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第一章 叩け!釈迦頭金貨財団
第十七話 不吉なメッセージ
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ギア子がトイレから出てくると会場に戻る通路にリョウが壁にもたれかかって腕を組んでいるのが見えた。
ギア子は知らんふりをしてリョウの前を通り過ぎようするとギア子の方を見てニコッと笑って声をかけて来た。
リョウ:ギア子さんこんにちわ。みなさんお揃いのようですね。
ギア:‼︎
リョウ:僕の情報網を侮らないで頂きたい。
ギア:さあ?何の事かさっぱりです。
ギア子はしらばっくれたままぺんちゃんがいる席に戻ろうとしたその時だった。
リョウ:おっとそうは行きませんよ?僕と一緒にこのイベントを見ようじゃありませんか。それに大事なお友達が何かあっても僕は知りませんよ?
リョウの背後から財団御用達の黒服の警備員が二人現れ、両脇から腕を掴まれたギア子は、「逃げれない」と観念するとそのままVIPルームに連れて行かれるのであった。
ギア子はリョウに作戦がバレている事を知り今すぐみんなに知らせたい一心だったが、黒服の警備員が後ろに控え隣にはリョウが座っている状況だった。
リョウ:ギア子さんどうかしましたか?おや?みなさんに知らせようとしてますか?そんな事したらイベント即刻中止にしますよ。ふふふ。
ギア:・・・そんな事しないわよ。
リョウに言われるがまま大人しくあれっくす達のパフォーマンスが始まるのを待つしかないと腹を括ったギア子だったが、リョウは実際どこまで作戦の内容を知ってるいるのかは定かではなかった。
こんな事も起きるかもしれないとギア子は女の勘を働かせてぺんちゃんに洗脳解除のドライブのスペアを渡しておいたのであった。
「私をこの席に縛り付けてもぺんちゃんがきっと瑳呂紋さんに渡すはずだわ」
そんな時に携帯電話が鳴った。
バッグから取り出し見るとぺんちゃんから「ワンコが逃げてどこかに行ってしまっただす。どうしようギアっち‼︎」とメッセージが画面に光っていた。
ぺんちゃんが荷物が多かったのは犬を連れてきたせいだった。
それを覗き見ていたリョウが「料理パフォーマンスやってるのに犬がその辺にうろつかれては困る‼︎」と怒り出した。
「その女はどこだ。教えろ。おいお前ら、会場にいるか探せ。」
黒服の警備員に捜索を命令すると同時にギア子の腕を掴むと座っていた席まで行く事になった。
席までは行くとぺんちゃんが小声で犬の名前を呼んでるようだった。
ギア子に気がついたぺんちゃんは駆け寄って来た。
ぺん:ギアっちごめんなさい~、ラテちゃん拍手の音にびっくりしてどこか行ってしまっただす。
ギア:荷物が多いと思ったら犬を連れて来てたの。
リョウ:動物は入れないようになっていたはずだぞ。
ぺん:一人で留守番は可哀想だからこのバッグに入れて来ただす、へへっ。
ギア子とリョウはそれを見て呆れ顔になった。
リョウ:とりあえず邪魔な犬を探さないと、二人とも俺から離れるなよ分かってるだろうな。
ぺん:あれ、リョウ様がどうしてここに。ギアっちいつの間に仲良しに?
リョウに作戦がバレているのとドライブ渡すタイミングがない事をギア子は小声でぺんちゃんの耳元で囁いた。
ギア:ドライブのスペア渡したわよね?あれを時間までに届けてよ。リョウは私がどうにかするから。
ぺん:実は・・・ラテちゃんの首輪のペンダントに隠してあるんだす。
ギア:なんですって?!
リョウ:おい‼︎こそこそ何を話してんだ行くぞ‼︎
ギア子とぺんちゃんは仕方なくリョウと犬を探し始めた。
その頃、舞台ではあれっくすの料理教室のパフォーマンスが始まった。
すると五分経ったところで会場で大きな歓声が湧き、司会の光人が「可愛いワンちゃんの登場です」と微笑ましそうに紹介した。
探していた犬は飼い主のあれっくすの声に気がつき舞台に登ってしまったようだった。
あれっくすが犬を近くに呼び寄せ軽く芸をさせながら料理を続けると見ていた観客は更に盛り上がっていた。
ぺん:ラテちゃんいただす。あそこだす。
リョウ:あのパフォーマンスが終わったら犬を連れて外に出ろ。分かったな。
ぺんちゃんは「すみません、へへっ」と言って慌てて舞台の袖へと走って行った。
走っていく途中でぺんちゃんは少し振り向きギア子に大きくウィンクしていた。
果たしてぺんにゃんは瑳呂紋にドライブを渡せるのだろうか。
つづく
ギア子は知らんふりをしてリョウの前を通り過ぎようするとギア子の方を見てニコッと笑って声をかけて来た。
リョウ:ギア子さんこんにちわ。みなさんお揃いのようですね。
ギア:‼︎
リョウ:僕の情報網を侮らないで頂きたい。
ギア:さあ?何の事かさっぱりです。
ギア子はしらばっくれたままぺんちゃんがいる席に戻ろうとしたその時だった。
リョウ:おっとそうは行きませんよ?僕と一緒にこのイベントを見ようじゃありませんか。それに大事なお友達が何かあっても僕は知りませんよ?
