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スピンオフ 反撃のダンデリオン
第十六話 三カ所のダマール兵
しおりを挟むポルテナ村を抜けハッシュタルトの手前でメル達はキャンプを張ると、作戦室を作りこれからどう攻めるか思案していた。
そこへ情報収集をしていたツバキが入って来た。
メル:ツバキ、もう動いて大丈夫なのか?
ツバキ:いつまでも妹の事を引き摺る訳にもいかない。それに仕事をしてる方が気が紛れるんだ。
ルチカ:気持ち・・分かる。
ニコラ:ツバキ、それで何か良い情報でも入った?
ツバキ:うむ。ハッシュタルトに潜入しているうちの隊の者が報告したい事があるというので連れて来た。
ツバキの横にいた隊員はニコラ達に向かうと跪き報告し始めた。
隊員:私から報告させて頂きます。よろしいでしょうか?
ルチカ:・・・うん。
ニコラ:聞かせて聞かせて。
隊員:では。ハッシュタルトにいる民は普通に生活しており特に拘束されてるとかはありません。ですが、ダマール兵が要所要所にいて出入りは厳しく管理されております。
メル:それには続きがあるのだな?
隊員:はい。他の隊員からの情報なのですが。グレイは地球に行ったまま戻らずシエンが宮殿で指揮を執ってるという話です。
ルチカ:それは確かなの・・?
隊員:はい。他にも二人が宮殿側に潜入していますが同じ事を申しておりました。グレイ様が不在ならば、監視しているダマール兵達を排除すればハッシュタルトを取り戻せるのではないかと。
メル:なるほど。
ルチカ:だけど慎重に行かないとね。宮殿にいるシエンに動かれるのは避けたい・・。
ニコラ:民を巻き込む訳にはいかないもんね・・・。ダマール兵の配置はどんな感じなんだろ?
隊員がテントにあるテーブルにハッシュタルトの市街のマップを広げ説明をし始めた。
隊員:ポルテナ村からの入り口、ネイザン村への入り口、宮殿に向かう入り口の三箇所にダマール兵が二名ずついます。
メル:港の方はいないのか?
隊員:ダマール兵がいると商売が出来ないと漁師達が騒いでおりますし、私達が港を使って侵入して来るとは思っていないようで配置されておりません。
ニコラ:この監視してるダマール兵を倒してもすぐバレちゃうの?
隊員:すぐにはバレませんが三時間毎に宮殿に報告も兼ねて、宮殿側からダマール兵が交代でやって来ます。
メル:この見張りをどう使うかだな・・・。
ツバキ:この見張りのダマール兵を同時に討つのはどうだろうか?
メル:そんな簡単に行くのか?
隊員:交代したダマール兵が報告に宮殿に行った後でしたらバレないかもです。
メル:ふむ。だが、三ヶ所に私とルチカとニコラが前以て潜んでいたとしても同時に討伐するのは難しくないか?
ツバキ:ならば、私が城下町の中央付近にある高台の教会から合図を送ろう。
ニコラ:それなら同時にいけそう!
隊員:ただ、その後にどうするかって事です。
ツバキ:確かに・・三時間後にはバレてしまう。
ルチカ:タカール様とダイナム様に宮殿側にバリア張って貰うのはどうだろうか・・・。
ツバキ:それなら私が今から里に行ってタカール様達を呼んでくる。
メル:では、タカール様とダイナム様が到着するまでに準備をしておくか。
ニコラ: そうだね。ツバキ頼んだ!
ルチカ:城下町の人も念の為に近隣の村に避難させた方が良くない・・?
隊員:では、ハッシュタルトにいるロンジのお孫さんのロロとララに頼むのはどうでしょう?
メル:確か・・入り口付近で花屋をしていたな。
隊員:はい。花やら雑貨などを扱っていて馬車を複数お持ちだと思います。避難を手伝うように頼んでみます。
ツバキ:頼んだ。もし、馬車が足りないようなら他の村からも頼もう。
隊員:かしこまりました。
ツバキ:じゃ、メル、ニコラ、ルチカ、準備を頼む。私達は応援を呼びに行くぞ。
隊員:はっ!
ツバキはタカールとダイナムをキャンプまで呼ぶ為に里にへと馬を走らせるのであった。
つづく
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