満月に吼える狼

パピコ吉田

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第四章 いざ!第二の故郷へ

第十三話 ハッシュタルト観光

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 夕方になる頃にリョウが再びヌアール湖に戻って来た。
 
ビーナス:リョウ様おかえりなさい、魚は全部釣り終わりましたよ‼︎

リョウ:ビーナただいま。ふむふむ。魚は全部揃ってますね。みなさんお疲れ様です。宮殿に戻る前に城下町に行きませんか?

あれっくす:大きな都市なのかな? 行ってみたいね。

晴:楽しそう是非‼︎

ギア:すぐに戻らなくても大丈夫?

リョウ:セラ達も城下町に最後の材料を取りに来るみたいだからみんなで食事でもしましょう。

朱美:わかりました。

ビーナス:ロンジがそろそろ来ると思うから馬車に乗せてもらいましょ。

 ビーナスはメガ男の肩の上が気に入ったのか偉そうに腕組みしながら座っていた。

リョウ:ロンジが案内人か。これは心強い。

 荷物を整理してるうちにロンジがやって来ると釣った魚を荷台に積み込みこんだ。
 
ロンジ:これで全部ですかな。じゃみなさん荷台に乗ってください。リョウ様は前へ。
 
リョウ:助かるよ。ちょっとだけ揺れるかもしれないけど皆さん少し我慢して下さいね。じゃ行きましょう。
 
 ギア子達は「はーい」と各自返事をすると荷台に乗り込み城下町へと向かった。

 到着すると城下町の入り口にはセラとゆきと美奈子が待っていた。

セラ:みなさんお疲れ様です。こちらで宿を取ってあります。まずはみなさん着替えてからそれから食事にしましょう。

ギア:助かります。何気にへとへと。
 
メガ:結構歩いたもんなあ。
 
ビーナス:わ、私のせいじゃないんだからっ‼︎
 
 ビーナスはメガ男の肩からリョウの肩へと逃げるように飛び乗った。
 
 するとそれを見ていた美奈子とゆきがビーナスに興味を示した。
 
美奈子:妖精って本当にいるんですね。可愛い。
 
ゆき:うん。初めて見ました。小さくて可愛いですね。
 
 ビーナスは可愛いと褒められると美奈子の肩に乗り愛想を振り撒き出した。
 
 ギア子はビーナスの本性を知っていたが、美奈子とゆきの夢を壊せないと思いぐっと我慢して何も言わずにセラの後をついて行った。

 全員着替え終わり宿の一階の広間に降り始めるとトーマとサクラとマサの姿が見えた。

ギア:サクラ!こっちこっち!

サクラ:ギア子達も来てたのね。もう肝心な時にいないんだから。
 
ギア:何かあったの?

 ギア子が階段から降りてすぐに目についたのは薬指のリングだった。

ギア:もしかしてこれ⁈

 恥ずかしがってるいるサクラに代わってトーマが婚約し事をギア子に伝えた。

ギア:サクラ、おめでとう‼︎

サクラ:ありがとう、ギア子。
 
 後ろから降りて来た面々もサクラのリングに気がつき次々とお祝いの言葉をかけた。

 宿屋の食堂に全員が集まるとテーブルには所狭しとギア子達もまだ見た事がないメニューが並んでいた。
 
トーマ:みなさん材料集めお疲れ様です。明日は観光も予定してますので楽しみにして下さい。
 
サクラ:ギア子、明日ハッシュタルトの泉にいかない?
 
ギア:良いけど、そこ何かあるの?
 
晴:さっきリョウさんに聞いたらアクセサリーとか色々売ってるんですって。
 
ゆき:私もご一緒して良いですか?

美奈々:私も‼︎

セラ:じゃ案内するわね。私も久しぶりだから楽しみだわ。
 
リョウ:じゃ男性陣はロンジの荷台にある魚やセラ達が買って来た材料を宮殿に持っていきますか。
 
メガ:分かりました。それにしてもイノシシってあんなにデカいんですね。どうやって仕留めたんです?
 
あれっくす:僕も知りたいです。
 
トーマ:それはね・・。
  
 女性陣はハッシュタルトの泉に行く話題で持ちきりとなり、男性陣はトーマほ話に夢中になっていた。

 その晩は宴もたけなわと言わんばかりに賑やかな食事会となり、翌日にはセラの案内で城下町を堪能した女性陣は夕方には宮殿へと戻るのであった。

つづく
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