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第二章 迫る!ダンデリオンの影
第七話 見えない隣人
しおりを挟むアパートに戻ると仕事から帰ってきたメガ男が丁度部屋の前にいた。
ギア:メガたん帰って来てたの?
メガ:うん、今帰って来たところ。それにしても二人とも血相変えてどうした?
一旦部屋に入り澄玲と朱美が来てからの話を説明したのであった。
メガ;話が複雑になってきたな・・・。てか、孝さんって誰って感じだけど。
ギア子が孝がいる部屋の壁に耳を当ててみたがまったく何も聞こえる気配はなかった。
ギア:人がいる気配なんてないけど・・・旧月さんは真下にいて何か物音とか聞こえなかったの?。
メガ:大家さん引っ越してきた時に何も言わないから気がつかなったよ。
ギア:でも、大家さんでもあんまり姿を見た事ないって言ってたよ?
旧月:今更ですが挨拶がてら行ってみます?
メガ:そうだな。行ってみよう。
メガ男が先頭に立ち隣の部屋に住む孝の部屋の前に行きインターホンを押した。
メガ:孝さーん?隣のメガ男とギア子です。
旧月:下の階に住んでる旧月です。
ギア:はじめまして。いらっしゃいますか?
メガ:孝さん?
三人は部屋の中にいるだろう孝に向かって大きな声で呼びかけた。
誰もいないのか返事は無く、部屋からは何も物音がせず誰かが出て来る気配もなさそうだった。
メガ:誰も住んでないんじゃないのかな。
旧月:部屋を借りてるだけかもしれませんもんね。
ギア:そうね。大家さんに誰もいないって言っとこうか?
玄関先で話してると前触れもなく急に玄関が開いた。
ギア子達は急に開いたドアに驚いた。
ギア:びっくりした。やっぱり誰かいるのかしら。
メガ:孝さん・・・?
メガ男が先に立ち玄関から部屋を覗き込んだ。
部屋は電灯が点いておらず相変わらず誰の姿も見えないでいた。
三人とも怖いもの見たさが打ち勝って部屋の中を覗く形になった。
メガ:おかしいなあ。とりあえず入ってみるか。
メガ男は玄関先にある部屋の電気のスイッチをパチッと押した。
部屋の中は一気に明るくなり、ギア子達が靴を脱ごうとしたその時、メガ男の肩に何かがぶつかり、ギア子と旧月の間を何者かが通り抜けたように一陣の風が吹いた。
三人とも一体何が起きたのか分からず、旧月は驚いて腰を抜かしたのかその場に座り込んだ。
旧月:ゆ、ゆ、幽霊⁈
メガ:そんなバカな・・・。
そう言いながらメガ男は部屋の中へと入って行った。
ギア:メガたん大丈夫なの???
メガ:大丈夫。それより二人ともこっち来てみろよ。
ギア子は旧月を立ち上がらせ恐る恐るメガ男の後ろから部屋を覗いた。
ギア:あれ?
よく見るとテーブルの上はカップラーメンやペットボトル、脇にはテレビやベッドなどがあり普通に誰かが生活してるように見受けられた。
旧月:幽霊はカップラーメン食べないですよね?
ギア:う、うん。
メガ:窓が空いてるから風で玄関が開いたのかな。鍵閉めてないなんて不用心だな。
旧月:いや、あれは誰かが私達の前を通った気がしましたよ?
ギア:うん。目の前を誰かがすっと通ったわよ。何も見えなかったけど。
メガ:何かが俺にぶつかったなそういえば。
旧月:やっぱり幽霊。ひいいいいい。
よほど幽霊が怖いのか旧月は部屋から走って出て一気に階段を駆け降りて行った。
ギア:ちょっと旧月さん?待って‼︎
ギア子は心配になって旧月を追いかけた。
残ったメガ男は部屋を見回してみたが特に何かあるようには見えなかった。
翌日に改めて大家の確認を取り、ギア子達は孝の部屋を捜索し始めた。
するとゴミ箱に眞香の手紙を発見したのである。
だが肝心の端末はどうしても見つからなかった。
つづく
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