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レン太郎が死んだ日
しおりを挟む前回の事件以来──。
いや、デート以来と言った方がいいだろう。黒川とミホコの仲は、急速に良くなっていた。
以前までは、仲は良くても、あくまでも仕事の同僚でという立場で、それ以上の関係ではなかった。しかし、今ではお互いを異性として意識し、プライベートで会う回数も少なくない。
それもこれも、仲を取り持ったレン太郎のお陰と、本人(黒川)が思ってるかどうかは微妙だが、黒川は毎日ウキウキ状態である。
またミホコも、徐々にではあるが、黒川を好きになりつつあった。
「なあ、次の休み空いてるか?」
ぶっきらぼうな言い方だが、黒川なりの、デートの誘い文句である。黒川は童貞ではないのだが、女性経験が多い方でもない。
実は、黒川が高校生の頃、女子バレー部の先輩に、部室で犯されそうになった事がトラウマになってしまい、それ以来、まともに女性と接する機会を、極力さけてきたのである。
なので、ミホコをホテルに誘いたくても、誘うタイミングというのがわからないのだ。
黒川は、心の奥底では待っているのかもしれない。
「ミホコさんをホテルに誘うなら今がチャンスですよ」と、レン太郎が助言してくれるのを──。
「そうね、考えとくわ」
黒川の誘いに対するミホコの返事はいつもこうだ。またこれも素っ気ない返事だが、ミホコなりに精一杯、素直に返事をしているつもりなのである。
ミホコもまた男性経験が少ない。初めて付き合った彼氏に、心の準備も出来ていないのに、いきなりホテルへ連れ込まれそうになり、彼氏をホテルの入口で、ボコボコにした経験の持ち主だ。
それ以来、ミホコと付き合う男性は、セックスにたどり着くまでに、とてつもない努力を強いられるようになってしまったのだ。
だからミホコは仕事に生きた。だが、今の黒川なら、ミホコの閉ざされた鋼鉄の扉を、こじ開けてくれるかもしれない。ミホコは、黒川が自分の事をどう思ってるのか、いつも気になっていた。
レン太郎だったら、初めに黒川の気持ちを教えてくれたように、今の黒川の気持ちも教えてくれるかもしれない。
自分でも知らず知らずのうちにミホコは、現場に行く度にレン太郎の登場を期待するようになってしまっていた。
まあ、結局のところ、黒川もミホコも自分では気付かないうちに、レン太郎の存在が必要不可欠になってしまっているようである。
そんなある日──。
何者かが、消費者金融会社に人質をとって立てこもるという事件が発生した。
「いくぞミホコ!」
「ええ!」
仕事でも二人は良きパートナーだ。黒川とミホコは早速、現場へと急行した。
そして現場──。
消費者金融会社のビルの前に到着した。現場は物々しい雰囲気に包まれており、警官の数も普通よりも多めの人数が動員されているようだ。黒川は状況を把握しようと、近くにいた警官に声を掛けた。
「状況は?」
「はい。犯人の男は爆発物を所持しており、人質一人をとって消費者金融会社のビルの2階に立てこもっています」
「犯人の要求は?」
「社長を呼べとの一点張りですね。この消費者金融会社に恨みがあるようです」
「そうか……まず付近の住民を避難させろ。犯人が爆発物を所持してる以上、爆発する可能性があるからな」
「はっ!」
警官は黒川の指示を聞き入れ、その場を立ち去っって行った。
「黒川くん、厄介な事件になりそうね?」
横で話を聞いていたミホコは、顔をしかめている。
「ああ、とりあえず犯人と話をしよう」
そう言うと黒川は、置いてあった拡声器を持ち、犯人に呼び掛けたのであった。
「犯人に告ぐ! お前は完全に包囲されている。無駄な抵抗は止めて出てくるんだ」
すると、2階の窓が開き、人質を盾にした犯人とおぼしき人物が姿を現わした。
「うるせー! 早く社長を連れて来い! でないと、人質と一緒にこのビルを爆発させるぞっ!」
そう言うと犯人は、体中に巻き付けた爆弾を黒川に見せ付けた。
「ダ、ダイナマイトを体中に巻き付けてやがる……ん?」
体中の爆弾にも驚いたが、黒川は人質にとられてる人物にも驚いた。
「く、黒川くん。アレ……」
どうやら、ミホコも気付いたようだ。
そう、人質にとられていたのは、なんとあの、名探偵レン太郎だったのである。
「キャッホー! 黒川さーん! ミホコさーん!」
レン太郎も、黒川とミホコの存在に気付いたようだ。手足を縛られているようで、身動きがとれない様子だが、そんな状態でもレン太郎は、いつもの台詞を、忘れてはいなかったのだ。
気持ちはいつでもAV男優!
完全無欠なトラブルメーカー!
名探偵レン太郎!
