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第六章 いでよ!太古の剣!
第二十一話 三つの城
しおりを挟む三人は地球で内戦が続いていた国の名前を取り、星の名前をアリュバスとし、星を統治する為に三人は三つ城を立てた。
ダンデリオンはハッシュタルト城下町の下に、ダマールはアレオが海が見える場所に住みたいとの事で二人で暮らせる城を宮殿と反対側に築いた。
バレンシアはその中間に父の名前を付けたグーナント城を作った。
その後、ダマールは一人の女性に拘らず生涯独身だったが妹のアレオは近くの村に住む青年と恋に落ち結婚した。
ダンデリオンとバレンシアは嫁を取り宮殿内で暮らしていた。
ラナはというと時折ふらふらと散策に出かけては気まぐれに遺跡や建造物や村や町を増やしていった。
ダンデリオン達は自分達の王国が徐々に大きくなり手応えを感じていた。
そして平穏な日々が過ぎ、ダンデリオンの娘メディア、バレンシアの息子タカール、アレオの息子プラーガトが成人した頃だった。
アレオは成人した息子の姿を見てふとある事を思つき、話すだけ話してみようと夕食が終わった後に話があるとダマールに伝えた。
夕食後にダマールの部屋にアレオが神妙な面持ちで入って来た。
ダマール:アレオどうした?
アレオ:兄さんお願いがあるの。
ダマール:珍しいなアレオがお願い事なんて、それで?
アレオ:実は・・・息子のプラーガトに王位継承権を授けて欲しいの。
ダマール:なるほど・・・確かに俺には子がいないし私の血を継ぐ者はプラーガトになるな。ふむふむ。ならばその旨をダンデリオンとバレンシアに伝え了承を得なければ。
アレオ:兄さんお願い!
ダマール:今度宮殿に行く時に話をしてみるよ。
アレオ:その時にハッシュタルトに私とプラーガトも一緒に行っても良い?
ダマール:分かった。宮殿に使い鳥を飛ばしておこう。
アレオ:兄さん、ありがとう!
アレオはあまりの嬉しさに兄に抱きついた。
妹の何気ない願いだとダマールは思っていたが、これより何百年にも渡って遺恨を残す事になるとは当事者達は知る由もなかった。
宮殿で行われる一年に一度の定例会議にダマールはアレオとその息子を連れ立ってやって来ていた。
到着した日の午後に広間で次の継承者について話し合いが始まった。
ラナ:今日は前回話したダンデリオン、バレンシア、ダマールを継承する者をどういう風に決めるか話し合ったよね。大まか決まったけど・・・。
ラナがちらりとアレオを見た。
ラナ:と、その前にアレオの息子のプラーガトをダマールの代わりに継承者に加えて欲しいと提案があったんだけどダンデリオンとバレンシアはどうする?
ダンデリオン:私は構わない。
バレンシア:私も。
アレオはそれを聞いてホッとしたがプラーガトはそんな事なんて聞いてないと言わんばかりにキョトンとした顔をした。
プラーガト:母さんどういう事?何故その事を教えてくれなかったの。それに僕は王になる気なんてないよ。
アレオ:何を言ってるの!あなたはダマール家の跡取りよ。兄さんに世継ぎがいない今、あなたしかいないわ。
タカール:プラーガトも名乗りを上げたか。メディアと三人の誰が王の証が出るのか楽しみだな。
アレオ:王の証?
ラナ:ダマールから聞いてないのか?子供達から王の証が出た者が次の継承者になると。
ダマール:アレオすまん。その事をすっかり忘れてた。だがプラーガトも資格があるから問題ないだろう。
アレオはてっきり子供達三人で統治する事になると勝手に思い込んでいた。
アレオ:そ、そんな・・。
王の証が誰に出るか分からないと聞いて焦るアレオだった。
つづく
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