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スピンオフ 反撃のダンデリオン
第八話 囚われのバレンタイン
しおりを挟むあまりにもニコラが戯れてくるのでツバキは抵抗せずに棒立ちだった。
ツバキ:ニコラもう満足しただろ。ルチカもいるじゃないか。元気だったか?
ルチカ:ツバキお久・・・。
タカ:オッホン!挨拶はその辺で。ツバキ、急ぎの用とは何だ?
ツバキはニコラの体を突き放すと姿勢を正し、再度タカールの前に跪いた。
ツバキ:すみません。実はエルドラ村がダマール兵に占拠されたと報告が上がって来ました。
トーマ:それならユウトとノクトの部隊を行かせてはどうだろうか?
コーネリア:かしこまりました。私がお二人に伝えに行きます。
ツバキ:コーネリア様、お待ちください。
コーネリア:どうしました?
ツバキ:それがエルドラ村の長老のバレンタイン様が人質になったと・・・解放して欲しければトーマ様とタカール様を寄越せと相手側は言ってるようです。
メル:これは罠では・・・。
タカ:人質を取るという事は何か要求があるに違いない。罠だとしても行くしかあるまい。
トーマ:メルとツバキ一緒に来てくれるか?
メル:承知しました。ツバキ支度するぞ。
ツバキ:分かった。
タカ:では、ルチカとニコラはトルキエへ、ユウトとノクトはここにに残って貰う事にしよう。
コーネリア:承知しました。エマ様達にもその旨をお伝え致します。
トーマ:コーネリア、サクラさんと頼電の事も頼むよ。
コーネリア:勿論でございます。
タカ:では、私達も支度するとするか。
トーマ:はい。
そして数時間後にはバレンタインを救う為にトーマ達は出発する準備を終えると里の入口に来ていた。
サクラ:みなさんお気をつけて。
トーマ:サクラさん見送りありがとう。もしも何かあった時はエマ頼むぞ。
エマ:はい。ノクト様とユウト様がいますので心強いです。
ユウト:ここはは私達兄弟がトーマ様がお戻りになられるまで必ずお守り致します。
そして見送りに来ていた頼電は不安そうだった。
タカ:頼電、お前はルーチェの証を絶対に手放してはならんぞ。
頼電:うん・・・でも何かこれから起こるの?僕は不安だよ・・。
マサ:私達が頼電様を絶対にお一人には致しません、ご安心を。
ミミが安心させるように頼電の手を取り、サクラは頼電の肩を優しく抱いていた。
そこへダイナムが最後の荷物を馬に乗せた。
ダイナム:必要な物は全て乗せました。
トーマ:では、出発する。セラ、エマ、コーネリア、後の事は頼んだぞ。
セラ:分かったわ兄さん。
コーネリア:承知しました。ですが、部隊を連れずに四人だけで大丈夫なのでしょうか?
トーマ:大丈夫だ。
タカ:私達の事よりもここを守る方が大事だ。隊員はなるべくここに置いて行く方が良さそうだ。
コーネリア:承知しました。
メル:では、私が先頭に立ちますのでお二方はその後に。ツバキ、後方を頼んだぞ。
ツバキ:分かった。
トーマとタカールを間に挟む形でメルが先頭なり、ツバキは後方につく形でエルドラ村へと出発した。
メルは出発してから後方にいるツバキが下を向いたまま無言でいる事がどうにも腑に落ちなかった。
「ツバキめ・・・何か隠しているな・・・この胸騒ぎ・・・間違いであって欲しい」
メルはトーマに報告しようと、すぐ後ろにいるトーマの横に馬をつけた。
するとトーマは察していたのか口を一文字に結び首を振った。
その後ろのタカールも軽く頷くのを見てメルは何事もなかったかのように先頭に戻った。
「もしかしてトーマ様やタカール様もツバキの事を・・。何か考えがあるのかもしれん」
メルはトーマを信用しここは流れに身を任せようとそのままエルドラ村へと向かうのであった。
つづく
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