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第一章 叩け!釈迦頭金貨財団
第二十話 おかえり
しおりを挟む美奈子は黄金ハニワのお陰で全額返済し、警察に協力した事もあり眞香の計らいにより無罪放免になった。
釈放されたその日に美奈子が改めてお礼にやって来て「エステ来週から来てくださいね」と言って帰っていった。
メガ:これでみんな解決したな。
ギア:本当ね。
だが、リョウからギア子の腕に流れ込んできた光の球体は何だったのか未だに分からずにいた。
数秒の出来事で何かの見間違いかもしれないとも思っていたし、実際には体に特に異変はなく普段通りだったからだ。
他にギア子が気になっていたのがリョウが最後に大事な事を言った気がするが、海の音にかき消されて結局は聞き取れなかった。
答えがわからない事をいつまでも考えるのは自分らしくないと心の中で踏ん切りをつけて気にしない事にした。
そこへメガ男が珍しく真面目な顔をしてギア子を呼んだ。
メガ:ギア子・・・。
ギア子が振り返るとメガ男がポケットから小さなケースを取り出した。
メガ:結婚してからバタバタしてて指輪を渡せずにいてすまなかった。
そう言いながらフタを開け小さいダイヤがついた指輪を取り出しギア子の左手の薬指にはめたのであった。
ギア:指輪の事を忘れてると思ってた。ありがとうメガたん。大好きだよ。
メガ:俺も。
メガ男はそう言うとギア子の肩を優しく抱き寄せ、そして唇と唇が触れるか触れないかの時にインターホンが鳴った。
こんな時くらいは誰か来てもほっといても良いだろうと思っていたが、よほどの急用なのか何度もピンポンピンポンと鳴り続けた。
ギア:良いとこだったのに誰よもう‼︎
ムードがぶち壊れと言わんばかりにメガ男もガックリ肩を落とした。
ギア子がドアを開けるとそこにはサクラがボストンバッグを持って立っていた。
サクラ:ただいまっ。継之助さんと別れちゃったからまた戻ってきました。いえーい。
大家には確認済みでまた隣に引っ越してくる事になったらしい。
サクラ:大家さんのとこに行ったら鍵は明日にならないとダメって言われたから今夜は泊めてね。
そう言うと部屋にズカズカと入って来て、テーブルの上にあった指環ケースをすかさず見つけ「良いなあ。私も欲しい。」とメガ男に言い寄り始めた。
ギア:ちょっと‼︎メガたんから離れなさいよう。
メガ:まあまあ久しぶりにサクラも帰って来た事だし。そうなると晩飯は俺が腕を振るうか?
「やった~!」とギア子とサクラは同時に言うと、お互いの顔を見合わせて微笑んだ。
ギア:サクラ改めておかえりっ。
サクラ:ただいまっ。
その晩はサクラが不在中に起きた事を最初からストーリー仕立てでギア子が話したせいでメガギアの家には夜遅くまで灯りがついていたのであった。
第一章 完
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