうおっしゃっていただけて嬉しいですわ……」

 エドナは幸せだった。

 これほどまでに自分の考えた料理が褒められるとは、夢にも思っていなかったからだ。

(ああ……本当に嬉しい!)

「ウィリアム様、このメニューはエドナがずいぶん料理長と考えた、特製のコース料理なのですよ」

 エドナの母が言った。

「そうだったんですね……」

「いやだ。お母さまったら…なんでもう…!」

 エドナは真っ赤になる。
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