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第十章
第280話 巧のために
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桐海と霧影の試合が終わってから三十分後——。
咲麗高校が宿泊しているホテルの一室に、四人の男子高校生が集まっていた。
飛鳥と安藤の部屋に、武岡と真が押しかけた形だ。
正確にいえば、武岡が真を引っ張ってきたのだが、それは今はあまり重要ではない。
「最低でも二週間はかかるってさ」
「そうか……」
安藤の報告に、飛鳥が沈んだ声を出した。
武岡も険しい表情を浮かべている。真は表情を崩さなかった。
「そんなに暗い顔になるなよ。そりゃ悔しいけど、起こっちまったことは仕方ねえからさ。相手もわざとじゃなかったし……それに、これでよかったのかも知んねえな——」
安藤は、武岡と真に視線を向けた。
「——怪我してない状態で、お前らと巧のトリオをベンチから眺めるよりは」
「それは……」
「そうかもな」
言い淀む武岡の後を引き取るように、真が淡々と肯定した。
安藤が苦笑した。
「そこで躊躇なく肯定すんのがお前らしいよな」
「慰めでも言われたかったのか?」
「……いや、いい。天候不良で選手権が中止になっても困るからな」
今度は真が苦笑する番だった。
それに続くように、飛鳥と武岡も表情を緩めた。
◇ ◇ ◇
「——巧先輩、お疲れ様です!」
「ありがとう、香奈」
巧は受け取ったボトルを半分ほど一気に飲み干し、息を吐いた。
二回戦の翌日——三回戦の前日の練習から、全体練習に復帰していた。準々決勝での出場を見据えてのプランだ。
全体練習復帰から二、三日での試合出場は強行軍だが、どちらかというと、巧は再発予防のために全体練習復帰を遅らせていた。
もう痛みはないし、ここ数日はボールトレーニングも行なっていたため、感覚は戻りつつある。
あとはどこまで今のチームに合わせられるか、というところが鍵になるだろう。
「ウズウズするとは思いますけど、焦っちゃダメですよ」
「うん、わかってる。無理をしないことが一番の近道だからね」
「ふっふっふ、よくわかっているではないですか」
「偉そうに」
「いてっ」
巧に脳天をチョップされ、香奈は一応は痛がってみせるものの、口元には隠しきれない笑みが浮かんでいた。
チョップをされたことというよりは、巧とちょっとしたスキンシップを取れるのが嬉しいのだろう。
(可愛いなぁ)
「可愛いなぁ」
「……えっ?」
香奈が電池の切れたロボットのように、ピタリを動きを停止した。
巧はあっ、と口元を抑えた。想いが強すぎて、心の声が漏れてしまったらしい。
「っ~!」
かぁ、と頬を染める香奈を見て、巧もなんだか気恥ずかしい気持ちになった。
「ご、ごめん。つい……口に出したつもりはなかったんだけど」
「っ……! そ、そっちのほうが余計恥ずかしいですよっ!」
「……確かに」
「勝手に納得しないでくださいよ、もうっ……この、タラシ」
「ごめんって」
香奈にぺちっと二の腕を叩かれ、巧は苦笑いを浮かべて頭を掻いた。
——そんな二人の様子を見て、四人の男女が苦笑を交わした。
「本当に息を吐くようにイチャついてるね」
「あそこまで自然だと逆にすごい」
「だろ?」
「むず痒くてしょうがねえよ」
晴弘と蒼太、それに晴弘の彼女の莉子とその友達の恵美だ。
門限さえ守れば、こうして練習後に身内や友達、恋人と顔を合わせることは禁じられていない。
「如月先輩はいつ復帰なんだっけ?」
「一応準々決勝からの予定だな」
「次の次?」
「そ。だから、明日は巧さんのためにもなんとしてでも勝たねえとな」