「オメーには緊張感ってもんがねぇのかっ!」
黒川は、拡声器でレン太郎を怒鳴り付けた。
だがレン太郎は、茶目っ気たっぷりで黒川にこう言った。
「いやね、黒川さん。実は私、この金融会社に借金があったんですよ……」
さらにレン太郎は、にやけながらも話を続けた。
「んで、私があまりにも借金返さないもんだから、この会社の恐いお兄さんに拉致られちゃったところ、この犯人さんが爆弾を体に巻き付けて殴り込んできたわけです」
黒川は話を整理しようと、ミホコに話し掛けた。
「ミホコ、どう思う?」
「要するに、あいつにとってみれば、金融会社の恐いお兄さんになぶられるより、爆弾を体に巻き付けた犯人の人質になってる方がマシってことなのかしら?」
「だからあいつ、あんなにニコニコしてんのか?」
「それよりも、犯人確保と人質の保護の方法を考えないと」
「……そうだな」
果たして、人質にとられてしまったレン太郎は、どうなってしまうのかであろうか。
そして、体中に爆弾を巻き付けた犯人の目的とは、いったい──。
依然として、体中に爆弾を巻き付けた犯人は、レン太郎を人質に立てこもっている。黒川とミホコは、犯人確保と人質保護の方法を考えているが、なかなかいい案が浮かばない。
すると、そこへレン太郎が、黒川に話し掛けてきた。
「黒川さーん!」
「なんだ?」
「あのーすごく言いづらいんですが、私にもしものことがあったらですね……」
「もしものことなんて、縁起でもないこと言うんじゃねぇー!」
観念してしまったのか、レン太郎は、最後にやり残したことを、黒川に託すようだ。
「ベットの下に隠しといたエロ本の処分と、レンタルで借りていたエロDVDを返しといてもらえませんか?」
「……は?」
「あと、延滞料金も払っといて下さい」
「知るかーっ!」
レン太郎はいつものように、緊張感がない。というか、相変わらず場の空気が読めないようだ。
だが、今はそんなことよりも、犯人の確保と人質の保護の方法を考えなければならない。黒川は、何かを思い付いたように拡声器持ち、犯人に呼びかけ始めた。
「おい、犯人」
「なんだ?」
「その人質の男は、風俗に通い過ぎて新種の性病に侵されている。その性病は、勃起障害やウミやタコが出来て非常に痛いし、近付くだけで感染する恐い病気だ。早く解放しないとお前も危ないぞ」
犯人は、黒川の言葉に戸惑っているようだ。すると、ミホコも黒川から拡声器を受け取り、犯人に呼び掛け始めた。
「さらにその男はホモセクシャルで、男がいると襲わずにはいられない性格よ。スキあらばあなたも襲われる可能性があるわ。だからケツの穴を掘られたくなければ、大人しく投降して出てらっしゃーい」
犯人は動揺しながらも、レン太郎に問いただした。
「お、おい……そうなのか?」
「いえ、違いますけど」
「違うって言ってるじゃねーかっ!」
犯人は逆上して、黒川とミホコを怒鳴り付けた。
「やっぱ、ちょっと言い過ぎたか」
「そ、そうね……」
事態は、さらに悪化してしまった。
とその時──、
「黒川さーん!」
レン太郎が黒川を呼んだ。
「どうした?」
「犯人さんが、黒川さんに話があるそうですけど」
「なんだ?」
すると、犯人が顔を覗かせ、黒川に向かってこう言った。
「社長はまだか?」
「まだだ。というか、お前は社長に何の恨みがあって、こんなことをしてるんだ?」
「いいかよく聞け。俺はこの消費者金融に法外な利息で借金返済を迫られ、気が付いたらとても返せる額じゃなくなっていた。だから今日は、社長に借金をチャラにしてもらうために話し合いに来たんだ」
「体中にダイナマイトを巻き付けてか?」
「そうだ!」
「お前、超ワガママだな」
「うるせーよ!」
すると、レン太郎が涙を浮かべて、犯人に話し始めた。
「は、犯人さん……」
「な、なんだ? 気持ち悪い」
「私の借金もチャラにしてもらえるように、お願いしてもいいですか?」
それを聞いていた黒川は、拡声器でレン太郎を怒鳴り付けた。
「何考えてんだお前はっ!」
だが、そう言いながらも、黒川は考えていた。もしかしたらレン太郎は、犯人を油断させるために、わざと犯人に取り入ろうとしてるのではないかと。
だが──、
「ねぇ~お願いしますよ~」
レン太郎は、とても演技とは思えない様子で、犯人にスリスリしていた。
とそこに、黒川のところへ、無線で連絡が入った。
「狙撃班の準備が出来ました。合図してもらえれはいつでも撃てますよ」と。
相手は体中に爆弾を巻き付けた犯人だ。下手に突入すると起爆スイッチを押されてしまう。犯人を捕まえる方法は、説得するか狙撃による射殺の二つしかない。
黒川はギリギリまで説得して、ダメならば射殺するしかないと考えていた。
「おい、犯人」
「なんだ?」
「この消費者金融会社は、警察がガサ入れする。違法ならば社長は逮捕されて、借金の利息もどうにかなるだろう。だから、とりあえず人質を解放して出て来てくれないか?」
黒川の言葉に考え込んでいた犯人。だが、その答えは期待を裏切るものだった。
「……ダメだ」
「なんだと?」
「どうせ俺は刑務所行きだ。借金がどうにかなっても、そんなのはまっぴら御免だね」
「……クソッ」
黒川は説得を諦め、狙撃班に無線を繋いだ。
「狙撃班、いけるか?」
「いつでもどうぞ」
狙撃手の準備はオッケーのようだ。だが、チャンスは一度だけ。一発で仕留めなければならない。
そして、狙うは頭。もし外したら、犯人は逆上して自爆するだろう。
黒川は祈るような気持ちで、狙撃手に射殺の命令を下した。
「……撃て!」
辺り緊張が走る。
バァーン!
