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スピンオフ 騎士団への道
第十三話 テルのお願い
しおりを挟む少しするとグレイとメルの動きが止まり、二人とも肩を激しく上下に動かし息も上がっていた。
グレイ:メル相変わらず強いな・・・。ミミとマサまでいるとは分が悪い。ここは引くとしよう。次こそは決着をつけよう。
メル:待て‼︎ まだ終わってない‼︎
メルがグレイを仕留めようと槍を突き出した時だった、メサは白い翼を広げると空へと飛んで行ってしまった。
メル:グレイに翼が・・・。
メルは緊張の糸が切れたのかその場に座り込んだ。
ミミ:メル様。大丈夫ですか‼︎ マサここに毛布を。
マサ:分かった。
ミミとマサがメルの怪我の手当てをし始めた時にテルがロンジにお願いをしに来た。
テル:ロンジお願いがあるんだ。俺は守られてばかりじゃなく自分の事は自分で守りたいんだ。トーマ達のところに行く前に試練の里に連れてってくれ。
ロンジは顎髭を撫でながら思案してるような仕草を見せるのであった。
手当を受けていたメルがテルの話を聞いて名案ではないかと呟いた。
晴:試練の里が名案とはどういう意味です?
ミミ:私から説明させて頂きます。試練の里とは騎士団に入る前に修行を行う場所です。期間はニ年間。里に入ると下界からは一才遮断されます。
ミミ:里に入った瞬間に適正に合う武術に振り分けら一人で修行を行います。
晴:に、二年も⁈
ロンジ:安心しろ。里の時間では二年だがこちらの時間だと二ヶ月程度だ。
あれっくす:って事は二ヶ月はテルは安全って事ですね?
ミミ:そうなります。今はダンデリオン騎士団も散らばっており集結するのも困難ですし、トーマ様達もダマールの兵士達に追われ現状テル様を守り抜くのは厳しい状況です。
メル:短期間でハッシュタルト城下町をを奪還し宮殿を取り戻す事が前提だがな。
ミミ:晴様とあれっくす様も試練の里に入られた方が身の安全は確保出来るのですが修行は過酷です。
それを聞いた晴とあれっくすは顔を見合わせお互いの意思を確認するのであった。
晴:私はこれ以上皆さんのお荷物になるのは嫌です。テルを守るとお母さんに約束しました。私も一緒に戦えるように試練の里に入ります。
あれっくす:僕もね。
ロンジ:んじゃそこまで行くとするか。
メル:試練の里までかなり距離がある。この先の港町スーラで補給した方が良いのではないか?
マサ:山脈が邪魔をしてマントラの森まで迂回しないとですからね。
ロンジ:そうだな。少し遠回りになるがしょうがないべ。
晴:そこに着くまでにまたグレイって人が襲ってくる事はあるんですか?
メル:どうだろうなあ。だが、グレイは本気を出していなかった。悔しいが・・。
テル:俺は多少は訓練は受けてるからいつでも戦える。今度グレイって奴が来たらやっつけてやる‼︎
メル:なかなか勇ましいな。だがまずは二年間修行してからだな。グレイは半年で修行を終わらせたエリートだ。人によっては二年で済まぬ場合もあるぞ。
晴:最長何年なんですか?
ロンジ:おらの村のやつは未だに出てこんな。
晴:えええ⁈ 私もしかしたら出てくる頃にはお婆ちゃんになってるかも。
あれっくす:さすがにそこまで運動音痴じゃないでしょ晴さん。
テル:ありえるかもな。晴ばーちゃん。ぎゃははははは。
テルはそれを聞いて大笑いするのであった。
つづく
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