「あぁ」
晴弘の言葉に、蒼太も力強くうなずく。
「優さんがいい動きしてたから明日もスタメンは難しいかもしれねえけど、ベンチからでもサポートできることはあるからな」
「いい先輩に恵まれたんだね」
莉子が微笑むと、晴弘と蒼太は揃って照れたように笑った。
「まあ、巧さんがいなかったら選手権のメンバーどころか、一軍に上がれてたかも怪しいからな」
「俺も、あのままじゃ絶対二軍に逆戻りしてたよ。だから、恩はちゃんと返さねえと」
「うん、大丈夫。蒼太ならできるよ」
「おう、サンキュー」
頬を染めた恵美の激励に、蒼太もまた、耳元まで赤くなりつつうなずいた。
——そんな初々しい二人を見て、晴弘と莉子は顔を見合わせて、「こいつらも早く付き合えよ」「それな」というやり取りを交わした。
これまで何度も繰り返されてきた会話だ。
想いを伝える段階まで到達しないまま鼻っ柱をへし折られた晴弘に比べて、告白して玉砕した蒼太が恋愛に慎重になるのはわかるが、それにしても足踏みがすぎる。
晴弘と莉子からすれば、両想いなのは明白なので、もどかしくて仕方なかった。
(選手権が終わっても付き合わなかったら、多少強引にでも蒼太を焚き付けるか)
晴弘は真面目にそんなことを考えた。
巧よりも先にダブルデートを実現させて自慢するというのは、自然体のイチャイチャを幾度となく見せつけられてきた後輩の細やかな目標だった。
◇ ◇ ◇
三回戦の相手である武陵高校は、フィジカル主体のチームだった。
咲麗は二回戦から二人のメンバーを入れ替えた。安藤の代わりに優が、センターバックの林の代わりに大介が先発入りを果たした。
安藤は怪我をしたためであり、林ではなく大介を抜擢したのは、相手のフォワードが高身長のパワー型であるためだ。
林も百八十センチと身長がないわけではないが、大介は百八十センチ台後半で、武岡と並ぶ咲麗の二大フィジカルモンスターと呼ばれている。
下馬評通り、咲麗が前半からボールを保持する展開となった。
しかし、武陵のフィジカルを全面に押し出した激しい戦い方に、予想以上の苦戦を強いられた。
相手のフォワードは大介や武岡が体を張って抑えたが、反対に攻撃では誠治が敵のセンターバック二枚に封じられた。
真も一人や二人なら交わすことはできても、無理の効く身体能力と隙あらば体をぶつけてくる相手には苦戦を強いられた。それは水田や優たち他の攻撃陣も同様だった。
両チームにこれといった決定機が訪れることもなく、前半はお互いに無得点で終了した。
「クソっ……!」
「落ち着きなさい」
誠治が悪態を吐くと、即座に頭を叩かれた。
「冬美……」
「焦ってもいいことはないわ」
「でも、俺が抑えられたからチームのリズムが狂ったんだ。巧のためにも、今日はぜってえ勝たねーといけねえのに——いてぇ⁉︎」
先程よりも強く頭を叩かれ、誠治は思わず悲鳴を上げた。
「冬美っ、何すん——」
「何、一人で抱え込んでいるのよ」
「……えっ?」
厳しい表情から一転、冬美がふっと柔らかい眼差しを誠治に向ける。
「如月君のために頑張ろうと思うのはいいことだけど、責任を全て一人で抱え込む必要はないわ。私たちはチームなのだから、あなた一人がやらなければいけないわけじゃない。咲麗というチームとして勝てばいいのよ」
「あっ……」
誠治は間の抜けた声を漏らした。目から鱗が落ちた気分だった。
巧のために自分がやってやるんだ——。
その強すぎる想いが逆に視野を狭めていたのだと、彼は自覚した。
「俺、ちょっと気負いすぎてたみてえだ」
「そうね。ただ、親友のためにと意気込むのは、決して悪いことではないわ。そ、それが誠治のいいところでもあるのだし……でも、それに囚われてはダメよ」