ライフルの銃声が、付近一帯に響き渡った。
「ウワァーッ!」
犯人の悲痛な叫び声が聞こえる。
「やったか?」
たが、残念なことに、ライフルの銃弾は犯人の肩を撃ち抜いただけだった。
「バカがっ! 外しやがった!」
黒川は焦った。そして案の定、犯人は逆上し、怒り狂っている。
「畜生! 撃ちやがったな! 死んでやる! こいつも道連れに死んでやるからなーっ!」
そう言うと犯人は、レン太郎と一緒に奥の部屋へと入って行ってしまった。
しかし、レン太郎は黒川を見ながら笑っていた。その表情は、まるで何かを企んでいるかのような、笑みだった。
「あ、あいつ……笑ってたぞ」
「……え?」
そして、犯人が2階の窓から姿を消して数秒後、すごい轟音とともに、すべての2階の窓ガラスが一気に割れ、黒川達に降り注いだ。
「伏せろっ!」
黒川はミホコをかばい、地面に伏せた。
「く、黒川くん……」
「動くな! ミホコ!」
黒川の背中に、ガラスの破片がパラパラと飛び散った。
「黒川くん、大丈夫?」
ミホコは心配そうに、黒川に声を掛けた。
「ああ、大丈夫だ」
ガラスの破片をはらいながら、黒川は起き上がった。
「……ありがとう」
ミホコの無事を確かめると、黒川は辺りを見渡した。幸いなことに、怪我を負った者はいないようだ。
しかし、今回の事件は、人質を道連れにした犯人の自爆という、最悪の結末を迎えてしまった。
そう、人質だったレン太郎が、犠牲となってしまったのだ。
事件は終わった──。
現場では、爆破の処理が行われている。
爆発は、2階のフロア全体を吹き飛ばしてしまっていた。こんな中、レン太郎が生きているはずもない。最悪の結果になってしまい、黒川はガックリとうなだれていた。
とそこへ、ミホコが慌ただしくやって来た。
「黒川くん、大変よ!」
「なんだ、どうした?」
「遺体は一人しか確認されなかったわ」
「な、なんだとっ!」
「それも、犯人の遺体だけよ」
黒川は言葉を失った。あの爆発の中、手足を縛られた状態で逃げれるはずがない。
仮に縄を解いて逃げたとしても、爆発まで数秒しかなかった。奇跡でも起こらない限り、あの状態から逃げるなんて不可能だ。
「本当か……本当に犯人の遺体しかなかったんだな?」
黒川はミホコの肩を掴んで、必死に問いただしている。
「本当よ。でも、だからって生きているとも限らないわ」
「そ、そうだな……」
そして結局、レン太郎の遺体だけが見付からないまま、事件は幕を閉じた。
警察では、犯人と人質、ともに死亡と処理されてしまい、書類上ではあるが、レン太郎は抹殺されてしまったのであった。
それから数ヶ月──。
黒川とミホコは相変わらず、事件に追われて大忙しだ。しかし、レン太郎が再び現場に現れることはなかった。
「なぁ、ミホコ」
「なに? 黒川くん」
「あいつ、いったい何者だったんだろうな?」
「さぁ? でも、生きているって思ってるんでしょ?」
「ああ……あいつは、またきっと現れる」
「そうね、私もそう思うわ」
黒川とミホコは、たまに思い出したように、レン太郎の話をすることがある。レン太郎は確かに存在した。またいつか、あの名台詞を引っさげて帰ってくるに違いない。少なくとも、黒川とミホコの二人はそう思っていた。
「なあ、次の休み空いてるか?」
「そうね、考えとくわ」
また二人の仲も、相変わらずである。次にレン太郎に会う時までに、進展するのは難しいかもしれない。
殺人現場にサクッと登場!
迷宮だらけのカリスマ探偵!
名探偵レン太郎!
【第1部・完】
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