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第二話 のんびり屋の梅男
しおりを挟むびす子:楽しい時間はあっという間だな!久しぶりに花音と話せて楽しかったぁ!もうこんな時間だし帰らなくちゃ。
花音:びす子まだ門限あるの?
美留來:びす子は勅使河原家の一人娘だもんね~。
びす子:門限守らないと婆ちゃんがうるさいんだよ。もっと話してたいんだけどごめんにょ。
花音:大丈夫。長く滞在するつもりだからまた会って話そ。
びす子:ホントか!やったあ!じゃまた明日な!ここは奢るわ!
びす子はすかさず伝票を取ると走ってレジに行ってしまった。
美留來と花音は走り去るびす子に「ごちそうさま」と声をかけた。
美留來:で、帰ってきた本当の理由は何なの?
美留來は重そうなキャリーケースといい、急に帰ってきた事に何かあったのではないかと思っていた。
花音:美留來にはさすがに隠せないか。実は・・仕事辞めてきたの。
美留來:えええ?!あんな立派な会社に入って喜んでたじゃないの!
花音:・・そうなんだけどね。辞めた事はまだ家族には言ってないの。それでね美留來にお願いがあるの。
美留來はその言葉を聞いて何か重要な事を頼まれるのかと思っていたが、花音のお願いというのは美留來の家に泊めて欲しいとの事だった。
美留來は何だそんな事かと二つ返事でオーケーした。
美留來:泊める事には問題ないよ。厩舎の横に来客用の小屋があるから使ってよ。
花音:ありがとう助かる。
美留來:じゃもう帰ろっか。なんだかんだでこんな時間だし。
花音:うん。
二人は帰りの際に烈のハグ攻撃を何とか躱して店を後にした。
帰宅すると美留來は早速小屋に花音を案内しベッドを整えた。
美留來:最近使ってなかったから埃ぽいけど寝るだけなら大丈夫そうかなぁ。それとシャワーも備え付けであるから使ってね。
花音:すごく助かる。それにベッドも全然綺麗だよ。
美留來:それなら良かった。疲れてるだろうから、起きて朝食出来たら声かけに来るね。じゃあおやすみ。
花音:うん、おやすみ。美留來ホントありがとう。
美留來は「うん」と笑い返して小屋を後にし自宅へと戻って行った。
そして翌朝、みんなで朝食を食べようと支度をしてる時に事件が起きた。
父の梅男と朝食を作っていると花音の姉の翼が息巻いてやって来た。
翼:おはようございます!!!うちの妹の花音がこちらにいると聞いてやって来たんですが!!!
梅男:翼ちゃん、おはよう。朝からどうしたんだい。よかったら朝ごはん食べて行くかい?
美留來は父に「今は朝ごはん勧めるところじゃない」とツッコミを入れたかったがぐっと堪えた。
父の梅男は気は優しいが少し鈍感でのんびりしてるタイプだった。
花音の姉の翼の方はというと、学生時代はバスケ部のキャプテンや生徒会で活動するなど責任感がある人物だ。
そんな二人の会話はなんだか微妙に噛み合ってないように見えた。
つづく
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