「お、おう……やっぱり、冬美って頼りになるな」
「な、何よ急に?」
冬美が目を瞬かせた。
誠治は照れくさそうに後頭部を掻きつつ、
「いや、俺が間違った方向に進みそうになったとき、いつもこうやって引き戻してくれるからさ。マジで、いつもありがとな」
「っ……! そ、そんなの、当たり前じゃない。幼馴染でマネージャーなのだし、今はその……彼女、なんだから」
「っ……!」
誠治は息を呑み、電池の切れた機械のように固まった。頬が一気に熱を持つのを感じた。
恥ずかしそうに顔を真っ赤にしているのは、当然冬美も同じだった。
「そ、そんなことよりもっ、今は後半のことを考えましょう!」
「そ、そうだな」
誠治は思考を無理やり、試合に引き戻した。
「でも、どうすっかなー……。あいつら、マジで強えんだよな。フィジカルだけじゃなくて機動力もあるし、どっかに突破口があればいいんだけど……」
「そんなの、簡単じゃない」
「えっ?」
冬美の目線は、誠治ではなく咲麗のベンチに向いていた。
「自分でわからないなら、頼れる仲間たちに聞けばいいのよ。あなたにはどこにいても支えてくれる最高の相棒と、背中を預けられるチームメイトがいるのだから」
冬美は照れくさそうに、しかしどこか得意げに微笑んで、
「難しいことを考えるのは彼らに任せなさい。エースは前だけ見ていればいいのよ。そうでなくとも、単純さが売りのバ縢なのだから」
「最後の一言は余計だけど……そうだな。マジで冬美の言う通りだ。なんかやれそうな気がしてきたわ。サンキュー」
「えぇ——あっ、ちょっと待って」
仲間たちの元へ戻ろうとする誠治を、冬美が呼び止めた。
「どうした?」
誠治が振り返ると、冬美がもじもじと頬を赤らめていた。
やがて意を決して顔を上げ、少し首をかしげて微笑んだ。
「その……頑張って」
「っ……あぁ!」
誠治は力強くうなずいた。
体の奥から、まるでマグマのようにエネルギーが湧いてくるのを感じた。今ならなんでもできる気がした。
咲麗高校が宿泊しているホテルの一室に、四人の男子高校生が集まっていた。
飛鳥と安藤の部屋に、武岡と真が押しかけた形だ。
正確にいえば、武岡が真を引っ張ってきたのだが、それは今はあまり重要ではない。
「最低でも二週間はかかるってさ」
「そうか……」
安藤の報告に、飛鳥が沈んだ声を出した。
武岡も険しい表情を浮かべている。真は表情を崩さなかった。
「そんなに暗い顔になるなよ。そりゃ悔しいけど、起こっちまったことは仕方ねえからさ。相手もわざとじゃなかったし……それに、これでよかったのかも知んねえな——」
安藤は、武岡と真に視線を向けた。
「——怪我してない状態で、お前らと巧のトリオをベンチから眺めるよりは」
「それは……」
「そうかもな」
言い淀む武岡の後を引き取るように、真が淡々と肯定した。
安藤が苦笑した。
「そこで躊躇なく肯定すんのがお前らしいよな」
「慰めでも言われたかったのか?」
「……いや、いい。天候不良で選手権が中止になっても困るからな」
今度は真が苦笑する番だった。
それに続くように、飛鳥と武岡も表情を緩めた。
◇ ◇ ◇
「——巧先輩、お疲れ様です!」
「ありがとう、香奈」
巧は受け取ったボトルを半分ほど一気に飲み干し、息を吐いた。
二回戦の翌日——三回戦の前日の練習から、全体練習に復帰していた。準々決勝での出場を見据えてのプランだ。
全体練習復帰から二、三日での試合出場は強行軍だが、どちらかというと、巧は再発予防のために全体練習復帰を遅らせていた。
もう痛みはないし、ここ数日はボールトレーニングも行なっていたため、感覚は戻りつつある。
あとはどこまで今のチームに合わせられるか、というところが鍵になるだろう。
