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第五章 衝撃!母との再会
第五話 催し物
しおりを挟む瑳呂紋はギア子が母の顔を見れるように頑張って話を引き伸ばしてくれてるようだった。
グレイ:これから皆さんに期待してますよ。
塔子:吉田商事の時の稼ぎ頭ですからね。グレイさんもきっと気に入って下さると思ってましたわ~。
そう言いながらグレイの腰をやんわり触れようとしたが、サッと避けられ肩透かしを食らい塔子は体のバランスを崩していた。
グレイは気安く触るなと言わんばかりに塔子を一瞥したが本人は全く分かってないようだった。
それを見ていた沙來と善志と梳は笑いを堪えていた。
それに気がついた塔子は腹立たしそうに睨んで来た。
グレイ:ところで瑳呂紋くん。後ろにいる方達はどなたですか?良かったら紹介して下さいませんか。
瑳呂紋:こちらはうちの家内の友達でして・・・。
ぺん:挨拶が遅れました。私の友達のギア子とご主人のメガ男さんと妹のメガ子さんだす。
ギア:はじめまして。
グレイ:はじめまして。どこかで会った事があるような気がしましてね。
ギア:し、しょ、初対面だと・・思い・ます・・・。
会った事があると言われ、顔を覗き込んで来たグレイにギア子は緊張のあまり言葉が途切れ途切れになってしまった。
グレイ:そうでしたか。今夜は楽しんで行って下さい。私達はこれで。
グレイは不適な笑みを浮かべるとくるりと出口の方へと向き秘書と歩き出した。
ギア子はグレイの後ろをついていく秘書に小声で「お母さん」と呼び掛けた。
秘書は一瞬足を止めたように見えたがすぐにグレイと共に会場から消えてしまった。
塔子:つれないわね~。それにしてもイケメンよねグレイさん。この後に催し物があるのに帰っちゃうなんて残念。
口をとんがらせ塔子は悔しそうにしていた。
瑳呂紋:塔子さんそういえばご主人は?
塔子:はは・・・翔太の事?まーた違う女作ったから離婚してやったわよ。
それを聞いて瑳呂紋の方かバツが悪くなり塔子に声かける言葉が見つからずにいた。
少しすると助け舟を出すように司会者が会場の人達に向けて話し出した。
司会者:皆さんこんばんわ。吉田商事とダマール・クリエーションのパーティに参加ありがとうございます。みなさんに素敵なプレゼントがございます。上をご覧ください。
天井を見るといくつものくす玉がぶらさがっていた。
司会者:会場内の電気を落として下さい。
照明が暗くなり一気にくす玉が破裂するような音と同時に会場一体がキラキラと光る粉が舞いはじめた。
会場内の人達は口々に「綺麗」「素敵なサプライズだ」と感動しているようだった。
メガ子:みんな鼻と口を塞いで!ここから早く逃げないと!みんな石像になっちゃうわよ☆
ギア:はっ。これってまさか。大家さんが浴びた粉?
瑳呂紋:裏口にバンが止めてある!こっちから出よう!
瑳呂紋が先頭に立ち粉を振り払いながらギア子達は裏口へと走り出した。
瑳呂紋がバンのドアを開けてみんなに入るように促したその時だった。
梳:さろ兄、沙來が‼︎
ギア子達が後ろを振り向くと裏口を出たところで沙來が石像になってしまっていた。
善志と梳も粉を浴びたせいで体の動きが緩慢となり石像化しはじめていた。
善志:う・・・動かない体が。
メガ子:しょうがないわね☆
メガ子がサッと妖精の姿になると、三人の周りでくるくると周りながら鱗粉を振りまいた。
メガ男:メガ子ありがとう助かったよ。
ギア:メガ子ないす‼︎
ぺん:は、早くここから逃げるだす!
石化が解けた沙來と善志と梳がバンに乗り込むと瑳呂紋は一気にアクセルを踏み込むのだった。
つづく
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