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第四章 いざ!第二の故郷へ
第十四話 大家さん復活
しおりを挟む宮殿に戻ると夕食前に広間に集まるように言われたギア子達だった。
全員が広間に集まると真ん中には越褌の石像が鎮座していた。
エマ:皆さまお疲れ様でした。全ての材料が揃いましたので夕食前にお集まり頂きました。
トーマ:やっと越褌殿が復活するのだな。
ギア:大家さんもうちょっと待っててね。
するとメガ男の肩に乗っていたビーナスが石像の前で「これってもしかして・・・」と呟いた。
メガ:ビーナスどうした?
ビーナス:こいつもしかしてマラダラのパウダー使って固まっちゃったの?
セラ:そうよ。それでみんなで元に戻す為に材料を採取してたのよ。
ビーナス:そういうことだったのか。私の鱗粉で治せると思うけど。
リョウ:そうなのか⁉︎
エマ:そういえば、妖精の羽の鱗粉には物を溶かす力があるのを忘れてました。
ギア:そんな力あるように見えないけど?
ビーナス:ふんっ。見てなさいよ‼︎
ビーナスは越褌の頭の上から足元までくるくると回り羽ばたきながら鱗粉をふりかけていった。
すると一分くらいすると越褌の体が一気に緩み床へ倒れ込み咳き込み始めた。
越褌:ゲホゲホっ。わしに何が起きたんだ。ゲホゲホ。
ゆき:大家さん大丈夫? ごめんなさいこんな事になるとは思わなかったから。
美奈子:私もごめんなさい。
セラ:説明は後で。マサ、 越褌様をお部屋へお連れして。
マサ:かしこまりました。越褌様こちらに。
脇にいたマサが越褌を抱えると、ゆきと美奈子が付き添いながら広間から出て行った。
ギア:大家さん無事に戻ってよかったわ。
リョウ:あんなに釣りを頑張ったのにビーナスの力であっという間だったな。
朱美:私は身体が鍛えられて良かったです。
メガ:そういえば頼電はどうしてるかな?
トーマ:ああ、ミミとダイナムが面倒見てくれてたはずだぞ。
その時、ダイナムと五歳くらいの男の子が入って来るとギア子の元へ小走りで駆け寄った。
ギア:あら、宮殿にこんな小さな子がいたのね。こんばんわ。
後ろからミミが残念そうな顔でやって来た。
セラ:いいえ。こんな男の子は見た事ないわ。
メガ:でも誰かに似てる様な・・・。
ギア子とメガ男はお互い顔を見合わせ男の子の顔を見て気がついた。
ギア:ま、まさか頼電⁈
サクラ:出発する頃はまだ赤ちゃんだったのに何故・・・。
そこへタカールがやってきた。
タカ:みんなお疲れ様。頼電の事なんだが・・・。
ギア:頼電に何が起きてるんです?
エマ:セラ様達がいた時は何事もなかったのですが、先日の朝にはこのお姿に・・。
セラ:私達がいない間に?
タカ:原因は不明だ。いくつか考えられる事はあるが・・・。
トーマ:原因とは?
リョウ:生まれて間もなくアリュバス星に来たせいとか?
エマ:それも考えられますが。
タカ:とりあえず様子を見るしかないな。みんな疲れてるだろうからまた明日起きてから考えよう。
ギア:わかりました。
ギア子とメガ男の心中は複雑だったが夕食を済ませると頼電を連れて自室へと戻り三人は早めに就寝したのであった。
翌朝にギア子が目を覚ますと隣に若い男性の横顔があった。
ギア:え、だ、誰⁇
思わず驚いて慌ててベッドから起き上がると横にはメガ男も寝ていた。
昨日の夜に家族で川の字に寝ようと頼電を挟んで寝た事を思い出したギア子であった。
つづく
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