「ウズウズするとは思いますけど、焦っちゃダメですよ」
「うん、わかってる。無理をしないことが一番の近道だからね」
「ふっふっふ、よくわかっているではないですか」
「偉そうに」
「いてっ」
巧に脳天をチョップされ、香奈は一応は痛がってみせるものの、口元には隠しきれない笑みが浮かんでいた。
チョップをされたことというよりは、巧とちょっとしたスキンシップを取れるのが嬉しいのだろう。
(可愛いなぁ)
「可愛いなぁ」
「……えっ?」
香奈が電池の切れたロボットのように、ピタリを動きを停止した。
巧はあっ、と口元を抑えた。想いが強すぎて、心の声が漏れてしまったらしい。
「っ~!」
かぁ、と頬を染める香奈を見て、巧もなんだか気恥ずかしい気持ちになった。
「ご、ごめん。つい……口に出したつもりはなかったんだけど」
「っ……! そ、そっちのほうが余計恥ずかしいですよっ!」
「……確かに」
「勝手に納得しないでくださいよ、もうっ……この、タラシ」
「ごめんって」
香奈にぺちっと二の腕を叩かれ、巧は苦笑いを浮かべて頭を掻いた。
——そんな二人の様子を見て、四人の男女が苦笑を交わした。
「本当に息を吐くようにイチャついてるね」
「あそこまで自然だと逆にすごい」
「だろ?」
「むず痒くてしょうがねえよ」
晴弘と蒼太、それに晴弘の彼女の莉子とその友達の恵美だ。
門限さえ守れば、こうして練習後に身内や友達、恋人と顔を合わせることは禁じられていない。
「如月先輩はいつ復帰なんだっけ?」
「一応準々決勝からの予定だな」
「次の次?」
「そ。だから、明日は巧さんのためにもなんとしてでも勝たねえとな」
「あぁ」
晴弘の言葉に、蒼太も力強くうなずく。
「優さんがいい動きしてたから明日もスタメンは難しいかもしれねえけど、ベンチからでもサポートできることはあるからな」
「いい先輩に恵まれたんだね」
莉子が微笑むと、晴弘と蒼太は揃って照れたように笑った。
「まあ、巧さんがいなかったら選手権のメンバーどころか、一軍に上がれてたかも怪しいからな」
「俺も、あのままじゃ絶対二軍に逆戻りしてたよ。だから、恩はちゃんと返さねえと」
「うん、大丈夫。蒼太ならできるよ」
「おう、サンキュー」
頬を染めた恵美の激励に、蒼太もまた、耳元まで赤くなりつつうなずいた。
——そんな初々しい二人を見て、晴弘と莉子は顔を見合わせて、「こいつらも早く付き合えよ」「それな」というやり取りを交わした。
これまで何度も繰り返されてきた会話だ。
想いを伝える段階まで到達しないまま鼻っ柱をへし折られた晴弘に比べて、告白して玉砕した蒼太が恋愛に慎重になるのはわかるが、それにしても足踏みがすぎる。
晴弘と莉子からすれば、両想いなのは明白なので、もどかしくて仕方なかった。
(選手権が終わっても付き合わなかったら、多少強引にでも蒼太を焚き付けるか)
晴弘は真面目にそんなことを考えた。
巧よりも先にダブルデートを実現させて自慢するというのは、自然体のイチャイチャを幾度となく見せつけられてきた後輩の細やかな目標だった。
◇ ◇ ◇
三回戦の相手である武陵高校は、フィジカル主体のチームだった。
咲麗は二回戦から二人のメンバーを入れ替えた。安藤の代わりに優が、センターバックの林の代わりに大介が先発入りを果たした。
安藤は怪我をしたためであり、林ではなく大介を抜擢したのは、相手のフォワードが高身長のパワー型であるためだ。
林も百八十センチと身長がないわけではないが、大介は百八十センチ台後半で、武岡と並ぶ咲麗の二大フィジカルモンスターと呼ばれている。
下馬評通り、咲麗が前半からボールを保持する展開となった。
しかし、武陵のフィジカルを全面に押し出した激しい戦い方に、予想以上の苦戦を強いられた。