リョウの背後から財団御用達の黒服の警備員が二人現れ、両脇から腕を掴まれたギア子は、「逃げれない」と観念するとそのままVIPルームに連れて行かれるのであった。
ギア子はリョウに作戦がバレている事を知り今すぐみんなに知らせたい一心だったが、黒服の警備員が後ろに控え隣にはリョウが座っている状況だった。
リョウ:ギア子さんどうかしましたか?おや?みなさんに知らせようとしてますか?そんな事したらイベント即刻中止にしますよ。ふふふ。
ギア:・・・そんな事しないわよ。
リョウに言われるがまま大人しくあれっくす達のパフォーマンスが始まるのを待つしかないと腹を括ったギア子だったが、リョウは実際どこまで作戦の内容を知ってるいるのかは定かではなかった。
こんな事も起きるかもしれないとギア子は女の勘を働かせてぺんちゃんに洗脳解除のドライブのスペアを渡しておいたのであった。
「私をこの席に縛り付けてもぺんちゃんがきっと瑳呂紋さんに渡すはずだわ」
そんな時に携帯電話が鳴った。
バッグから取り出し見るとぺんちゃんから「ワンコが逃げてどこかに行ってしまっただす。どうしようギアっち‼︎」とメッセージが画面に光っていた。
ぺんちゃんが荷物が多かったのは犬を連れてきたせいだった。
それを覗き見ていたリョウが「料理パフォーマンスやってるのに犬がその辺にうろつかれては困る‼︎」と怒り出した。
「その女はどこだ。教えろ。おいお前ら、会場にいるか探せ。」
黒服の警備員に捜索を命令すると同時にギア子の腕を掴むと座っていた席まで行く事になった。
席までは行くとぺんちゃんが小声で犬の名前を呼んでるようだった。
ギア子に気がついたぺんちゃんは駆け寄って来た。
ぺん:ギアっちごめんなさい~、ラテちゃん拍手の音にびっくりしてどこか行ってしまっただす。
ギア:荷物が多いと思ったら犬を連れて来てたの。
リョウ:動物は入れないようになっていたはずだぞ。
ぺん:一人で留守番は可哀想だからこのバッグに入れて来ただす、へへっ。
ギア子とリョウはそれを見て呆れ顔になった。
リョウ:とりあえず邪魔な犬を探さないと、二人とも俺から離れるなよ分かってるだろうな。
ぺん:あれ、リョウ様がどうしてここに。ギアっちいつの間に仲良しに?
リョウに作戦がバレているのとドライブ渡すタイミングがない事をギア子は小声でぺんちゃんの耳元で囁いた。
ギア:ドライブのスペア渡したわよね?あれを時間までに届けてよ。リョウは私がどうにかするから。
ぺん:実は・・・ラテちゃんの首輪のペンダントに隠してあるんだす。
ギア:なんですって?!
リョウ:おい‼︎こそこそ何を話してんだ行くぞ‼︎
ギア子とぺんちゃんは仕方なくリョウと犬を探し始めた。
その頃、舞台ではあれっくすの料理教室のパフォーマンスが始まった。
すると五分経ったところで会場で大きな歓声が湧き、司会の光人が「可愛いワンちゃんの登場です」と微笑ましそうに紹介した。
探していた犬は飼い主のあれっくすの声に気がつき舞台に登ってしまったようだった。
あれっくすが犬を近くに呼び寄せ軽く芸をさせながら料理を続けると見ていた観客は更に盛り上がっていた。
ぺん:ラテちゃんいただす。あそこだす。
リョウ:あのパフォーマンスが終わったら犬を連れて外に出ろ。分かったな。
ぺんちゃんは「すみません、へへっ」と言って慌てて舞台の袖へと走って行った。
走っていく途中でぺんちゃんは少し振り向きギア子に大きくウィンクしていた。
果たしてぺんにゃんは瑳呂紋にドライブを渡せるのだろうか。
つづく
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