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第六章 いでよ!太古の剣!
第二十二話 王の証
しおりを挟むラナが言うには一年後に体のどこかに王の証が出るという話だった。
だが、何を以てしてその証が出るのかは説明は一切なかった。
アレオは自分の息子を何が何でも王にする為に兄を問い詰めた。
アレオ:兄さんなら知ってるんじゃないの?プラーガトにも証が出るかもしれないのよね?ねえ、どうしたら選ばれるの?
ダマールは毎回会合には出ていたが王の証の詳細については特に何も聞いていなかった。
ダマール:詳しい事はわからない、一年後になれば分かるだろう。
子供がいない兄のダマールは王位継承権などそこまで興味がないようでアレオの話をそこまで真面目に聞いいないようだった。
アレオはそれで納得するはずもなく毎日毎晩と王の証について聞かれ続けると、さすがにダマールは嫌気がさし一緒に食事も取る事もなくアレオを避けるようなっていった。
アレオは兄が協力的ではない事が分かり余計に苛立っていた。
アレオ:(どうしてプラーガトを次の継承者にしたいと思わないのかしら・・・同じ血筋なのに・・・もし、メディアに出たら結婚させれば良いとして、タカールに出たらその時は・・)
当のプラーガト本人は王になる気は毛頭はなく、トルマール村でのんびり漁をしながら日々過ごす事が何より幸せであった。
アレオはそれを知ってか知らずか何としても次の継承者にすべく躍起になっていった。
アレオはそれから一年間プラーガトの体に証が出てないか毎日確認していた。
だが、シミ一つ出来ない息子に腹正しさが募る日々だった。
アレオ:(あの子には王の証が出ない気がしてきたわ・・・でもメディアもタカールもまだ証が出てないって言ってたから会合の時に浮き出てくるのかしら・・・。)
アレオ:(もしも最悪は・・・兄さんの砂を使うしかないわ・・・。後は例のあの人の力を借りなければ・・・。)
そしてあっという間に一年が過ぎ誰が王位を継ぐのか宮殿で会合が行われる日がやって来た。
会合にアレオがまた来てる事にタカールは少し眉を顰めた。
タカ:(アレオ様はまったく普段の会合に顔を出さないのに継承者の話の時だけは参加してる・・・それに前の時に会った時よりも顔つきも変わって何か嫌な予感がする・・。)
ラナ:全員揃ったね・・では次の継承者を決めようか。古代の剣よここに現れよ。
ラナはそう言うと大きな銀色に鈍く光った剣を手のひらから出した。
ラナ:メディア、タカール、プラーガト、僕の前に並んでくれるかい?
三人は神妙な面持ちでラナの前に跪いた。
アレオはその様を食い入るように見ていた。
ラナ:この星の将来を担う次の継承者はこの三人のうちの誰かとなる。さあ古代の剣よ次の継承者に証を刻み込め!
古代の剣が宙に浮くとくるくると周り出し一瞬光ると動きが止まった。
すぐに何か反応があるの思われたが三人の体には何も起きている様子もなく、三人ともお互い確認するかのように目を見合わせた。
それを見ていたアレオは居ても立ってもいられずプラーガトに証が出てるのではないかと服をめくってみたり体のあちこちをチェックし始めた。
プラーガト:お母さんやめてくれよ・・・ほら、ちゃんと席に戻って!!
プラーガトは自分の母があまりにも浅ましい振る舞いに苛立ちを隠せなかった。
その時だった、隣にいたタカールが右手を押さえて屈み込んだ。
つづく
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