相手のフォワードは大介や武岡が体を張って抑えたが、反対に攻撃では誠治が敵のセンターバック二枚に封じられた。
真も一人や二人なら交わすことはできても、無理の効く身体能力と隙あらば体をぶつけてくる相手には苦戦を強いられた。それは水田や優たち他の攻撃陣も同様だった。
両チームにこれといった決定機が訪れることもなく、前半はお互いに無得点で終了した。
「クソっ……!」
「落ち着きなさい」
誠治が悪態を吐くと、即座に頭を叩かれた。
「冬美……」
「焦ってもいいことはないわ」
「でも、俺が抑えられたからチームのリズムが狂ったんだ。巧のためにも、今日はぜってえ勝たねーといけねえのに——いてぇ⁉︎」
先程よりも強く頭を叩かれ、誠治は思わず悲鳴を上げた。
「冬美っ、何すん——」
「何、一人で抱え込んでいるのよ」
「……えっ?」
厳しい表情から一転、冬美がふっと柔らかい眼差しを誠治に向ける。
「如月君のために頑張ろうと思うのはいいことだけど、責任を全て一人で抱え込む必要はないわ。私たちはチームなのだから、あなた一人がやらなければいけないわけじゃない。咲麗というチームとして勝てばいいのよ」
「あっ……」
誠治は間の抜けた声を漏らした。目から鱗が落ちた気分だった。
巧のために自分がやってやるんだ——。
その強すぎる想いが逆に視野を狭めていたのだと、彼は自覚した。
「俺、ちょっと気負いすぎてたみてえだ」
「そうね。ただ、親友のためにと意気込むのは、決して悪いことではないわ。そ、それが誠治のいいところでもあるのだし……でも、それに囚われてはダメよ」
「お、おう……やっぱり、冬美って頼りになるな」
「な、何よ急に?」
冬美が目を瞬かせた。
誠治は照れくさそうに後頭部を掻きつつ、
「いや、俺が間違った方向に進みそうになったとき、いつもこうやって引き戻してくれるからさ。マジで、いつもありがとな」
「っ……! そ、そんなの、当たり前じゃない。幼馴染でマネージャーなのだし、今はその……彼女、なんだから」
「っ……!」
誠治は息を呑み、電池の切れた機械のように固まった。頬が一気に熱を持つのを感じた。
恥ずかしそうに顔を真っ赤にしているのは、当然冬美も同じだった。
「そ、そんなことよりもっ、今は後半のことを考えましょう!」
「そ、そうだな」
誠治は思考を無理やり、試合に引き戻した。
「でも、どうすっかなー……。あいつら、マジで強えんだよな。フィジカルだけじゃなくて機動力もあるし、どっかに突破口があればいいんだけど……」
「そんなの、簡単じゃない」
「えっ?」
冬美の目線は、誠治ではなく咲麗のベンチに向いていた。
「自分でわからないなら、頼れる仲間たちに聞けばいいのよ。あなたにはどこにいても支えてくれる最高の相棒と、背中を預けられるチームメイトがいるのだから」
冬美は照れくさそうに、しかしどこか得意げに微笑んで、
「難しいことを考えるのは彼らに任せなさい。エースは前だけ見ていればいいのよ。そうでなくとも、単純さが売りのバ縢なのだから」
「最後の一言は余計だけど……そうだな。マジで冬美の言う通りだ。なんかやれそうな気がしてきたわ。サンキュー」
「えぇ——あっ、ちょっと待って」
仲間たちの元へ戻ろうとする誠治を、冬美が呼び止めた。
「どうした?」
誠治が振り返ると、冬美がもじもじと頬を赤らめていた。
やがて意を決して顔を上げ、少し首をかしげて微笑んだ。
「その……頑張って」
「っ……あぁ!」
誠治は力強くうなずいた。
体の奥から、まるでマグマのようにエネルギーが湧いてくるのを感じた。今ならなんでもできる気がした。
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