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スピンオフ 反撃のダンデリオン
第二十三話 器と力量
しおりを挟む晴とあれっくすが着いた翌朝、会議室に各隊の隊長が集合していた。
部屋の奥には横長のテーブルがあり左からコーネリア、トーマ、タカールが座ったいて、隊長達は正面に立つ形で列んでおり、あれっくすはメルの横に立っていた。
トーマ:あれっくすさんおかえりなさい。それとテル、修行お疲れ様でした。メル以外は初対面だと思うから軽く自己紹介して貰えるかな?最初はテルから。
テル:はじめまして。トルマール町の出身のテルです。父はサイズ特攻隊長してました。よろしく!
テルは緊張のあまりトーマ達に向けて決めポーズでピースサインをしていた。
コーネリア:・・・。では、次はあれっくす殿。
あれっくす:分かりました。えっと、皆さんはじめまして。地球から来たあれっくすと申します。よろしくお願いします。
ニコラ:あれっくす!よろしく!地球ってどんな星なんだろう?後で教えてね!
ニコラとあれっくすは列の端と端で離れていたがニコラは背が小さいのもあって何度もジャンプしながら手を振っていた。
それを見たあれっくすが笑いながらニコラの方を見て軽く手を振った。
するとコーネリアが「会議中だぞ」と言わんばかりに咳払いをするとニコラがペロリと舌を出して前を向いた。
コーネリア:では、他の隊長も確認の為に挨拶をお願いします。
コーネリアの合図でアキラから順番に改めてそれぞれトーマとタカールに挨拶をした。
挨拶が終わるや否やマリが一歩前に出てトーマにテルをサイズ特攻隊長に任命して欲しいと申し出た。
トーマ:ふむ。テルお前の気持ちはどうなんだ?
テルはハッシュタルトに来てからずっと考えていた。
自分が特攻隊長になってやっていけるのだろうか、敵とも戦った事もないのに指揮が出来るのか、自問自答を重ねていた。
テルの返答をみんな待つ形となり会議室はシーンと静まり返った。
テルは意思が固まったのか口を真一文字にしてぎゅっと力強く拳を握った。
テル:俺はまだ敵と戦った事もない。自分で自分の力量も分かってる。父の意思を継ぐ気持ちはあるが今は父のように隊を率いる器も力量もないし特攻隊長は出来ない。ごめん。
それを聞いたマリは残念そうに肩を落とした。
テル:でも父が大事にしていた隊は存続させたい。だからマリさん、俺が一人前になるまで特攻隊長をお願い出来ませんか?
ティグ:テルがこう言ってるがマリどうだ。
マリ:テル様のお願いとならば一人前になるまでサイズ隊はお任せ下さい。
テル:ありがとう!マリさんよろしくな!
マリはテルが父のピネの思いを引き継いでくれている事が嬉しかったのか破顔をし頷いた。
トーマ:では、マリよ。これからサイズ隊を率いる事を任命する。
マリ:御意。
アキラ:マリ、案ずるな。テルが特攻隊長の器になれるようにこってり、いや、しっかり稽古つけてやろう。
テル:えええ?!優しく頼みます・・・。
テルはいつもの口調で言った瞬間、アキラは洗礼と言わんばかりに渾身の力でテルに腹パンを入れると、テルはあまりの痛さにその場にうずくまった。
ルチカ:まだまだだな・・・頑張れよ。未来の特攻隊長殿。
テルが見上げるとルチカが冷徹な笑みを浮かべながら見下ろしてるのを見て身震いするのであった。
その後、本格的な会議がスタートしツバキが宮殿内にいる諜報員から連絡が来た事を報告を始めるのであった。
ツバキ:シエンがいなくなった後ですがダマール兵達は宮殿と庭の合い向かいにあるルーチェ間を警護してるとの報告がありました。
コーネリア:ハッシュタルトからの通路から宮殿に向かったとしても、途中の広場となってる庭で挟み撃ちに遭う形なる訳ですな・・・。
ツバキ:そうなのです。元よりあの宮殿は外からの攻撃に備えてハッシュタルトのみしか入れないようになっていますし、敵が通路側から大挙しても広場で包囲出来るような仕組みになっています。
タカ:まずはルーチェの間を制圧しなければ・・・宮殿側の敵を何とか抑え込む事は無理だろうか?
アキラ:私とメルの隊で食い止めてみせます。
ニコラ:私とルチカはトーマ様達がルーチェの間にお届けする役目をさせて貰います。
ツバキ:私は高台からダマール兵の動きを確認いたします。
タカ:頼む。
トーマ:となると、ルーチェの門から地球に行くメンバーを決めなくては。
タカ:それならば地球の事をよく知ってるメンバーが望ましいだろう。グレイが地球にいるのかこっち側にいるのか不確定な状況からすると隊ごと移動は厳しそうだ。
コーネリア:ではどなたが?
トーマ:私が行こう。
それを聞いた会議室のメンバーはざわつくのであった。
つづく
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