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第六章 いでよ!太古の剣!
第十二話 おはよう
しおりを挟むギア子がベッドに寝ていると母の声が聞こえて来た。
壱乃:おはよう。ギア子、そろそろ起きなさい。
母が部屋に入って来てカーテンを一気に開けた。
壱乃:今日は大事な用があるって言ってたでしょ。
ギア子は窓から差し込む日差しに眩しくて目が開けらずにいた。
ギア子:うーん・・・でも体がだるくてもうちょっと寝てたいの・・・。
壱乃がギア子のベッドに座り優しく髪を撫でた。
壱乃:いつまでも休んでる訳にいかないでしょ。朝ごはんも出来てるから降りてらっしゃい。
ギア子:うーん・・あと五分、お願い寝かせて・・・。
ギア子は母に言われた大事な用が何なのか思い出せずにいた。
「大事な・・・なんだっけ・・・何か忘れてる気がする・・・」
「確か・・・地球に戻ってそれから・・・えっと・・・」
ギア子は思い出そうと必死に記憶を手繰り寄せるように手足を動かした。
壱乃:ほら早く起きなさい。ギア子。早く起きて。
母に体を揺さぶられながらもなかなか目が開けられないでいた。
メガ男:ギア子!起きろ!ギア子!!!
体を揺さぶられ続けていたギア子は徐々に意識が覚醒し始めていた。
母の声だと思っていたその声はメガ男の声だった。
「この声・・・なんでメガたんが。お母さんが言ってた大事な用って・・・。」
ギア子:お母さんもうちょっと・・・もう少し寝かせて・・・。
寝返りを打とうとした時にトルキエの弓が手に当たった。
「・・・!?そうだ私はギャーに矢を打たれから徐々に毒が回って意識がなくなってたんだ」
目を開けるとメガ男が涙目になりながらギア子をぎゅっと抱きしめた。
メガ:ギア子!目が覚めたか!良かった本当に良かった。
ギア子:メガたんずっと看病しててくれたの!ありがとう。で、ここは・・・?
状況を把握出来ないギア子は周辺を見渡した。
すると扉の前でセラの首に腕を回しきつく締め上げているグレイの姿があった。
グレイ:ギア子・・・目が覚めたようだな。だがもう遅い。ルーチェの証は全て揃った・・・。
入り口にはトーマ達がセラを人質に取られ身動き出来ずにいた。
セラはギア子の治療が終わった事を外にいるトーマ達に知らせようとルーチェの間から出ようとした時だった。
そこへ入り口からグレイが血まみれの状態で入って来た。
グレイは良いタイミングだと言わんばかりにニヤリと笑うとセラを人質にしようと素早く腕をぐるっと回しセラの首をきつく締め上げた。
エマ:セラ様を離しなさい!
グレイ:セラにはもう少し私の為に力になって貰わないとな、くくく。
セラ:エマ!私の事は気にせずに・・・うぐぐ。
グレイ:うるさい王女様だな。首をへし折るぞ。
その間にメガ男はどうにかしてギア子を目覚めさせようと体を揺さぶりながら必死に声をかけ続けていた。
そのお陰で目を覚ましすぐさま周辺の状況を確認したギア子はすくっと立ち上がるとトルキエの弓をぎゅっと握りしめた。
ギア子:姉さんを今すぐ離せ!
「お母さんが言ってた大事な用ってこれだったんだ!お母さんありがとう」
グレイ:嫌だと言ったら?証は全て扉にはめた。後はこの扉を開けるだけだ。勝った俺は勝ったんだ。ははははは。
グレイは誇らしげに全員の前で勝ち誇ったかのようにルーチェの間に反響するほどの大声で高笑いをした。
トーマ:頼む・・・セラを離してくれ・・弟を失い妹まで失いたくないんだお願いだ。
トーマは懇願するようにグレイに向かって両膝をついた。
つづく
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