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第一章 叩け!釈迦頭金貨財団
第一話 イギリス仕込み
しおりを挟む結婚してから料理がなかなか上手く出来ずサクラに料理の腕を見せつけられたギア子。
どうにかせねばと結婚前に働いていた会社で仲良くしていた主婦のぺんちゃんに相談する事にした。
連絡した翌日に早速ぺんちゃんがギア子の新婚生活の危機?の為にやって来た。
ピンポーンとインターホンが鳴るとギア子すぐさま玄関に行きドア開けた。
玄関前には小柄でフリル多めの姫系ファッションに身を包みパッと見は可愛い雰囲気を醸し出しているのだが、口から発する言葉はその服装に似つかわしくない独特な訛りで話すぺんちゃんが立っていた。
ぺん:ギアっち招待ありがとだす。
ギア:ぺんちゃん待ってたよう。
ギア子は料理を教えて貰う立場というのもあり、ぺんちゃんの好物のマカロンやアップルティーなどを準備していた。
ギア子:ささ、こっちに座って。
ぺん:わあ、私の好きなお菓子用意してあるっす‼︎ありがとだす。えっと、それでお料理の話だすか?
ギア:うん。ずっと失敗ばかりだし隣のサクラは料理が異次元に上手だし、メガたんはグルメだし困ってたの‼︎お願い‼︎ぺんちゃんの献立参考にさせてよっ。
ぺん:えっ⁉︎参考になるかなあ・・・。私は月曜うどん、火曜焼きそば、水曜おそば・木曜パスタだったかな?それと昨日は旦那さんがお食事に連れてってくれたんだすよ、えへへへ。
ギア子は期待していた分、ぺんちゃんからの言葉にガックリと膝を落とした。
ぺん:ごめんねぇ、私も料理得意じゃないんだす・・・。それで私とギアっちに良いの見つけただすよ。この料理教室にニ人で行ってみるのはどうだすか?
ぺんちゃんが料理教室のチラシをギア子に見せた。
ギア:これ良いかも‼︎少しでも料理が上手になるなら何でもやる。
ぺんちゃんがその場で予約をして来週から料理教室に行く事になったが、短期間で上手くなるのだろうか?と不安でもあった。
不安な面持ちなまま当日を迎えたギア子はぺんちゃんは予約した時間に料理教室にやって来ていた。
料理教室の掲示板には「あれっくすのイギリス仕込みの料理教室」と大体的に書いてあり、異国の風な飾り付けにもなっていてそれを見た二人は不安な気持ちが消え去りむしろ期待に胸が膨らんでいた。
時間になると白く長いコック帽に襟元には赤いリボンをつけ、まるでフレンチやイタリア料理を連想させる服装を纏ったあれっくすが現れた。
あれっくす:みなさん僕の料理教室にようこそ‼︎ 君達の顔が見れなくて寂しかったよ。元気だったかい?
あれっくすは教室を見渡し大袈裟に大きく手を振りつつ生徒達に投げキッスを送っていた。
女性達はあれっくすが教室に入って来るやいなや黄色い歓声をあげ、一挙一動にどよめき熱い視線を注いでいた。
そのまま壇上に上がり授業を始めると思いきや、あれっくすは一つ一つのテーブルを個々に周り始めた。
一人ずつ声をかけていてなかなか授業が始まらず、いつになったら本題に入るのかとギア子とぺんちゃんは暇を持て余しテーブルの上で頬杖をついて眠りかけていた。
しばらくすると全員と挨拶が終わったらしく、あれっくすが壇場に上がり本日の献立について説明し始めた。
あれっくす:さてと、今日の献立は肉じゃがと美味しいお味噌汁の作り方でーす!みんなレッツクッキング♪
それを聞いたギア子とぺんちゃんは一気に目が覚め、話が違うとばかりにギア子はぺんゃんの方を見た。
すると、ぺんちゃんは慌ててチラシをバッグから取り出し、二人で細部まで見るとイギリス仕込みの料理教室の下に小さく「和食の基本をしっかり覚えられる」と書いてあった。
一ヶ月分の受講料を支払ってしまった二人はあれっくすに言われるがままに肉じゃがと味噌汁を作り始めた。
ギア子:なんでこんな事に・・・。
ぺんちゃんはギア子の方をちらりと見て申し訳なさそうに小声でごめんと呟いた。
そんなこんなでギア子はメガ男を喜ばせる料理が作れるようになるのはまだまだ先のようだ。
つづく
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